衆議院解散総選挙2017によるFX取引への影響と為替予想

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「衆議院解散総選挙で為替はどう動くの?」

FX投資家であれば、選挙で気になるのはこの一点に絞られるのではないでしょうか。今回は、衆議院解散総選挙2017によるFX取引への影響と為替予想について解説します。

過去の衆議院解散総選挙の為替推移・株価推移の振り返り

選挙当日は、日曜日なので「金曜日の終値」と「翌週の月曜日の終値」の比較になります。

  1. 2005年9月11日(小泉内閣)
  2. 2009年8月30日(麻生内閣)
  3. 2012年12月16日(野田内閣)
  4. 2014年12月14日(安倍内閣)

FX:米ドル/円

日時前日終値翌日終値変化率
2005年9月11日109.69110.360.61%
2009年8月30日93.6393.01-0.66%
2012年12月16日83.4783.880.49%
2014年12月14日118.77117.8-0.82%

株価:日経平均

日時前日終値翌日終値変化率
2005年9月11日12,692.0412,896.431.61%
2009年8月30日10,534.1410,492.53-0.40%
2012年12月16日9,737.569,828.880.94%
2014年12月14日17,371.5817,099.40-1.57%

傾向

日時株価為替
2005年9月11日株高円安
2009年8月30日株安円高
2012年12月16日株高円安
2014年12月14日株安円高

考察

「選挙があるから、円高」「選挙があるから、円安」
「選挙があるから、株高」「選挙があるから、株安」
・・・

とは言い切れないということがわかるかと思います。

基本的には「解散選挙 = 選挙相場」と言われています。選挙によって、いろいろな経済政策が動くことと、新しい内閣が発足するなどすれば、期待値込みで株が買われるからです。

しかし、過去4回の選挙後の為替相場、株価の動きを見ても、それは確定的なものではありません。

ただ、ひとつ言えることは

  • 株高なら円安
  • 株安なら円高

という関係性は4回とも、崩れていないということです。

株価・為替の関係性の仕組み

そもそも、「なぜ、株価と為替がこのような関係にあるのか?」を抑えておく必要があります。

株価変動による為替への影響

日本は、現在はかなり陰りはあるものの、輸出大国であることは間違えありません。

上場企業も、世界展開しているメーカーなどの輸出企業がが多いのです。

  1. 円安
  2. 海外の方から見て日本の輸出企業の製品は安く買える状態
  3. 売り上げ増
  4. 輸出企業の業績アップ
  5. 株価上昇

となります。

  • 円安 → 株高
  • 円高 → 株安

となるのです。

為替変動による株価への影響

日本の株式市場では「外国人投資家」の存在感が非常に高い現状があります。

投資部門別 株式売買状況 東証第一部

出典

これを見れもらえればわかる通りで

海外投資家の売買割合:64.6%

となっています。

なんと、日本株を売買をしている3人に2人は外国人投資家ということになります。

保有割合でいえば、外国人投資家は20%前後なのですが、日本人投資家は積極的に売買をせず、長期保有をベースにする投資家が多いため、売買の割合は60%を外国人投資家が占める状態になるのです。

