「MT4ってどうやって使えば良いの?」
「海外FX初心者にわかりやすくMT4の使い方を教えてください。」
という声も少なくありません。初心者の方にMT4/MT5の使い方をできるだけわかりやすく解説します。今回のテーマは「新規注文の仕方と注文種別ごとの発注方法」です。
注意点
MT4とMT5は、若干の違いがありますが、同じソフトウェア「メタトレーダー」ですので基本的な使い方は同じです。MT4をベースにMT4/MT5の使い方を解説していきます。
MT4/MT5には様々な新規注文方法がある
MT4/MT5では、新規注文がどんな状況でもできるように、またどんな思考の人にもあったものが見つかるように、「新規注文の発注方法」がいくつも用意されています。
- チャート画面上から発注する
- メニューバーから発注する
- 気配値ウィンドウから発注する
- ショートカットキーで発注する
- チャート画面上のワンクリックで発注する
などです。
新規注文の発注方法の種類
1.チャート画面上から「新規注文」を発注する方法
チャート画面上にマウスポインタを置いて、右クリックをするとメニュー画面が表示されるので、その選択肢の中から「注文発注」を選択し、「新規注文」を選択します。
2.メニューバーの「新規注文」から発注する方法
メニューバーにある「新規注文」アイコンをクリックします。
3.気配値ウィンドウから発注する方法
気配値ウィンドウには、通貨ペアが表示されています。気配値ウィンドウ上にマウスポインタを置いて右クリックをするとメニュー画面が表示されるので「新規注文」を選択します。
4.キーワードのショートカットキーで新規発注する方法
ショートカットキー、Windowsの場合「F9」を押すと新規発注画面が開きます。
1~4のどれかの操作→注文画面が表示される
前述した1~4の注文画面を開く方法を取ると、下記のような注文画面が表示されます。この注文画面から、条件を選択して発注をすることになります。
5.ワンクリックで発注する方法
前述した通りで、1から4の方法を取った場合には
- 「新規注文ボタンをクリック」→「注文画面の設定から発注」
という二段階の注文方法となります。二段階の操作にはロスが少なからず出てしまうので、この段階を省いて
- 「ワンクリックで発注が完了する」 = ワンクリックトレード
という方法も用意されています。
チャート左上の「▼」をクリックするとワンクリックトレード用のパネルが表示されます。
ワンクリックトレード用のパネルが非表示のチャート画面
ワンクリックトレード用のパネルが表示されたチャート画面
ワンクリックトレード用のパネルに表示された「SELL」「BUY」のボタンをクリックすると一回の操作で発注が確定します。
パネルの真ん中上部の数字部分が発注する量「ロット数」です。「発注量」のよこのプラウダウンを選択すれば、「発注量」を変更することができます。
チャート左上の「▲」をクリックするとワンクリックパネルが非表示になります。表示・非表示はここで操作します。
MT4/MT5の発注画面の説明
前述したワンクリックトレードではない、1~4の方法で開いた発注画面の使い方を解説します。
発注画面はこういう形になります。
1.通貨ペア
ここでは発注する通貨ペアを選択することができます。プルダウンに表示されているのは、気配値ウィンドウに表示されている通貨ペアです。この選択肢を変更するためには、気配値ウィンドウに表示させる通貨ペアを変更させる必要があります。
2.数量
ここでは発注量を設定します。
発注量の設定にでは「国内FX業者」と「海外FX業者」には大きな違いがあるので注意が必要です。
国内FX業者の場合は
- 1万通貨取引 = 1枚(1ロット)
海外FX業者の場合は
- 10万通貨取引 = 1ロット
という設定になります。ただし、FX業者によっては上記とは異なる設定を用意しているところもあるので注意が必要です。
- 数量1.00(1ロット) = 10万通貨取引
- 数量0.01(0.01ロット) = 1000通貨取引
発注量の初期設定では下記のような数量の設定が可能です。
- 0.01lot = 1000通貨取引
- 0.02lot = 2000通貨取引
- 0.03lot = 3000通貨取引
- 0.04lot = 4000通貨取引
- 0.05lot = 5000通貨取引
- 1.00lot = 10万通貨取引
- 2.00lot = 20万通貨取引
- 3.00lot = 30万通貨取引
