海外FXで法人口座を開設しても意味がない?海外FXの法人口座開設の本当の税金対策メリットとは?

man
「海外FXの法人口座の開設をしようか?悩んでいるんですけど、どうするべきでしょうか?」

こういうご相談は、少なくありません。しかし、海外FXで法人口座を開設する意味はどこにあるのでしょうか?今回は、海外FXの法人口座開設の方法と法人口座開設の本当のメリットについて解説します。

目次

海外FXの法人口座開設方法

海外FXでは、日本国内のFX会社と同様に「個人口座」とは別に「法人口座」を開設することが可能です。

ただし、中には「法人口座開設をNG」にしているところもあります。

大手の海外FX業者で見てみると

XM

法人口座開設はNG

AXIORY

AXIORY

法人口座開設はOK

TitanFX

TitanFX

法人口座開設はOK

LAND-FX

LAND-FX

法人口座開設はOK

と、最大手の「XM」は「法人口座開設をNG」にしていますが、それ以外の海外FX業者は概ね「法人口座開設はOK」にしています。

例:AXIORYの法人口座開設手順

その1.「法人口座」用の申込フォームへの入力

各種規約の確認
各種規約の確認
  • AXIORY外国為替証拠金取引ご規約
  • 外国為替証拠金取引におけるリスクについて
  • 全てのお取引のリスクについて
  • 個人情報保護方針・個人情報の取扱について
  • 当社のアンチマネーロンダリング(AML) への方針
基本情報の登録
基本情報の登録
  • 法人名
  • 設立国
  • 設立日
  • 住所
  • 連絡先
  • 職種
  • 業種
  • 投資資金
  • 取締役の人数
取締役様情報の登録
取締役様情報の登録
  • 氏名
  • 性別
  • 生年月日
  • 国籍
  • 住所
  • 連絡先

財務状況・投資経験のご質問

財務状況・投資経験のご質問
  • 年収
  • 資産
  • 投資予定額
  • FX・CFDsの取引経験
  • 商品・株式(先物)の取引経験
  • インデックスの取引経験
  • 財務破産の経験が無いことの同意
FATCA(ファトカ)に関するご質問
FATCA(ファトカ)に関するご質問
  • 米国の納税番号を保有していますか?
  • 米国出身者、米国籍者保有者または、米国居住者ですか?
  • 米国に自宅、郵送先(宛名・差出専用を含む)などの住所を保有していますか?
  • 米国の電話番号を保有していますか?
  • 米国内の銀行口座への資金移動を希望しますか?
  • 法人の役員に、米国内に代理権、署名権を保有する方はいらっしゃいますか?
  • FATCA(ファトカ)に関する回答に誤りが無いことの同意
お取引口座の申請
お取引口座の申請
  • 取引プラットフォーム
  • 口座タイプ
  • レバレッジ
  • 口座通貨
  • 質問
  • 回答
各種証明書の送付
各種証明書の送付

法人口座関係書類

日本法人の場合

  • 履歴事項全部証明書(登記簿謄本)

海外法人の場合

  • Certificate of Incorporation
  • Current Company Statement

本人確認書類(写真付き)

  • 自動車運転免許証
  • パスポート
  • 写真付き住民基本台帳カード

現住所確認書類

  • 各種健康保険証
  • 各種公共料金の請求書・領収書
  • 電話料金の請求書・領収書
  • 各種銀行・クレジットカード会社の利用明細書・請求書
  • 住民票・印鑑登録証明書
  • 納税関係書類

その2.取締役決定書の提出

取締役全員の署名をした「取締役決定書」

その2.取締役決定書の提出

その3.口座情報(ログイン情報)がメールで送付される

その4.ログイン後、入金してトレード可能

teacher

法人口座開設の手順の個人口座開設との違い

大きな違いは

  1. 履歴事項全部証明書(登記簿謄本)の提出が必要
  2. 取締役全員の個人情報が必要

という2点だけです。

それ以外には大きな違いはなく、法人口座の開設が可能です。

海外FXで法人口座を開設しても意味がない理由

「法人口座ならハイレバレッジトレードができるのでは?」

海外FXは個人口座でもハイレバレッジトレードができるので、法人口座の意味がありません。

日本国内のFX業者であれば

  • 個人口座の最大レバレッジ:25倍
  • 法人口座の最大レバレッジ:変動制(70倍~80倍)

ですから、法人口座を開設することで、最大レバレッジが引きあがるメリットがあるのです。

しかし、海外FX業者は、日本の金融庁の規制を受けないため、レバレッジ制限の対象にはなりません。

そのため

  • 海外FX業者のレバレッジの相場は、最大400倍~500倍
  • 海外FX業者で一番レバレッジ設定が高い業者は、最大3,000倍

ですから、

teacher
個人口座でも十分にハイレバレッジトレードが可能になり、わざわざ法人口座を開設する必要性がないのです。

「法人口座なら税金対策になるのでは?」

日本に法人があるのであれば、税金対策にはなりません。

日本に法人がある場合は、日本の税法に合わせて法人税が発生します。

法人税の実行税率/2017年度:29.97%

です。

man
「えっ、雑所得で個人に課税される税率よりも安いんじゃないの?」
teacher

同じです。

法人から役員報酬で経営者に給料を支払うのであれば、同じ総合課税になるので結果として同じ税率が課されます。

最終的に個人の収入にするのであれば

  • 海外FX業者 → 法人の収益 → 経営者個人(総合課税)
  • 海外FX業者 → 個人(総合課税)

