海外FX業者の口座開設時には、口座通貨を「日本円」「米ドル」「ユーロ」から選ぶことができます。では、海外FXの口座通貨は、どれを選ぶべきでしょうか?今回は、海外FX口座通貨の選び方。「円口座」を選ぶべきか?「米ドル口座」を選ぶべきか?について解説します。
海外FXの口座通貨とは?
海外FXの口座通貨とは
を言います。
多くの海外FX業者では
- 日本円
- 米ドル
- ユーロ
の主要通貨での口座開設に対応しています。
例:XMTrading
口座の基本通貨
選択してください
EUR
USD
JPY
口座通貨を選択すると
日本円口座を利用する
- → 日本円で入金
- → 日本円でトレード
- → 日本円で出金
米ドル口座を利用する
- → 米ドルで入金
- → 米ドルでトレード
- → 米ドルで出金
ユーロ口座を利用する
- → ユーロで入金
- → ユーロでトレード
- → ユーロで出金
ということになります。
海外FXの口座通貨をどの通貨にするのか?によって、大きくメリットデメリットが変わってきます。
あえて「ユーロ」口座を選ぶ理由は、ほとんどありませんので「日本円」口座、「米ドル」口座で解説します。
海外FXの口座通貨で「日本円」口座を選ぶメリット
メリットその1.為替手数料が発生しない
最大のメリットは「日本円口座」を開設して、トレードすれば「為替手数料」が発生しない点です。
為替手数料とは
を言います。
- 日本の銀行口座(円預金)
↓入金 - 海外FXの口座(米ドル口座)
↓出金 - 日本の銀行口座(円預金)
の場合は
- 日本の銀行口座(円預金)
↓入金 ※「日本円」→「米ドル」の為替手数料発生 - 海外FXの口座(米ドル口座)
↓出金 ※「米ドル」→「日本円」の為替手数料発生 - 日本の銀行口座(円預金)
と、往復で2回為替手数料が発生してしまいます。
メガバンクの為替手数料は、三菱UFJ銀行の場合は、
日本円 → 米ドル
- インターネットバンキング:25銭(25pips)
窓口:100銭(100pips)
往復なら
- インターネットバンキング:50銭(50pips)
- 窓口:200銭(200pips)
も手数料が発生してしまうのです。
メリットその2.管理画面・取引ツールの数値がわかりやすい
「日本円」口座で海外FX口座を開設すると
MT4・MT5(メタトレーダー)の表示も、「日本円」になります。
- 残高
- 有効証拠金
- 余剰書庫金
- 手数料
- 損益
が日本円(JPY)表記ですので、直感的に残高、損失などを把握することができます。
日本円に慣れた日本人には「日本円」表示の方がかなりわかりやすいのです。
「米ドル」口座で海外FX口座を開設すると
MT4・MT5(メタトレーダー)の表示も、「米ドル」になります。
- 残高
- 有効証拠金
- 余剰書庫金
- 手数料
- 損益
すべて「米ドル」表記です。
また、当然、「米ドルが日本円でいくらになるのか?」は、為替変動があるため、常に変化します。頭の中で日本円に変換するときの相場も動いてしまうので、よりややこしくなってしまうのです。
これは管理画面(マイページ)も同様です。
「日本円」口座で海外FX口座を開設すると
- 管理画面(マイページ)の表示も、「日本円」になります。
「米ドル」口座で海外FX口座を開設すると
- 管理画面(マイページ)の表示も、「米ドル」になります。
メリットその3.日本円口座のある海外FX業者の方が日本人向けのサービスが手厚い
海外FX業者には
- 日本円口座を口座の基本通貨として採用していない海外FX業者
- 日本円口座を口座の基本通貨として採用している海外FX業者
があります。
例:日本円口座を口座の基本通貨として採用していない海外FX業者
FBSの基本通貨
- USD(米ドル)
- EUR(ユーロ)
HotForexの基本通貨
- USD(米ドル)
- EUR(ユーロ)
- NGN(ナイラ)
例:日本円口座を口座の基本通貨として採用している海外FX業者
XMTradingの基本通貨
- USD(米ドル)
- EUR(ユーロ)
- JPY(日本円)
TitanFXの基本通貨
- USD(米ドル)
- EUR(ユーロ)
- JPY(日本円)
- SGD(シンガポールドル)
海外FX業者が口座通貨に「日本円」を採用しているかどうかは
に依存します。
多くの日本人投資家の方は「円口座」でトレードするので
- 世界中の顧客の中に日本人のシェアが10%にも満たなければ、その海外FX業者にとって「マイナーな国の投資家」という扱いになり、コストのかかる「日本円口座」の採用はしない
という判断になりますし、
- 世界中の顧客の中に日本人のシェアが50%を超えていれば、その海外FX業者にとって「メジャーな国の投資家」という扱いになり、コストのかかる「日本円口座」の採用をする
という判断になります。
つまり、
ということを意味します。
そうなれば
- ウェブサイトの日本語対応
- 複数名の日本人スタッフの雇用
- 手厚い日本語サポート
- 平日24時間の日本語サポート
- 日本語ウェビナーの開催
- 日本語分析レポートの提供
- 日本語解説動画の提供
- 日本人投資家好みの取引ツール・分析ツールの提供
- 日本人向けのボーナス
などを積極的に展開してくれるのです。
海外FXの口座通貨で「米ドル」口座を選ぶメリット
メリットその1.「米ドル」の方が海外FX業者の選択肢が広がる
前述したように海外FX業者には
- 日本円口座を口座の基本通貨として採用していない海外FX業者
- 日本円口座を口座の基本通貨として採用している海外FX業者
があります。