- 4.00lot = 40万通貨取引
- 5.00lot = 50万通貨取引
- 6.00lot = 60万通貨取引
- 7.00lot = 70万通貨取引
- 8.00lot = 80万通貨取引
国内FX業者になれている人にとっては、「なんで1枚(1万通貨)がないの?」と思ってしまいますが、1万通貨取引をしたい方の場合は「0.05lot」を2回発注するという形で対応します。
よくある間違いに注意
XMの場合は
- 1ロット=1000通貨のマイクロ口座
- 1ロット=10万通貨のスタンダード興亜
があります。MT4/MT5で、マイクロ口座:0.01ロットの発注をすると、1000通貨の0.01なので10通貨ということになってしまいます。
3.決済逆指値
決済逆指値というのは、逆指値注文のことです。
指値注文は、今よりも有利な価格で決済したいときに、決済価格をあらかじめ設定してから注文をする発注方法のことです。
逆指値注文は、今よりも不利なレートになった時に決済する注文方法で、ストップロス注文とも呼ばれています。
1回の発注での1回あたりの損失を確定させておきたい場合に、現在レートよりも10pipsレートが反対方向に動いたら決済して損失を10pipsに抑えるというような「損切」で利用されます。
例えば「買い」ポジションを保有している場合に、現状の実勢レートよりも、低いレートで決済するのが「逆指値」となります。
4.決済指値
指値注文は、今よりも有利な価格で決済したいときに、決済価格をあらかじめ設定してから注文をする発注方法のことです。
決済指値注文は現在の価格より有利なレートを指定して発注する注文方法です。
利益を伸ばしたいとき、利確のpipsをあらかじめ設定したいときに使われる注文方法で、今よりも10pipsレートが上がったら自動的に利益を確定する形で決済するという注文を出す「利確」で利用されることが多いです。
5.コメント
注文に対するコメント、メモです。
6.注文種別
注文種別では下記の2つが選択可能です。
- 成行注文(新規または決済取引)
- 指値または逆指値注文(新規注文)
「指値または逆指値注文(新規注文)」を選択すると下記の発注画面に切り替わります。
7.新規取引:成行売り
成行で「売り(Bid)」注文の発注を行います。
8.新規取引:成行買い
成行で「買い(Ask)」注文の発注を行います。
XMの動画チュートリアル「MT4における発注」
「成行注文」を発注する方法
成行注文とは?
「発注画面」を開きます。
発注したい通貨ペアを選びます。
発注する数量(ロット数)を決定します。
発注画面の左に表示されているティックチャート(秒足)を見て、売買したい瞬間の価格になったら「新規取引:成行買い」「新規取引:成行売り」を選択します。
- ティックチャートの「青」線 → 「新規取引:成行買い」の価格チャート
- ティックチャートの「赤」線 → 「新規取引:成行売り」の価格チャート
- グラフの差分 → 利用しているFX業者のスプレッド
「新規取引:成行買い」「新規取引:成行売り」ボタンをクリックして、発注が無事完了すると、「○○で、○○完了しました。」と発注した内容と価格が表示されます。
発注が完了すると「ターミナルウィンドウ」に成行注文で発注して保有したポジション情報が追加されます。
- 注文番号
- 注文時間
- 取引種別(「buy=買い」「sell=売り」)
- 数量(lot表示)
- 通貨ペア
- 価格
- 手数料
- スワップ
- 損益
「指値注文」を発注する方法
指値注文とは?
「発注画面」を開きます。
発注したい通貨ペアを選びます。
発注量(ロット数)を決定します。
「成行注文」から「指値または逆指値注文」に変更します。
注文種別で「Buy Limit(買い指値)」「Sell Limit(売り指値)」を選択します。
指値注文をしたい価格を入力します。
- 「Buy Limit(買い指値)」 → 現在のレートよりも安い価格
- 「Sell Limit(売り指値)」 → 現在のレートよりも高い価格
現在価格と近い価格(このケースでは36ポイント差)では発注できません。
有効期限を設定します。指値注文は、指定した価格にならない限り発注が確定しないので、その指値注文が有効な期間をあらかじめ設定することが可能です。
指値注文が確定すると、指値注文の注文内容が「ターミナルウィンドウ」に表示されます。
「逆指値注文」で発注する方法
逆指値注文とは?
