日本で暮らしている日本人にとっては、MT4/MT5の時間が日本時間とずれていると、何かとトレードに支障がでてきてしまいます。今回は、海外FX業者のMT4/MT5を日本時間に対応する方法を丁寧に解説します。
海外FX業者のMT4/MT5の時間
まず海外FX業者のMT4/MT5をダウンロードして起動すると日本時間とは違うことに気付くかと思います。
XMのMT4の場合
MT4上の1分足の時間 1:48
XMのMT5の場合
MT5上の1分足の時間 3:27
AXIORYのMT4の場合
MT4上の1分足の時間 1:52
TitanFXのMT4の場合
MT4上の1分足の時間 4:23
全部「6時間前」の時間で表示されています。
はじめに答えから教えると・・・
- 日本時間:GMT+9
- 海外FX業者のMT4/MT5:GMT+3
なので、6時間の差が出てきてしまうのです。
GMT(グリニッジ標準時・グリニッジ平均時)とは
グリニッジ天文台・グリニッジ子午線(経度0度)における平均太陽時のことを言い、国際的な基準時刻および世界各地域の標準時の基準がGMT(グリニッジ標準時・グリニッジ平均時)でしたが、現在では、概念を修正した協定世界時 (UTC) へ変更されています。
を指します。現在は、GMTではなく、UTCと呼ばれる形になっています。
世界各国の時差
- 日本(東京) GMT+9
- アメリカ(ニューヨーク) GMT-4(夏時間)
- イギリス(ロンドン) GMT+1(夏時間)
- カナダ(バンクーバー) GMT-7(夏時間)
- ドイツ(ベルリン) GMT+2(夏時間)
- ロシア(モスクワ) GMT+3
- オーストラリア(メルボルン) GMT+10
- 中国(上海) GMT+8
上記のようにGMT (UTC) を基準として、時差が決められているのです。
なぜ、海外FX業者は「GMT+3(夏時間)」を採用しているのか?
いきなり答えですが
「日足の本数」
の問題です。
FXでは、ニューヨーク市場の時間を基準として取引時間が決まっています。
ニューヨーク時間市場がクローズする時間は午後5時(17:00)です。
- アメリカ(ニューヨーク) GMT-4(夏時間)
なのですから、「GMT+3(夏時間)」のMT4/MT5を利用すれば、時差が7時間になるのでちょうど24:00(0:00)分にニューヨーク市場がクローズすることになるのです。
世界のFX市場ではニューヨーク市場が優先され、ニューヨーク市場がクローズする午後5時に、ロール・オーバーによりスワップ・ポイント(金利差の付与)が発生し、チャート上のキャンドル・スティックが調整されます。
海外には「夏時間」という制度があるため、冬時間は「GMT+2(冬時間)」に、MT4/MT5のサーバー時間が合わせられています。
夏時間(サマータイム)とは?