「日本円口座」にこだわると、それだけ利用できる海外FX業者の選択肢が狭まることになります。
「米ドル口座」であれば、ほぼすべての海外FX業者が対応しているため、利用できる海外FX業者の選択肢が広がります。
海外FX業者の選択肢が広い方が
- スプレッドの狭い海外FX業者が見つかる
- 約定力の高い海外FX業者が見つかる
- ボーナスやトレードコンテストの選択肢が広がる
- ECN口座、PAMM口座、コピートレード口座などの選択肢が広がる
というメリットがあるのです。
メリットその2.「米ドル」の方が「日本円」よりも、将来性が有望な通貨
通貨としてのポテンシャルに注目すると、「日本円」よりも「米ドル」の方が有望な通貨となります。
「日本円」よりも「米ドル」の方が有望な理由
1.流動性が高い
通貨シェア/2016年~2019年
- 米ドル:44.0%
- ユーロ:16.0%
- 日本円:8.4%
- ポンド:6.4%
- 豪ドル:3.4%
出典:BIS(国際決済銀行)
世界的に見れば、米ドルが基軸通貨であり、米ドルで資産管理をしていれば、一人負けということが起こりにくいのです。
2.成長性が見込める
米国の人口予測
- 2010年:約3億864万人
- 2050年:約3億8959万人
日本国の人口予測
- 2010年:約1億2805万人
- 2050年:約1億192万人
と、米国は2割以上増加する予測ですが、日本は2割減少する予測となっています。
人口は、経済力の源ですから、米ドルは将来的に値上がりし、日本円は将来的に値下がりし、円安ドル高が進行することが予想されます。
3.多様な投資商品が利用できる
「米ドル」建ての投資商品・金融商品というのは、世界中で販売されているため、その種類というのは、日本で販売されている「日本円」建ての投資商品・金融商品の比ではありません。
- 預金
- MMF
- 債券
- 投資信託
- 株式
- ETF
4.世界中で利用できる
「米ドル」は、世界の基軸通貨ですから、「日本円」が使えなくても、「米ドル」は使えるという国が少なくありません。
これらの理由があるからこそ
資産管理を「日本円」ではなく「米ドル」で行う方が資産性は高く、資産管理を「米ドル」で行うのであれば、海外FX口座も「米ドル口座」の方が手数料が発生しない分有利になるのです。
メリットその3.世界基準で見れば「米ドル」の方が為替変動の影響を受けない
「日本円」で投資をしていると
- 円高ドル安 → 海外旅行に行きやすくなる
- ドル高円安 → 海外旅行に行きにくくなる、株高になる
と、「米国」対「日本」という構図でのメリットデメリットを探してしまうのですが、円安が続けば、海外旅行や海外の不動産や金融商品が割高になってしまいます。
「米ドル」で資産管理をして、「米ドル」で投資をすれば
- ドル安 → 世界的に通貨安になる
- ドル高 → 世界的に通貨高になる
と、米ドルの変動が世界経済に与える影響が大きいため、相対的な為替変動リスクは小さく済むのです。
海外FX口座通貨の選び方。「円口座」を選ぶべきか?「米ドル口座」を選ぶべきか?
- 海外FXの初心者
- FXトレードの初心者
- 日本円で資産管理をしている
- 資産額が少ない(目安;1,000万円以下)
- 日本語対応がしっかりしている海外FX業者しか使わない
- FXトレード以外の投資をしていない
→ 「日本円口座」に対応している海外FX業者を選ぶべき
- 海外FXの中級者、上級者
- FXトレードの中級者、上級者
- 米ドルで資産管理をしている
- 資産額が多い(目安:1,000万円超)
- いろいろな海外FX業者を使ってみたい
- いろいろな海外FXのツールを使ってみたい
- いろいろな海外FXの口座を使ってみたい
- FXトレード以外の投資をしている
→ 「米ドル口座」に対応している海外FX業者を選ぶべき
と判断できます。
ある程度の資産をお持ちの方であれば
- 投資資金の一部を米ドルで管理する(国際決済サービスなどを利用)
- 米ドル建ての投資を行う(海外FXも含む)
形の方が
- 世界情勢に影響されにくい
- 世界基準で多くの投資商品、金融商品を利用できる
- 将来的に「米ドル」が値上がりする可能性が高い
- 海外FXの米ドル口座への入出金でも、為替手数料が発生しない
というメリットがあるため、おすすめです。
しかし、それほど資産がない段階で、無理やり「米ドル」で資産管理しても、コスト負担のデメリットの方が大きくなってしまいます。
資産額が少ない、FXトレードに慣れていないのであれば
- 日本円で入出金、トレードができる
- 取引ツールや管理画面(マイページ)の表示が日本円表示でわかりやすい
- 日本人サポートが充実している
- 日本の銀行口座(円預金)からの入出金でも、為替手数料が発生しない
「日本円口座」に対応している海外FX業者を選ぶべきなのです。
基本的に「日本円口座」に対応している海外FX業者は、「米ドル口座」にも対応しているため、安定したトレードによる収益が見込めるようになり、ある程度の資産額になってきたら、「米ドル口座」に切り替えるという運用も可能になります。
ただし、PAMM口座、ECN口座、VIP口座、コピートレード口座など、他の口座は「日本円」に対応していても、特殊な口座は「日本円」に対応していないこともあります。PAMM口座、ECN口座、VIP口座、コピートレード口座でトレードしたい方は、否応なく「米ドル口座」を選択しなければならないケースもあるので、注意が必要です。
「海外FXは円口座でトレードすべきですか?」
「海外FXは米ドル口座でトレードすべきですか?」