国内FX業者は「レバレッジ規制」によってレバレッジが制限されていますが、海外FX業者は「レバレッジ規制」の対象外であり、ハイレバレッジトレードができることで多くの日本人投資家にも利用されています。では、海外FX業者のレバレッジの実態はどうなっているのでしょうか?レバレッジ規制、レバレッジ比較のコツ、レバレッジで海外FX業者の選び方などを丁寧に解説します。
海外FXレバレッジ比較
人気ランキング | 海外FX業者名 | 口座の種類 | スプレッド種類 | 最小スプレッド 米ドル/円 | 平均スプレッド 米ドル/円 | 最大レバレッジ | 約定力 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1位 | XMTrading | スタンダード口座/STP | 変動 | 1.50 | 1.60 | 1000倍(~2万ドル) 200倍(2万ドル~) 100倍(10万ドル~) | 99.35%を1秒以内に約定 執行率100% リクオート・注文拒否なし |
7位 | FBS | スタンダード口座/STP | 変動 | 1.00 | 2.00 | 3000倍 | 95%以上のオーダーが0.4秒以内に執行 |
24位 | MYFXMarkets | MT4スタンダード口座/STP | 変動 | 0.60 | 1.12 | 400倍 | |
5位 | GEMFOREX | レバレッジ5000倍口座/STP | 変動 | 0.00 | 5000倍 | 99.79%を0.78秒以内に約定 | |
10位 | Exness | プロ口座/ECN | 変動 | 0.70 | 無制限 |
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国内FX業者と海外FX業者のレバレッジの違いは「レバレッジ規制」が理由
元々は、国内FX業者も、海外FX業者のサービスを代理販売するところからはじまっています。以前は、国内FX業者も、海外FX業者のサービスを日本人投資家に提供していたのです。
そのため、国内FX業者も、海外FX業者の影響を色濃く受けていて、「レバレッジ規制」以前は、国内FX業者も、海外FX業者も、同じように
- レバレッジ100倍
- レバレッジ200倍
- レバレッジ500倍
・・
と、「レバレッジの大きさ」を競って顧客獲得競争をしていたのです。
レバレッジ規制以前
- 国内FX業者:レバレッジ400倍~500倍が相場
- 海外FX業者:レバレッジ400倍~500倍が相場
バレッジ規制後
- 国内FX業者:レバレッジ25倍
- 海外FX業者:レバレッジ400倍~500倍が相場
レバレッジ規制とは?
レバレッジ規制とは
を言います。
- 2009年5月29日:「金融商品取引業等に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令(案)」等の公表
- 2010年8月1日:(個人)最大レバレッジ50倍の規制
- 2011年8月1日:(個人)最大レバレッジ25倍の規制
- 2016年6月14日:金融商品取引業等に関する内閣府令の改正
- 2016年6月14日:(法人)レバレッジ変動制(50倍前後)為替リスク想定比率により算出
という流れで、レバレッジ規制が適用されました。
「金融商品取引業等に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令(案)」等の公表では
外国為替証拠金取引(FX取引)については、最近、内外の金利差が縮小してきていること等から、店頭取引・取引所取引ともに、高レバレッジ化が進展してきています。
高レバレッジのFX取引については、
(1)顧客保護(ロスカットルールが十分に機能せず、顧客が不測の損害を被るおそれ)
(2)業者のリスク管理(顧客の損失が証拠金を上回ることにより、業者の財務の健全性に影響が出るおそれ)
(3)過当投機の観点から問題があると考えています。
ということが理由となって、「レバレッジ規制」が導入されたのです。
当時は、FXトレードで稼ぐ億万長者が出てきたことにより、FXトレードの人気に火がついて、2007年ごろから、急激にFXの取引高が上昇していた時期です。
FX年間取引高の推移
出典:矢野経済研究所
さらにレバレッジ規制は、ここにとどまるわけではなく
- 2018年2月12日:日経新聞が「FX規制強化へ 金融庁、証拠金倍率10倍に下げ」と報道
と、より高いレバレッジ規制が金融庁では検討されていたのです。
朝日新聞によると
市場関係者らに意見を求めたところ「25倍でも海外より低い」「少額で投資を楽しめる魅力がなくなる」などと反対意見が続出。業者の健全性を調べる特別検査(ストレステスト)の頻度を高める代わりに、レバレッジの上限は25倍のまま据え置く方針に改めた。
とあるように
これ以上レバレッジ規制を強化することで、国内FXをする人がいなくなることを、市場関係者が一番危惧していたということが書かれています。