ですから、結果的に同じなのです。

ただし、

  • 法人に内部留保として残しておいて、個人では受け取らない場合
  • 法人の別の損失・経費と相殺したい場合
  • 7年間の損失繰越をしたい場合

は、法人口座の方が個人口座よりも、有利になります。

teacher

筆者の考え方

海外FXの法人口座で挙げた収益を法人に売上として計上して、接待交際費などの経費や別の事業の損失などを相殺する形で収益分を消費するのであれば、法人口座を開設する意味というのはあると考えます。また、一旦法人口座に売上として計上して一定額を内部留保としておけば、FXの収益が悪化したときでも役員報酬などで安定した報酬を受け取れるメリットがあります。

ただし、最終的に役員報酬や給与、退職金で個人に渡すのであれば、直接、海外FX業者の個人口座から個人の所得にしても、納税額には大きな差は出てこないのではないでしょうか。

国内FXであれば、法人口座を開設することでレバレッジを引き上げられるという大きなメリットがあるのですが、海外FX業者ではこのメリットはないのです。

海外FXの法人口座開設の注意点

入出金は同一名義の口座のみ

海外FXに限らず、金融サービスはすべて同じですが・・・

  • 法人口座には、口座と同一の法人名義の銀行口座・クレジットカードからしか入金できません。
  • 法人口座には、口座と同一の法人名義の銀行口座へしか出金できません。
  • 個人口座には、口座と同一の個人名義の銀行口座・クレジットカードからしか入金できません。
  • 個人口座には、口座と同一の個人名義の銀行口座へしか出金できません。

経営者や取締役であっても、自分の個人口座から、法人名義の口座への入金はできないので注意が必要です。

日本法人は、日本の税金が発生する

個人口座の場合も、日本在住の日本人であれば、海外で発生した収益も、日本での取得として税金が課税されます。
法人口座の場合も、日本法人であれば、海外で発生した収益も、日本の法人税が課税されます。

海外FXの口座を作ったからと言って、非課税になるわけではありません。

海外FXの法人口座開設の本当のメリットとは?

結局、海外FXの法人口座を開設しても

  • 税金面のメリットは少ない
  • レバレッジ面のメリットはない

のですから、「わざわざ海外FX業者の口座を開設する必要はない」ということになります。

しかし、海外FXの法人口座を開設するメリットはあるのです。

それは「税金対策」です。

日本法人で海外FXの法人口座を開設した場合には、日本の法人税の対象となり、節税メリットはありません。

しかし、一定の条件下で海外法人を設立して、その海外法人で海外FXの法人口座を開設すると大きな節税メリットが出てくるのです。

海外法人で海外FXの法人口座を開設する節税メリットを得る方法とは?

海外の法人税率は日本とは比較にならないぐらい安い税率の国があります。

世界の法人税「実効税率」

順位税率
1位フランス34.4%
2位ポルトガル31.5%
3位オーストラリア30.0%
4位メキシコ30.0%
5位ドイツ29.8%
6位日本29.7%
7位ベルギー29.6%
8位ギリシャ29.0%
9位ニュージーランド28.0%
10位イタリア27.8%
11位韓国27.5%
12位カナダ26.8%
13位ルクセンブルク26.0%
14位アメリカ25.8%
15位オーストリア25.0%
16位チリ25.0%
17位オランダ25.0%
18位スペイン25.0%
19位イスラエル23.0%
20位ノルウェー23.0%
21位デンマーク22.0%
22位スウェーデン22.0%
23位トルコ22.0%
24位スイス21.1%
25位スロバキア共和国21.0%
26位エストニア20.0%
27位フィンランド20.0%
28位アイスランド20.0%
29位ラトビア20.0%
30位チェコ共和国19.0%
31位ポーランド19.0%
32位スロベニア19.0%
33位イギリス19.0%
34位アイルランド12.5%
35位ハンガリー9.0%

