という投資家の方も多いようです。確かに海外FXはハイレバレッジトレードが可能というメリットがありますが、だからといって、ハイレバレッジでトレードをしているだけではすぐに資金が枯渇してしまい、安定的に稼ぐことはできません。今回は「海外FXで安定的に稼ぐための資金管理方法」について解説します。
安定して稼ぐためには「資金管理(マネーマネジメント)」が必要不可欠
ある検証実験で
- 100名の投資家
- 勝率6割のシステムでトレードをしてもらう
- 利益を出せた投資家の割合は5.0%。たった5人
という結果が出ています。
100回のトレードで60回勝てるはずの実験で5人しか利益が出なかったのです。
極端に言えば、勝率6割でも100回トレードすれば40回負けることになります。5連敗~10連敗ぐらいはあるかもしれません。
負け続けているときに、過度なポジションを保有してしまえば、そのときに資金が大きく枯渇してしまうため、連敗時点で「資金がなくなる」もしくは「資金が残っても少額になってしまい、そこから連勝が続いても取り返せない。」という状態に陥ってしまうからです。
結局、これは「資金管理(マネーマネジメント)が上手くできていなかったから、利益が出せなかった。」にほかならないのです。
投資家の心理状態では
「このパターンなら負けないはず。」
「これだけ負けが続いたんだから、次は勝てるはず。」
という思い込みで、通常のルールから外れた大きなポジションを持ってしまう傾向があり、その時に負けると、さらに心理状態が不安定になり、大損してしまうのです。
海外FXでは
「ハイレバレッジでトレードができる」
というのは大きなメリットなのですが
だからといって、1万円の資金で10万通貨のレバレッジ1000倍のトレードをすれば、1回のトレードで資金が底をついてしまうのは目に見えています。これでは、ただのギャンブルです。
海外FXであっても、
レバレッジを最大限使うことが目的なのではなく
安定して利益を出し続けることが目的なのですから
「高い勝率を上げること」と同時に「適切な資金管理(マネーマネジメント)をして、勝率をそのまま利益に直結させること」が求められるのです。
ヘッジファンドの資金管理術
ヘッジファンドとは
を言います。
という報酬設計が多く
稼がなければ報酬がもらえない「プロの投資家(投資会社)」という位置づけになっています。
ヘッジファンドの投資手法
ヘッジファンドは、株式、為替、先物、オプション取引などを駆使して、相場が上昇局面でも、下降局面でも稼げる運用をします。ヘッジ(hedge)は直訳すると「避ける」という意味で、相場が下がった時でも、利益を上げることを目的としたファンドという意味で「ヘッジファンド」と言われています。
投資のスタイルとしては、短期的な売買で利益を上げる「投機」であり、個人投資家のストップ注文を狩って収益を上げるなど、FXトレードの為替レートへの影響度も高い機関投資家なのです。
当然、相場が下がろうが、上がろうが、運用益を出さなければ報酬を得ることができないのがヘッジファンドですので、長期的に、安定的に収益を上げるための「資金管理術」を構築しています。
だからこそ
海外FXで長期的に収益を上げたい
と考える投資家には、参考にしていただきたい「資金管理方法」となっているのです。
ヘッジファンドの資金管理術
損切り金額 = コア・エクイティ × 1.0%
というものです。
という方法で資金管理をしています。
例えば
証拠金額:100万円
ポジション必要証拠金:0円
- 損切り金額 = 100万円 × 1.0% = 1万円
証拠金額:50万円
ポジション必要証拠金:0円
- 損切り金額 = 50万円 × 1.0% = 5000円
証拠金額:100万円
ポジション必要証拠金:30万円
- 損切り金額 = ( 100万円 - 30万円 ) × 1.0% = 7000円
となります。
損切り金額:1万円
通貨ポジション | 損切りライン |
---|---|
1,000通貨 | 1,000.0pips |
2,000通貨 | 500.0pips |
5,000通貨 | 200.0pips |
10,000通貨 | 100.0pips |
20,000通貨 | 50.0pips |