外国人投資家の動き次第で株価は動く

ということになります。

woman
「株価が動いても、為替に関係あるの?」

と思ってしまうかもしれませんが・・・

concierge
外国人投資家が日本株を買うためには、外国人投資家の保有している通貨(外貨)を日本円にしてからでないと買えない

のです。

しかし、外国人投資家の立場に立ってみれば

concierge
日本株の上昇を期待してドル建ての日本株に投資をするのに、円高ドル安になってしまえば、為替で損をしてしまう

という懸念が出てきます。

そこで、外国人投資家は

「日本株を買う」場合は、為替リスクをヘッジするために「円売りポジションを持つ」
「日本株を売る」場合は、為替リスクをヘッジするために「円買いポジションを持つ」

形で投資をするのです。

日本株の買い + 円売り
日本株の売り + 円買い

をセットとして、60%を超える売買シェアを持つ投資家が行うのですから

当然

  • 株高円安
  • 株安円高

になってしまうのです。

衆議院解散総選挙後の為替レートを予想する

衆議院解散総選挙後の為替レートを予想するなら

外国人投資家が「日本株の買いに入るのか?売りに入るのか?」を予想すれば良い

ということになります。

  • 外国人投資家が解散総選挙の結果、「日本株が買いだ。」と判断すれば、円安
  • 外国人投資家が解散総選挙の結果、「日本株が売りだ。」と判断すれば、円高

になるのです。

外国人投資家の気持ちを予想する

外国人投資家は、日本人投資家とは違って、小池都知事のパフォーマンスや日夜報道されるワイドショーなどの影響はほとんど受けません。

  • 与野党の政策
  • 政策の実績
  • 世界的なポートフォリオの中の日本株の位置付け

が主な判断材料といえます。

すごく、シンプルといっていいでしょう。

実際に、2013年に民主党から自民党に政権交代したときは、外国人投資家は15兆円以上、日本株を買い越ししています。経済成長を重視する政権に代わったことが評価されたのです。

外国人投資家から見れば

2013年の政権交代から、株価は順調に伸びている

= 与党のアベノミクスは成功している

と見えているはずです。

「給料が上がってない。アベノミクスは失敗だ。」と感じている日本人がいても、関係ないのです。

与党(自民党)が圧勝

→ 外国人投資家の判断:日本株は買い
→ 為替変動:円安

与党(自民党)が惨敗

→ 外国人投資家の判断:日本株は売り
→ 為替変動:円高

というシンプルな結果になると予想します。

与党(自民党)の勝敗ライン

安倍首相が9月25日記者会見で勝敗ラインとして

「与党の自民、公明両党で過半数」

というものです。

  • 衆院の定数:465(小選挙区289、比例代表176)
  • 与党の解散時勢力:322(自民289、公明35)

ですから、

安倍主張の目標設定「過半数の233」

というのは、だいぶ固めに読んだ低い目標設定であることがわかります。議席を90近く失っているのですから、実際に過半数ギリギリだった場合には、かなり判断がわかれるところになるはずです。

  • 現状の議席維持・10議席程度の微減(定数が10議席減った影響) → 自民党の大勝利
  • 30~50議席程度の減少・改憲勢力310議席(3分の2)確保 → 自民党の勝利
  • 90議席程度の減少 → 自民党の敗北(首相交代の可能性あり)
  • 過半数割れ → 自民党の大敗(首相交代)

というのが、外国人投資家の考える勝敗ラインのイメージだと思われます。

現時点の衆議院解散総選挙の情勢まとめ

毎日新聞:2017年10月15日/7万3087人

自民党は小選挙区、比例代表とも堅調で、単独で300議席を超える可能性
希望の党は最大で54議席にとどまる見通し
立憲民主党は公示前勢力(15議席)を大きく上回る40議席台を確保しそう

朝日新聞:2017年10月13日/8万8000人

自民党:286議席
希望:57議席
公明:34議席
共産:21議席
立憲民主党:15議席

読売新聞:2017年10月11日/13万229人

自民党(公示前勢力284)は、衆院の常任委員長ポストを独占し、各委員会で過半数を確保できる「絶対安定多数」(261)にも届く勢いをみせている。
公明党は、小選挙区選に立候補した9人の大部分が優勢で、比例選も堅調だ。自公両党で300議席をうかがう。
望は小選挙区に198人を擁立したが、優位に立っているのは7人のみ。衆院解散直後に合流した民進党の前議員がほとんどだ。党代表の小池百合子・東京都知事が地盤とする東京で伸び悩んでおり、比例選でも30議席台にとどまりそうな情勢だ。

考察

選挙は何があるか?わからないものですが、現状の情勢調査を見る限りでは

自民党の勝利は固い

ということがわかります。

与党(自民党)が圧勝

→ 外国人投資家の判断:日本株は買い
→ 為替変動:円安

に進む可能性が高くなるので、円安傾向を意識してポジションを持つ方が良いかと思います。

concierge
ただし、ここまで「自民党勝利」と報道されてしまうと、逆方向に少しでも動いたときに、株価や為替が大きく予想と反する動きをする可能性もあります。「選挙は急に風向きが変わる」ことも往々にしてあるため、常に情報のアンテナははっておきましょう。

衆議院解散総選挙後の為替はどのタイミングでどのぐらい動くのか?