発注画面」を開きます。
発注したい通貨ペアを選びます。
発注量(ロット数)を決定します。
「成行注文」から「指値または逆指値注文」に変更します。
注文種別で「Buy stop(買い逆指値)」「Sell stop(売り逆指値)」を選択します。
逆指値注文をしたい価格を入力します。
- 「Buy stop(買い逆指値)」 → 現在のレートよりも高い価格
- 「Sell stop(売り逆指値)」 → 現在のレートよりも低い価格
指値注文と同じように「有効期限」を設定できます。
現状の価格と近い価格では発注できません。
注文が確定すると逆指値注文の内容が「ターミナルウィンドウ」に表示されます。
XMの動画チュートリアル「予約注文を理解する」
XMの動画チュートリアル「MT4における予約注文の発注」
「IFD注文(イフダン注文)」を発注する方法
IFD注文(イフダン注文)とは?
「新規注文」をクリックして「発注画面」に行きます。
取引をしたい「通貨ペア」を選択します。
発注量(ロット数)を決定します。
「成行注文」 → 「指値または逆指値注文」に変更します。
「指値または逆指値注文」の設定画面になります。
「決済逆指値」or「決済指値」と「注文種別」と「価格」を設定します。
下記の例では、現在101.201円が99.500円になったら「買い(Buy Limit)」で99.000円になったら「売り(決済逆指値)」で損失限定をする形になります。
注文が確定すると「ターミナルウィンドウ」に注文した内容が表示されます。
- 99.500円の「buy limit」(買い指値)
- 「決済逆指値」99.000円
と表示されています。
「OCO注文」を発注する方法
OCO注文とは?
「One Cancel Other注文」のことで、2つ注文を同時に発注して、一方の注文が成立したら、もう一方はキャンセルされる形の発注方法のことです。
例えば、現在100円で、その後102円まで上がったら売り「利益確定」、その後98円まで下がったら売り「損失限定」という形で2つの注文を同時に出し、どちらかが成立したら、どちらかの注文はキャンセルされることになります。「利益確定」と「損失限定」を同時に注文したいときに重宝されます。
「買い」で保有しているポジションの注文を選択します。
「ターミナルウィンドウ」に表示されているポジションの上にマウスポインタを置いて、右クリックをして表示されたメニューの「注文変更または取り消し」を選択します。
「注文変更画面」が開きます。
今回は「買い」ポジションなので
- 決済逆指値 → 「損切価格」を設定
- 決済指値 → 「利益確定価格」を設定
します。現在価格から近い価格(36ポイント内)の設定はできません。
「ターミナルウィンドウ」の保有ポジションの「決済逆指値(S/L)」「決済指値(T/P)」に価格が表示されます。
これでOCO注文が設定できたことになります。
「IFO注文」を発注する方法
IFO注文とは?
IFO注文 = IFD注文 + OCO注文
「指値・逆指値」による新規注文と「損切り・利益確定」のOCO注文を両者同時に発注する方法です。例えば、100円になったら買いポジションを持つ(指値注文)、その後102円まで上がったら売りで「利益確定」をしたい、その後98円まで下がったら売り「損失限定」したい、という形で使われます。
「新規注文」をクリックして「発注画面」に行きます。
注文種別を「指値または逆指値注文」に変更します。
IFD注文での「指値」を設定します。今回は「Buy limit(買い指値)」を98円で設定しました。
通貨ペアや発注量(ロット数)を設定した後に、OCO注文の「決済逆指値(S/L)」(損切り)97円と「決済指値(T/P)」(利益確定)99円を設定します。
発注が確定すると「ターミナルウィンドウ」に
- 「Buy limit(買い指値)」
- 「決済逆指値(S/L)」
- 「決済指値(T/P)」
の3つすべての価格が表示されます。これでIFO注文が成立したことになります。
「決済注文」の仕方
MT4/MT5での決済注文の種類
1.成行注文
2.指値注文
3.逆指値注文
なぜ「今よりも不利な価格で決済する必要があるのか?」という疑問がでてきそうですすが・・・
「まだ利益を伸ばせそうな局面で、最低限の利確ラインを確保したいとき」に使われます。
予想した方向でトレンドが進んでいるときに「もう少しトレンドが伸びそうなので利益を最大化するまで待ちたいが、万が一トレンドと逆方向に動いても、最低限の利益は確保したい。」というときに今よりも不利なレートで、指値で利確決済をするという使い方です。