30,000通貨 | 33.3pips |
50,000通貨 | 20.0pips |
70,000通貨 | 14.3pips |
100,000通貨 | 10.0pips |
損切り金額:5000円
通貨ポジション | 損切りライン |
---|---|
1,000通貨 | 500.0pips |
2,000通貨 | 250.0pips |
5,000通貨 | 100.0pips |
10,000通貨 | 50.0pips |
20,000通貨 | 25.0pips |
30,000通貨 | 16.7pips |
50,000通貨 | 10.0pips |
70,000通貨 | 7.1pips |
100,000通貨 | 5.0pips |
「ストップ注文で設定すべき許容pips数」はトレード手法によって決まってくるので
「損切り金額:1万円」の場合
1回のトレードで30pipsの損切り用のストップ注文を置く
→ 30,000通貨が適正な取引サイズ
「損切り金額:1万円」の場合
1回のトレードで50pipsの損切り用のストップ注文を置く
→ 20,000通貨が適正な取引サイズ
「損切り金額:5000円」の場合
1回のトレードで30pipsの損切り用のストップ注文を置く
→ 20,000通貨が適正な取引サイズ
「損切り金額:5000円」の場合
1回のトレードで50pipsの損切り用のストップ注文を置く
→ 10,000通貨が適正な取引サイズ
となるのです。
証拠金残高に応じて「取引サイズ」が変動する点がメリットなのです。
負ければ証拠金残高は減少しますが、その分取引サイズも小さくするため、取引回数はかなりの回数を確保できることになります。
100万円の資金があって、常に損切り金額を1万円に固定してしまった場合
100連敗で資金が0円になります。
この資金管理方法であれば
資金が1000円を切るのは、688連敗した後なのです。
安定して勝つためには、同じ取引サイズでトレードを繰り返すのではなく
- 証拠金残高が増えている状態 → 取引サイズも増やす
- 証拠金残高が減っている状態 → 取引サイズも減らす
ことで、安定した資金管理ができることになるのです。
回数 | 未使用証拠金 | 割合 | 損切り | 残った証拠金 |
---|---|---|---|---|
1回 | ¥1,000,000 | 1.00% | ¥10,000 | ¥990,000 |
2回 | ¥990,000 | 1.00% | ¥9,900 | ¥980,100 |
3回 | ¥980,100 | 1.00% | ¥9,801 | ¥970,299 |
4回 | ¥970,299 | 1.00% | ¥9,703 | ¥960,596 |
5回 | ¥960,596 | 1.00% | ¥9,606 | ¥950,990 |
6回 | ¥950,990 | 1.00% | ¥9,510 | ¥941,480 |
7回 | ¥941,480 | 1.00% | ¥9,415 | ¥932,065 |
8回 | ¥932,065 | 1.00% | ¥9,321 | ¥922,745 |
9回 | ¥922,745 | 1.00% | ¥9,227 | ¥913,517 |
10回 | ¥913,517 | 1.00% | ¥9,135 | ¥904,382 |
11回 | ¥904,382 | 1.00% | ¥9,044 | ¥895,338 |
12回 | ¥895,338 | 1.00% | ¥8,953 | ¥886,385 |
13回 | ¥886,385 | 1.00% | ¥8,864 | ¥877,521 |
14回 | ¥877,521 | 1.00% | ¥8,775 | ¥868,746 |
15回 | ¥868,746 | 1.00% | ¥8,687 | ¥860,058 |
16回 | ¥860,058 | 1.00% | ¥8,601 | ¥851,458 |
17回 | ¥851,458 | 1.00% | ¥8,515 | ¥842,943 |
18回 | ¥842,943 | 1.00% | ¥8,429 | ¥834,514 |
