検証したトレード手法の概要
今回は「移動平均線」と「ストキャスティクスのテクニカル分析を利用したシンプルなトレードです。
移動平均線の特徴
移動平均線とは
- 短期線:5日移動平均線、9日移動平均線、25日移動平均線
- 中期線:52日移動平均線、75日移動平均線
- 長期戦:200日移動平均線
があり、今回のトレード手法では
- 62EMA(赤)
- 200SMA(青)
- 800SMA(黒)
の3本の移動平均線を使います。
62EMA(赤)
200SMA(青)
800SMA(黒)
の順で、並行に位置しているとき(短期・中期・長期が同じトレンドを示す) → 強い上昇トレンド発生中
800SMA(黒)
200SMA(青)
62EMA(赤)
の順で、並行に位置しているとき(短期・中期・長期が同じトレンドを示す) → 強い下降トレンド発生中
と判断します。
ストキャスティクスの特徴
ストキャスティクスとは
を言います。
ストキャスティクスでは、サブチャートに「%K(パーセントK)」「%D(パーセントD)」の二本のラインが引かれます。
「%K(パーセントK)」:短期ライン
- ( 当日の終値 - 過去9日間の安値 ) / ( 過去9日間の高値 - 過去9日間の安値 )
「%D(パーセントD)」:中期ライン
- ( 当日の終値 - 過去9日間の安値 )の3日間の合計 / ( 過去9日間の高値 - 過去9日間の安値 )
計算式を見てもらうとわかる通りで
- 「当日の終値と過去9日間の安値の価格差」が「過去9日間の高値と過去9日間の安値の価格差」と同じぐらい(80~100) → 当日の終値が過去9日間の高値に近づいているので「買われすぎ」
- 「当日の終値と過去9日間の安値の価格差」が「過去9日間の高値と過去9日間の安値の価格差」よりかなり小さい(0~20) → 当日の終値が過去9日間の安値に近づいているので「売られすぎ」
と判断するのです。
「%K(パーセントK)」が0~20の「売られすぎ」ゾーンにいる → 「買い」エントリーチャンス
となります。
今回のトレードでは、さらにゴールデンクロス、デッドクロスで、相場の転換点を見極めます。
「売られすぎ」ゾーンで短期戦「%K」が中期線「%D」を下から上に抜く
→ 強い上昇トレンド
「買われすぎ」ゾーンで短期戦「%K」が中期線「%D」を上から下に抜く
→ 強い下降トレンド
となります。
MT4・MT5の設定
- 「%K(パーセントK)」期間:30
- 「%D(パーセントD)」期間:10
- スローイング:10
で今回は設定しています。
ストキャスティクスのゴールデンクロス・デッドクロスの順張りトレードの特徴
今回のトレード手法は
となります。
上昇トレンド中に一時的に下降し、再上昇するときに「買い」エントリー
下降トレンド中に一時的に上昇し、再下降するときに「売り」エントリー
です。
- トレンドの発生を判断する → 3本の移動平均線
- 再上昇、再下降を判断する → ストキャスティクスのゴールデンクロス・デッドクロス
という役割分担となります。
トレンドの発生を判断する
62EMA(赤)
200SMA(青)
800SMA(黒)
の順で、並行に位置しているとき(短期・中期・長期が同じトレンドを示す) → 強い上昇トレンド発生
800SMA(黒)
200SMA(青)
62EMA(赤)
の順で、並行に位置しているとき(短期・中期・長期が同じトレンドを示す) → 強い下降トレンド発生
再上昇、再下降を判断する
「売られすぎ」ゾーンで短期戦「%K」が中期線「%D」を下から上に抜く
→ 強い上昇トレンド
「買われすぎ」ゾーンで短期戦「%K」が中期線「%D」を上から下に抜く
→ 強い下降トレンド
組み合わせると
62EMA(赤)
200SMA(青)
800SMA(黒)
の順で、並行に位置しているときに
「売られすぎ」ゾーンで短期戦「%K」が中期線「%D」を下から上に抜く
→ 「買い」エントリー
800SMA(黒)
200SMA(青)
62EMA(赤)
の順で、並行に位置しているときに
「買われすぎ」ゾーンで短期戦「%K」が中期線「%D」を上から下に抜く
→ 「売り」エントリー
となります。
ストキャスティクスのゴールデンクロス・デッドクロスの順張りトレードのメリットデメリット
メリット
- 勝率が高い
- エントリータイミングが明確
- エグジットタイミングが明確
デメリット
- エントリー機会が少ない
- 勝ち幅はそれほど大きくない
ストキャスティクスのゴールデンクロス・デッドクロスの順張りトレードのエントリータイミング
手順その1.トレンドの方向を確認する
- 62EMA(赤)
- 200SMA(青)
- 800SMA(黒)
の順で、並行に位置 → 強い上昇トレンド発生
- 800SMA(黒)
- 200SMA(青)
- 62EMA(赤)
の順で、並行に位置 → 強い下降トレンド発生
手順その2.ストキャスティクスのゴールデンクロス・デッドクロスを待ってエントリー
上昇トレンド発注中