4.トレイリング・ストップ
現在のトレンドが伸びていきそうなときに高値(安値)の更新に合わせて逆指値注文の価格も、一定の価格差をキープしたまま動く形になります。トレイリング・ストップでは、高値(安値)から逆指値決済の幅をpipsで設定します。
例えば
トレイリング・ストップを20pipsに設定しておけば
- 101.10円 → 100.90円に下がったら利益確定・損切
- 101.30円 → 101.10円に下がったら利益確定・損切
- 101.50円 → 101.30円に下がったら利益確定・損切
- 102.00円 → 101.80円に下がったら利益確定・損切
となります。
「指値注文・逆指値注文」で決済注文を発注する方法
ポジションを持った状態です。決済注文は設定されていません。
「ターミナルウィンドウ」の決済注文を入れたいポジションの上にマウスポインタを置いて、で右クリックして、表示されたメニューの中の「注文変更または取消」を選択します。
注文画面が表示されます。注文画面の「注文種別」の「注文の変更または取り消し」になっていることを確認し、下に表示された「決済逆指値」と「決済指値」の値を入力できるようになっています。
逆指値注文の値を入力する
「現在値との差」を入れると自動的に「下段にコピー」のところに値が計算されます。
「下段にコピー」を押すと「決済逆指値」にも同じ値が入ります。
「下段にコピー」を使わずに、「決済逆指値」に直接数字を入力することも可能です。
100ポイントを入れると100.431になりました。「決済逆指値」に値を入力すると注文変更のボタンが「青色」になり、有効になります。逆指値「ポジション○○のS/L(決済逆指値)を100.431、T/P(決済指値)を○○に変更する」ボタンをクリックします。
決済逆指値の設定が成功すると「ターミナルウィンドウ」のポジションに「決済逆指値:100.431」が記載されています。
指値注文の値を入力する
同じように「決済指値」も入力してみます。
100ポイントを入れると100.633になっています。入力すると「注文変更のボタン」が青色になり、有効になります。「ポジション○○のS/L(決済逆指値)を100.431、T/P(決済指値)を100.633に変更する」ボタンをクリックします。
決済逆指値の設定が成功すると「ターミナルウィンドウ」のポジションに「決済指値:100.633」が記載されています。
現在レート100.539に対して、利益確定の「決済指値:100.633」と損切りの「決済逆指値:100.431」が設定されたことになります。
XMの動画チュートリアル「損切りと利益確定」
「トレイリング・ストップ」で発注する方法
まずはポジションを持った状態です。決済注文は設定されていません。
「ターミナルウィンドウ」のトレイリング・ストップを設定したいポジションの上にマウスポインタを置いて、右クリックして表示されたメニューの「トレイリング・ストップ」を選択します。
40ポイント~75ポイントが初期設定です。
- 小数点以下:3桁/5桁のFX業者の場合は、1ポイント=0.1pips
ですので、50ポイントに設定すれば5pipsの逆指値を入れるという意味になります。
デフォルトで表示されているポイント数以外を設定したい場合は「カスタム設定」を選択します。
「カスタム設定」を選択すると自由にポイント数を入力することができます。この場合も、最低設定が36ポイント(3.6pips)となっているため、これ以上の値を設定します。
「トレイリング・ストップ」を解除する場合には、上記と同じ操作をしてから「無し」を選択します。これで「トレイリング・ストップ」は解除されます。
XMの動画チュートリアル「MT4におけるトレーリング・ストップ」
まとめ
今回は
- 新規注文の発注方法の種類
- 「成行注文」を発注する方法
- 「指値注文」を発注する方法
- 「逆指値注文」で発注する方法
- 「IFD注文(イフダン注文)」を発注する方法
- 「OCO注文」を発注する方法
- 「IFO注文」を発注する方法
- 「決済注文」の仕方
- 「指値注文・逆指値注文」で決済注文を発注する方法
- 「トレイリング・ストップ」で発注する方法
を解説しました。
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