「金融庁は、なぜ、これほどまでにレバレッジ規制を導入したいの?」
あくまでも推察ですが
ロスカット未収金を減らしたい
レバレッジが大きければ大きいほど、ロスカットが間に合わなくなって、証拠金以上に投資家が損をする「ロスカット未収金(口座残高がマイナス残高になる状態)」が発生します。これは投資家のFX業者に対する借金となります。多くの投資家が借金を背負うことになると、社会問題になるため、このリスクを回避するためにレバレッジ規制を導入したと考えられます。
※海外FX業者の場合は、ロスカット未収金があっても、追証ゼロサービスがあるため、ロスカット未収金は、海外FX業者が補填するので、投資家の借金にはなりません。
FXトレードよりも、株式投資にお金を使って欲しいという思惑があるから
FXトレードは為替の売買であり、「買い」も「売り」もできるので、実体経済への影響は大きくはありません。しかし、多くの個人投資家が株式投資に同じ資金を投入した場合、株式投資では「買い」でポジションを持つ方が多くなるので、株価が上がって、日本の上場企業の時価総額が上がり、景気が上向く可能性があると考えているのではないでy草加。
くりっく365の利用を増やしたいから
レバレッジ規制10倍の導入時に検討されたのは「店頭FXのみにレバレッジ規制10倍を適用する」というものでした。これは、金融庁からくりっく365に天下りした役人が多く、店頭FXのレバレッジを制限すれば、取引所取引の「くりっく365」に顧客が流れることを意図したものとうわさされています。
「金融庁のレバレッジ規制は、海外FX業者には適用されないの?」
適用されません。
レバレッジ規制が規定される「金融商品取引業等に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令(金商業等府令)」というのは、
第一章 総則
2 この府令において「第一種金融商品取引業」、「第二種金融商品取引業」、「投資助言・代理業」、「投資運用業」、「有価証券等管理業務」、「投資助言業務」、「有価証券の元引受け」又は「有価証券関連業」とは、それぞれ法第二十八条に規定する第一種金融商品取引業、第二種金融商品取引業、投資助言・代理業、投資運用業、有価証券等管理業務、投資助言業務、有価証券の元引受け又は有価証券関連業をいう。
とあるように
- 第一種金融商品取引業
- 第二種金融商品取引業
- 投資助言・代理業
- 投資運用業
- 有価証券等管理業務、投資助言業務、有価証券の元引受け又は有価証券関連業
に該当する日本国内の業者が対象となります。
日本国内でFX業を展開するためには、金融商品取引法施行後は、第一種金融商品取引業もしくは第二種金融商品取引業の登録が必要になりました。
第二種金融商品取引業、第二種金融商品取引業がないと日本国内では、FX業を営むことができないのですから
ことがわかります。
金融庁というのは、日本の金融監督庁であり、日本で営業活動をするFX業者に対して、法律で規制をすることができるのです。
しかし、
これは、日本の飲食店には、厚生労働省が保健所や消防署への届け出するように強制できますが、海外の飲食店には、まったく影響力がないのと同じです。
※外国に本社があっても、日本法人を作って、第二種金融商品取引業、第二種金融商品取引業の登録をして、日本でFX業を営む業者には、レバレッジ規制は適用されます。
金融庁ができることは、海外FX業者を使わないように注意喚起するだけなのです。
海外FX業者のレバレッジ比較のコツ
レバレッジは、400倍以上あれば、それほど変わらない!他の要素で海外FX業者を比較すべき
勘違いする投資の初心者も多いのですが
10万円の資金があり、1ドル=100円で米ドル/円でトレードするときに
- レバレッジ25倍 → 250万円分(2.5万通貨)のポジションを持てる
- レバレッジ1,000倍 → 1億円分(100万通貨)のポジションを持てる
のですが、実際にこれだけのポジションを持って、トレードをするわけではありません。
レバレッジ1,000倍で、1億円分(100万通貨)のポジションを持ってしまったら、為替レートが0.1pips予想と逆方向に動いただけで、ロスカットされてしまいますので、現実的ではないのです。
ハイレバレッジのメリットは
- 同じポジションを持っても、ロスカットまでの猶予が長くなること
なのです。
国内FX業者のロスカットまでに許容される最大損失額
投資資金:10万円
保有ポジション:1万通貨
取引通貨ペア:米ドル/円
為替レート:1ドル=100円
ロスカットレベル(証拠金維持率):100%
レバレッジ:最大25倍
取引証拠金 = 為替レート × 取引量 ÷ レバレッジ
100円 × 1万通貨 ÷ 25倍 = 4万円
ロスカットまでに許容される最大損失額 = 10万円 - 4万円 = 6万円
海外FX業者(XMTrading)のロスカットまでに許容される最大損失額
- 投資資金:10万円