「売られすぎ」ゾーンで短期戦「%K」が中期線「%D」を下から上に抜く
→ 「買い」エントリー
下降トレンド発生中
「買われすぎ」ゾーンで短期戦「%K」が中期線「%D」を上から下に抜く
→ 「売り」エントリー
ストキャスティクスのゴールデンクロス・デッドクロスの順張りトレードのエグジットタイミング
手順その1.反対のゾーンでのクロスでエグジット
「買い」ポジション
「買われすぎ」ゾーンで中期線「%D」が短期戦「%K」を上から下に抜く
→ 利確エグジット
「売り」ポジション
「売られすぎ」ゾーンで中期線「%D」が短期戦「%K」を下から上に抜く
→ 利確エグジット
手順その2.損切
10pipsのストップロス注文
移動平均線と水平線(サポートライン・レジスタンスライン)の順張りトレードのトレード検証
MT4/チャート/テクニカル分析の設定
- 5分足
- 米ドル/円
- 移動平均線:62EMA、200SMA、800SMA
- ストキャスティクス:%K30、%D10
トレードルール
移動平均線でトレンドの発生を確認
上昇トレンドで、「売られすぎ」ゾーンで「%K」が「%D」を下から上に抜く
下降トレンドで、「買われすぎ」ゾーンで「%K」が「%D」を上から下に抜く
反対のゾーンでのクロスで利確
エントリー時に10pipsのストップロス注文で損切
検証期間
2020年8月31日~2020年9月4日
2020年8月31日~2020年9月1日
ポジション方向「売り」
エントリー:105.894
エグジット:105.995
-10.1pips損失
2020年8月31日~2020年9月1日
ポジション方向「売り」
エントリー:105.912
エグジット:105.631
+28.1pips儲け
2020年9月2日~2020年9月3日
ポジション方向「買い」
エントリー:106.166
エグジット:106.262
+9.6pips儲け
ポジション方向「買い」
エントリー:106.127
エグジット:106.21
+8.3pips儲け
2020年9月3日
ポジション方向「買い」
エントリー:106.221
エグジット:106.49
+26.9pips儲け
検証結果
勝敗:4勝1敗
勝率:80.0%
損益:+62.8pips
1回のトレード損益:+12.6pips
手法 | 回数 | エントリー方向 | エントリー | エグジット | 損益 | 勝敗 |
---|---|---|---|---|---|---|
ストキャスティクスのゴールデンクロス・デッドクロストレード | 1回目 | 売り | 105.894 | 105.995 | -10.1pips | 負 |
ストキャスティクスのゴールデンクロス・デッドクロストレード | 2回目 | 売り | 105.912 | 105.631 | +28.1pips | 勝 |
ストキャスティクスのゴールデンクロス・デッドクロストレード | 3回目 | 買い | 106.166 | 106.262 | +9.6pips | 勝 |
ストキャスティクスのゴールデンクロス・デッドクロストレード | 4回目 | 買い | 106.127 | 106.210 | +8.3pips | 勝 |
ストキャスティクスのゴールデンクロス・デッドクロストレード | 5回目 | 買い | 106.221 | 106.490 | +26.9pips | 勝 |
検証結果考察
トレード手法の良い点
高い勝率
勝率:80%
という高い精度を誇るトレード手法です。
FXトレードのトレード手法の中でも、かなり高い勝率を誇るため、FX初心者にもおすすめのトレード手法です。
エントリーポイント・エグジットポイントが明確
ゴールデンクロス・デッドクロスのタイミングで、エントリーし、エグジットするため、誰がトレードをしても、同じタイミングでのエントリー、同じタイミングでのエグジットとなります。
明確なエントリーポイント、エグジットポイントの設定は、FX初心者向けのトレード手法と言えます。
トレード手法の悪い点
エントリー機会が少ない
5日チェックして、5回しかトレード機会がありません。
1日1回のトレード機会ですから、1日1時間~2時間しかトレードしない投資家は、「その日に一度もトレード機会がない」ということになってしまいます。
改善できる点
トレード機会の確保
トレード機会を増やすためには、トレードする通貨ペアを広げるしかありません。
- 米ドル/円
だけでトレードしていた方であれば、順張りトレードですので比較的素直な値動きをする通貨ペアで、選択肢を広げてみます。
- 米ドル/円
- ユーロ/円
- ユーロ/米ドル
- 豪ドル/円
- 米ドル/豪ドル
- ユーロ/豪ドル
狙う通貨ペアを6種類に増やせれば、理論上は、トレード機会も6倍になるはずです。
まとめ
ストキャスティクスのゴールデンクロス・デッドクロスの順張りトレードの順張りトレードの検証結果としては
- 勝率が高い
- エントリーポイント・エグジットポイントが明確
- トレード機会が少ない
という特徴があるトレード手法です。