米国の夏時間(サマータイム):4月第1日曜日午前2時~10月最終日曜日午前2時
もし、日本時間(GMT+9)でMT4/MT5のサーバー時間を合わせると
日本時間「GMT+9」のMT4/MT5の日足チャート
「GMT+2(冬時間)」「GMT+3(夏時間)」MT4/MT5の日足チャート
という違いが出てしまうのです。
日足が6本の場合、1本は土曜日の朝少しだけの「足」ですので、チャートにも変化が出てきてしまいます。
EA(エキスパート・アドバイザー)も、正常に機能しません。
そのため、
多くの海外FX業者では「1週間の日足を5本ピッタリ」にして、トレードできるように
「GMT+2(冬時間)」
「GMT+3(夏時間)」
をMT4/MT5のサーバー時間に設定しているのです。
当然、日本時間とはズレが生じてしまいます。
海外FX業者のサーバー時間
海外FX業者 | 夏時間 | 冬時間 |
---|---|---|
MYFXMarkets | +3 | +2 |
Axiory | +3 | +2 |
FXDD | +3 | +2 |
LAND-FX | -4 | -5 |
XM | +3 | +2 |
TitanFX | +3 | +2 |
TradersTrust | 0 | 0 |
FxPro | +3 | +2 |
GemForex | +3 | +2 |
と、一部の海外FX業者を除いて、ほとんどの海外FX業者が
「GMT+2(冬時間)」
「GMT+3(夏時間)」
を採用していることがわかります。
MT4/MT5の時間表示を日本時間に合わせる方法
基本的には、MT4/MT5のサーバー時間自体を変えることはできないので「インジケーター」を使って日本時間を表示させるのが一般的な方法です。
MT4時間表示を日本時間に合わせる方法
使用するインジケーター「JPN_Time_SubZero」製作者の方
手順その1.インジケーターをダウンロードする
手順その2.データフォルダを開く
「メニューウィンドウ」から「ファイル」→「データフォルダを開く」
手順その3.インジケーターをインストールする
「データフォルダ」→「MQL4」
「MQL4」→「Indicators」
インジケーターをドラッグ&ドロップする
手順その4.インジケーターを設定する
MT4を再起動して「ナビゲーターウィンドウ」にある「JPN_Time_Sub」をダブルクリックします。
パラメータの入力画面で以下を設定します。
- Time_differene → 「6」 ※時差のこと。夏時間は6、冬時間は7
- TextColor → 「White」or「Black」 ※チャート画面を白にしているときに「白文字」では何も表示されません。
- Time_Interval → 好きな表示間隔に
手順その5.日本時間が表示される
MT4のサーバー時間の上に日本時間が表示されます。インジケーターの幅が広いと邪魔ですので、適宜狭めておきましょう。
MT5時間表示を日本時間に合わせる方法
使用するインジケーター「HT_Grid_V3.08.ex5」製作者の方
手順その1.インジケーターをダウンロードする
手順その2.データフォルダを開く
「メニューウィンドウ」から「ファイル」→「データフォルダを開く」
手順その3.インジケーターをインストールする
「データフォルダ」→「MQL5」
「MQL5」→「Indicators」
「Indicators」→「Examples」
インジケーターをドラッグ&ドロップする
手順その4.インジケーターを設定する
MT5を再起動して「ナビゲーターウィンドウ」にある「HT_Grid_V3.08」をダブルクリックします。
「インプット」のタブの入力画面で以下を設定します。
- 時差(時間) → 「6」 ※夏時間は6、冬時間は7
に設定します。
手順その5.日本時間が表示される
MT5のサーバー時間の上に日本時間が表示されます。
このインジケーターは「現在の取引市場がどこなのか?」が色分けされている優れものです。
「HT_Grid_V3.08.ex5」には、MT4バージョン「HT_Grid_V03-3.ex4」もあります。
MT4/MT5の時間を無理に日本時間で考える必要はない!