- 保有ポジション:1万通貨
- 取引通貨ペア:米ドル/円
- 為替レート:1ドル=100円
- ロスカットレベル(証拠金維持率):20%
- レバレッジ:最大1,000倍(XMTrading)
取引証拠金 = 為替レート × 取引量 ÷ レバレッジ
取引証拠金 = 100円 × 1万通貨 ÷ 1,000倍 = 1,000円
最大許容損失額 = 10万円 - 20% × 1,000円 = 9万9,800円
海外FX業者(AXIORY)のロスカットまでに許容される最大損失額
- 投資資金:10万円
- 保有ポジション:1万通貨
- 取引通貨ペア:米ドル/円
- 為替レート:1ドル=100円
- ロスカットレベル(証拠金維持率):20%
- レバレッジ:最大400倍(AXIORY)
取引証拠金 = 為替レート × 取引量 ÷ レバレッジ
取引証拠金 = 100円 × 1万通貨 ÷ 400倍 = 2,500円
最大許容損失額 = 10万円 - 20% × 25,00円 = 9万95,00円
海外FX業者(FBS)のロスカットまでに許容される最大損失額
- 投資資金:10万円
- 保有ポジション:1万通貨
- 取引通貨ペア:米ドル/円
- 為替レート:1ドル=100円
- ロスカットレベル(証拠金維持率):20%
- レバレッジ:最大3000倍(FBS)
取引証拠金 = 為替レート × 取引量 ÷ レバレッジ
取引証拠金 = 100円 × 1万通貨 ÷ 3000倍 = 333円
最大許容損失額 = 10万円 - 20% × 333円 = 9万9,933円
国内FX業者の25倍と、400倍以上の海外FX業者を比較すると、「最大許容損失額」が大きな差があり
のです。
しかし、レバレッジが400倍以上になってくると、「最大許容損失額」の差は少なくなってきます。
なのです。
海外FX業者をレバレッジで比較する際に注意しておきたいのは
レバレッジは400倍以上あれば十分。400倍をクリアしていれば、後は「スプレッド」「約定力」などを重視して海外FX業者を比較すべき
なのです。
高いレバレッジ設定のおすすめ海外FX業者
口座の種類 | スタンダード口座/STP |
取引手数料 (pips換算:片道) | 0.00 |
最小スプレッド 米ドル/円 | 1.00 |
平均スプレッド 米ドル/円 | 2.00 |
最大レバレッジ | 3000倍 |
約定力 | 95%以上のオーダーが0.4秒以内に執行 |
最低入金額 | 1万円相当 |
口座の種類 | オールインワン口座/STP |
取引手数料 (pips換算:片道) | 0.00 |
最小スプレッド 米ドル/円 | 1.20 |
平均スプレッド 米ドル/円 | 1.20 |
最大レバレッジ | 1000倍 |
約定力 | 99.79%を0.78秒以内に約定 |
最低入金額 | 100円相当 |
口座の種類 | スタンダード口座/STP |
取引手数料 (pips換算:片道) | 0.00 |
最小スプレッド 米ドル/円 | 1.60 |
平均スプレッド 米ドル/円 | 1.60 |
最大レバレッジ | 1000倍(~2万ドル) 500倍(2万ドル~) 200倍(5万ドル~) 100倍(10万ドル~) |
約定力 | 0.29秒以内に99.46%の約定 |
最低入金額 | 100円相当 |
約定力 | 99.35%を1秒以内に約定 執行率100% リクオート・注文拒否なし |
信託保全 分別管理 | 2万EURまで信託保全(キプロス口座) 保険にて上限あり一部信託保全(セーシェル口座) |
ロスカットレベル証拠金維持率 | 20%以下 |
取引システム | MT4 MT4ウェブトレーダー MT5 MT5ウェブトレーダー |
通貨ペア数 | 57通貨ペア |
口座通貨 | USD,EUR,JPY |
口座の種類 | マイクロ口座/STP | スタンダード口座/STP | ゼロ口座/ECN | KIWAMI極口座/STP |
取引手数料 (片道) | 無料 | 無料 | 5ドル | 無料 |
最小スプレッド 米ドル/円 | 1.50 | 1.50 | 0.00 | 0.60 |
平均スプレッド 米ドル/円 | 1.60 | 1.60 | 0.10 | 0.70 |
最大レバレッジ | 1000倍(~2万ドル) 200倍(2万ドル~) 100倍(10万ドル~) | 1000倍(~2万ドル) 200倍(2万ドル~) 100倍(10万ドル~) | 500倍(~2万ドル) 200倍(2万ドル~) 100倍(10万ドル~) | 1000倍(~2万ドル) 200倍(2万ドル~) 100倍(10万ドル~) |
最低取引通貨 | 10通貨 | 1,000通貨 | 1,000通貨 | 1,000通貨 |
最低入金額 | 500円相当 | 500円相当 | 500円相当 | 500円相当 |
「レバレッジの高さでおすすめの海外FX業者を教えてください。」
「海外FX業者のレバレッジを比較する際には何に気を付ければ良いの?」