今回の衆院選が

自民党勝利 → 株高円安

が前提だとすると直近の解散総選挙で「株高円安」になった

2012年12月16日(野田内閣)

を見てみると

超円高時代だったのも、考慮する必要がありますが、円安は長期間継続して推移していました。

concierge
今回の衆議院解散総選挙後も、円安に長期的に動くのではないかと考えられます。

当然、解散総選挙は米ドル/円の一要素であり、FOMC(連邦公開市場委員会)による利上げもうわさされているので、対外的な環境も見ておく必要がありますが・・・

  • 解散総選挙前は、様子見で上値が重い展開
  • 解散総選挙直後は、自民党勝利で株高円安
  • 2017年の終盤、自民党勝利の余波や米国利上げで円安が長引く

と予想します。

与党(自民党)勝利後の安倍政権の政策によっても、今後の為替に影響がある!

与党(自民党)勝利の後に安倍政権・安倍内閣がどう動くのか?

は、外国人投資家も注目しているポイントだと考えられます。

今回の選挙では「改憲が大義」ということになっていますが・・・

外国人投資家には、対して重要視されていることではありません。

外国人投資家が気にしているのは

  • 構造改革
  • 成長戦略

です。

与党(自民党)勝利を受けて、安倍首相が、既得権益が強い業界などの構造改革をすすめて、経済成長を確かなものにする姿勢を打ち出すこと

が大きなポイントになるでしょう。

日銀の大幅金融緩和によって「円安誘導、株高」までは成功していますが、いつまでも日銀が株や国債を買い続けられるわけではありません。

  • 企業の業績が良い状態
  • 選挙で支持を受けている状態

でしか「構造改革・成長戦略」は推し進めることができませんから、このタイミングが絶好のタイミングとも言えます。

ここで、安倍首相が「改憲」ばかりに気を取られてしまって、「構造改革・成長戦略」が弱くなってしまえば、外国人投資家は失望売りに向かうかもしれません。

逆に明確な「構造改革・成長戦略」を強化する政策を打ち出せれば、外国人投資家の日本株買い(円売り)も強気になり、より「円安傾向が強まる」と考えられます。

concierge
つまり、衆議院解散総選挙の日だけを見ているのではなく、解散総選挙後の安倍政権の政策の方が要チェックといっていい重要なポイントになるはずです。

ここまで、選挙の情勢調査で自民党勝利が手堅いと

  • 衆議院解散総選挙で自民党がどのくらい議席を確保するのか?

よりも

  • 自民党勝利後に安倍首相がどのような政策を打ち出すのか?

の方が株価や為替に与える影響が大きいと思われます。

まとめ

過去の衆議院解散総選挙では

  • 解散総選挙があるから、円安・円高という傾向は見えない

という結果が出ています。

しかしながら

  • 株高円安
  • 株安円高

という関係性は顕著になっています。

日本株の売買シェアの6割以上は外国人投資家が行っています。

そのことから、考えれば

  • 衆議院解散総選挙を外国人投資家がどう判断するのか?

が衆議院解散総選挙の為替相場に大きく影響を与える要因となります。

外国人投資家から見ると

  • 株価が上がっているのだから、アベノミクスは成功している

と思っています。

だとすれば

  • 自民党勝利 → 株高円安
  • 自民党敗北 → 株安円高

というシンプルな結果になるはずです。

現時点の情勢調査では

  • 自民党勝利 → 株高円安

の可能性が非常に高いのです。

ただし、自民党勝利後に、安倍首相が「構造改革・成長戦略」を強化する政策を打ち出せるかどうか?も、その後の為替相場に大きな影響を与えます。

  • 「構造改革・成長戦略」を打ち出す  → 株高円安
  • 「構造改革・成長戦略」を打ち出せない  → 株安円高

という形になることが予想されるので、選挙の結果も重要ですが、選挙後の安倍首相の政策にも注意しておく必要があります。

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