長々と、日本時間の表示方法について解説してきましたが、実際に慣れてくれば、日本時間を気にしてトレードする必要がないことに気付きます。
FX取引は24時間取引が可能ですが、その理由はコンビニのように一つの市場が24時間稼働しているわけではなく
- ニュージーランド/ウェリントン市場
- 豪州/シドニー市場
- 日本/東京市場
- 中国/香港市場
- シンガポール市場
- 中東/バーレーン市場
- ロシア市場
- ドイツ/フランクフルト市場
- スイス/チューリッヒ市場
- フランス/パリ市場
- 英国/ロンドン市場
- 米国/ニューヨーク市場
と24時間の中で市場が移り変わりながら、取引が可能になっています。
世界中の外国為替市場が同じ「通貨」という商品を扱っているため、24時間取引が可能になるのです。
- 24時間FXができる
ということに違いはありませんが
- 今、FXトレードをしている時間は、東京市場
- 今、FXトレードをしている時間は、ニューヨーク市場
・・・
と、取引をしている市場は、常に動いて言っているのです。
世界基準で取引市場が動いているのに、日本時間を気にしてトレードをするのは、FXの初心者だけなのです。
重要なのは
- 「今トレードしているのがどこの市場なのか?」
- 「その国の取引市場では、どのような傾向があるのか?」
です。
取引市場の日本時間対応表
冬時間
日本時間 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 1 | 2 | 3 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ニュージーランド/ウェリントン | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | |||||||||||||||
豪州/シドニー | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | |||||||||||||||
日本/東京 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | |||||||||||||||
中国/香港 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | |||||||||||||||
シンガポール | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | |||||||||||||||
中東/バーレーン | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | |||||||||||||||
ロシア | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | |||||||||||||||
ドイツ/フランクフルト | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | |||||||||||||||
スイス/チューリッヒ | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | |||||||||||||||
フランス/パリ | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | |||||||||||||||
英国/ロンドン | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | |||||||||||||||
米国/ニューヨーク | 14 | 15 | 16 | 17 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 |
夏時間(サマータイム)
豪州:10月最終日曜日~3月最終日曜日
欧州・ロシア:3月最終日曜日~10月最終日曜日
米国:4月第1日曜日午前2時~10月最終日曜日午前2時
日本時間 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 1 | 2 | 3 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ニュージーランド/ウェリントン | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | |||||||||||||||
豪州/シドニー | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | |||||||||||||||
日本/東京 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | |||||||||||||||
中国/香港 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | |||||||||||||||
シンガポール | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | |||||||||||||||
中東/バーレーン | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | |||||||||||||||
ロシア | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | |||||||||||||||
ドイツ/フランクフルト | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | |||||||||||||||
スイス/チューリッヒ | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | |||||||||||||||
フランス/パリ | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | |||||||||||||||
英国/ロンドン | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | |||||||||||||||
米国/ニューヨーク | 15 | 16 | 17 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 |
外国為替市場による傾向
オセアニア市場
- ニューヨーク市場のクローズ時間と重なるため、流動性が低い
- 流動性が低い分、大きなトピックがあると大きく為替レートが動く
- 土日に大きな経済事件が起こると、大きく価格が飛んでスタートする(窓が開く)
参考になるトレード手法
アジア市場
- 東京市場は、対日本円の通貨ペアの取引が多い
- 香港市場は、短期トレードが中心
- シンガポール市場は、ファンドによる大口取引が中心
- 素直に市場が動くので、読みやすい時間帯
ヨーロッパ市場
- ユーロ対欧州通貨の通貨ペアの取引が多い
- 英国やEUの経済指標でチャートが動く
- アジア市場の参加者が作ったポジションを損切させようとするヨーロッパ系ファンドの動きがある
- 損切させてから、ヨーロッパ系ファンドが買い上げる
ニューヨーク市場
- 流動性が大幅に大きくなる
- アメリカ系ファンドの動きが活発化
- 米国の指標発表でチャートが動く
- ヨーロッパ市場の参加者が作ったポジションを損切させようとするアメリカ系ファンドの動きがある
- 損切させてから、アメリカ系ファンドが買い上げる
日本時間表示以外のMT4・MT5で入れるべきインジケーターはこちら
まとめ
このように市場が移り変わっていく中でトレードをするのが「FX」であり、「今、どこの市場で取引が行われているのか?」というのが非常に重要なポイントになるのです。
「今、日本時間で何時?」というのは、時計を見れば良いだけの話であって、それほど重要ではないのです。
- 現在、ご利用中の海外FX業者のMT4/MT5のサーバー時間が「GMT±●」なのか?
- 日足は、週5本でなくても良いトレードスタイルなのか?
を確認した上で
- 気になるようであれば、日本時間表示インジケーターを利用し
さらにトレードの質を高めるためには
- 外国為替市場別の傾向と対策
を考えながら、トレードをすると、より勝率が高くなると思われます。見るポイントを間違えないように注意が必要です。
「海外FX業者のMT4の時間を日本の時間に合わせるにはどうしたら良いの?」