ここで多くの方が思うのは

man
「税率の安い国で海外法人を設立して、その海外法人の法人口座で稼げば、税負担は劇的に小さくなるのでは?」

ということです。

しかも、上記は主要国だけの法人税ランキングですから

「法人税:0%」のタックスヘイブン

もこれだけの数あるのです。

タックスヘイブン

  • アンドラ/Andorra
  • アンギラ/Anguilla(英国領)
  • アンティグア・バーブーダ/Antigua and Barbuda
  • アルバ/Aruba(オランダ領)
  • バハマ/Bahamas
  • バーレーン/Bahrain
  • ベリーズ/Belize
  • バミューダ諸島/Bermuda(英国領)
  • イギリス領ヴァージン諸島/British Virgin Islands
  • ケイマン諸島/Cayman Islands(英国領)
  • クック諸島/Cook Islands
  • ドミニカ/Dominica
  • ジブラルタル/Gibraltar(英国領)
  • グレナダ/Grenada
  • リベリア/Liberia
  • リヒテンシュタイン/Liechtenstein
  • マーシャル諸島/Marshall Islands
  • モナコ/Monaco
  • モントセラト/Montserrat(英国領)
  • ナウル/Nauru
  • オランダ領アンティル/Netherlands’ Antilles
  • ニウエ/Niue
  • パナマ/Panama
  • セントクリストファー・ネイビス/St. Kitts and Nevis
  • セントルシア/St. Lucia
  • セントビンセント・グレナディーン/St. Vincent & Grenadines
  • サモア/Samoa
  • サンマリノ/San Marino
  • タークス・カイコス諸島/Turks and Caicos Islands(英国領)
  • バヌアツ/Vanuatu

勘の鋭い方は、海外FX業者のオフィスも、タックスヘイブン

  • イギリス領ヴァージン諸島/British Virgin Islands
  • セントビンセント・グレナディーン/St. Vincent & Grenadines
  • ケイマン諸島/Cayman Islands(英国領)
  • バヌアツ/Vanuatu

などにあることがわかります。

man
「タックスヘイブンで海外法人を設立して、その海外法人の法人口座で稼げば、税金は0円でいいのでは?」

と思われるかもしれません。

しかし、以前はこの手法が可能だったのですが、租税回避でタックスヘイブンを利用する方が増え、日本の税収が減ることを危惧した政府は「タックスヘイブン対策税制」を昭和53年度か施行しています。

タックスヘイブン対策税制とは

タックスへイブン対策税制は、租税回避目的でタックスへイブンを利用する方を排除するための税制のことを言います。

日本の居住者、または日本の法人が50%超の資本金を出資しているタックスヘイブンの法人があった場合、その法人の株式を10%以上保有していたら、日本の所得として法人税を申告しなければならない。

というものです。

  • タックスへイブン対策税制の対象は税負担が20%以下の国です。

つまり、

あなたが日本在住で、100%自己資金でタックスヘイブンに会社を作った場合は、上記の「タックスヘイブン対策税制」が適用されるため、日本の法人税を申告する必要がある

ということです。全く税金対策にはならないのです。

man
「じゃあ、海外法人で税金対策はできないじゃん。」
teacher
そうではありません。回避策があります。

タックスヘイブン対策税制の回避策

タックスヘイブン対策税制の回避策

方法その1.外国に居住している方が50%超の株式を保有すれば適用外

タックスヘイブン対策税制では、実態のある事業からの所得であれば、対象外となります。

その要件の一つとして、

  • 居住者及び内国法人が直接または間接にその株式の50%超を保有している外国法人
  • 居住者または内国法人との間に実質支配関係がある外国法人

というものがあります。

タックスヘイブンに居住している日本人が50%超の株式を保有しているタックスヘイブンの法人であれば、タックスヘイブン対策税制の対象外になるということです。
  • ご自身がタックスヘイブンに移住する
  • ご家族など意思の疎通ができる方がタックスヘイブンに移住して会社の50%超の株式を保有する

ことができれば、タックスヘイブン対策税制の対象外となり、税金0円で海外FXをすることができるのです。

方法その2.タックスヘイブン法人の株式の保有率が10%未満なら適用外

タックスヘイブン対策税制の対象は

タックスヘイブンの法人の株式の保有率が10%以上を直接・間接的に保有している日本法人・日本居住者

です。

逆に言えば、タックスヘイブンの法人の株式の保有率が10%未満であれば、タックスヘイブン対策税制の対象外になるということです。

例えば

11人同じ海外FXで稼いでいる仲間を集めて、9.1%ずつ出資したタックスヘイブン法人を設立して、海外FX業者からその法人口座にお金を入金した場合も、タックスヘイブン税制の対象外となり、税金は0円になるのです。

方法その3.外国子会社配当益金不算入制度

外国子会社配当益金不算入制度とは

日本親会社が外国子会社から受ける配当は、その配当(源泉税控除前)の95%が益金不算入とされる。

という制度です。

二重課税を排除するための制度なのですが、日本法人の子会社として、タックスヘイブン法人を設立すれば、タックスヘイブン法人から配当を日本親会社が受け取る形にすれば、納税するのは5%で良いということになります。

いろいろなタックスヘイブン対策税制の回避策がありますが、海外法人を使った税金対策は、毎年改正が行われたり、違う判例が出てきたりするので、海外の税金対策に強い税理士や会計士に相談してから実行することをおすすめします。

まとめ

海外FXの法人口座開設は

メリットは

  • 若干の税金対策になる

というだけで

  • ハイレバレッジトレードができるメリットはない

のです。

teacher
しかし、タックスヘイブン法人を設立して、タックスヘイブン対策税制の適用外となる対応を取れば、大幅に税金負担が軽減される可能性が高いのです。法人口座で大金を稼げる方は、税金対策の選択肢として検討してみることをおすすめします。