19回 | ¥834,514 | 1.00% | ¥8,345 | ¥826,169 |
20回 | ¥826,169 | 1.00% | ¥8,262 | ¥817,907 |
21回 | ¥817,907 | 1.00% | ¥8,179 | ¥809,728 |
22回 | ¥809,728 | 1.00% | ¥8,097 | ¥801,631 |
23回 | ¥801,631 | 1.00% | ¥8,016 | ¥793,614 |
24回 | ¥793,614 | 1.00% | ¥7,936 | ¥785,678 |
25回 | ¥785,678 | 1.00% | ¥7,857 | ¥777,821 |
26回 | ¥777,821 | 1.00% | ¥7,778 | ¥770,043 |
27回 | ¥770,043 | 1.00% | ¥7,700 | ¥762,343 |
28回 | ¥762,343 | 1.00% | ¥7,623 | ¥754,719 |
29回 | ¥754,719 | 1.00% | ¥7,547 | ¥747,172 |
30回 | ¥747,172 | 1.00% | ¥7,472 | ¥739,700 |
というように
「ヘッジファンドの資金管理術」を海外FXに適用させる
この「ヘッジファンドの資金管理術」のままでは
ですので、海外FXでトレードをする多くの投資家にとっては
と思う方も多いかと思います。
前述した通りで「ヘッジファンドの資金管理術」のメリットは
証拠金に応じて取引サイズを変動させることにあるのです。
もっといえば、ヘッジファンドは巨額な資金を運用する組織ですから、念には念を入れて低めのリスク割合を設定しているのです。
海外FXでこの資金管理方法を導入する場合は、このリスク割合を変えてしまえば良いのです。
- ヘッジファンドの基準「リスク割合:1.0%」:最低100回の取引機会を確保する設定
- 海外FXで弱きの設定「リスク割合:2.0%」:最低50回の取引機会を確保する設定
- 海外FXの基準「リスク割合:3.0%」:最低33回の取引機会を確保する設定
- 海外FXで強気の設定「リスク割合:5.0%」:最低20回の取引機会を確保する設定
- 初心者の方
- 勝率の高いトレード手法が確立されていない方
- 一時的に負け続けている方
- はじめの証拠金から大きく損失を出している方
→ 「リスク割合:2.0%」:最低50回の取引機会を確保する設定
- 上級者の方
- 勝率の高いトレード手法が確立されている方
- 一時的に勝ち続けている方
- はじめの証拠金から大きく利益を出している方
→ 「リスク割合:5.0%」:最低20回の取引機会を確保する設定
- それ以外の方
→ 「リスク割合:3.0%」:最低33回の取引機会を確保する設定
を目安にすると良いでしょう。
ケーススタディ
初心者Aさん/資金5万円
リスク割合:2.0%に設定
回数 | 未使用証拠金 | 割合 | 損切り | 残った証拠金 |
---|---|---|---|---|
1回 | ¥50,000 | 2.00% | ¥1,000 | ¥49,000 |
2回 | ¥49,000 | 2.00% | ¥980 | ¥48,020 |
3回 | ¥48,020 | 2.00% | ¥960 | ¥47,060 |
4回 | ¥47,060 | 2.00% | ¥941 | ¥46,118 |
5回 | ¥46,118 | 2.00% | ¥922 | ¥45,196 |
6回 | ¥45,196 | 2.00% | ¥904 | ¥44,292 |
7回 | ¥44,292 | 2.00% | ¥886 | ¥43,406 |
8回 | ¥43,406 | 2.00% | ¥868 | ¥42,538 |
9回 | ¥42,538 | 2.00% | ¥851 | ¥41,687 |
10回 | ¥41,687 | 2.00% | ¥834 | ¥40,854 |
損切り金額:1,000円
通貨ポジション | 損切りライン |
---|---|
1,000通貨 | 100.0pips |
2,000通貨 | 50.0pips |
5,000通貨 | 20.0pips |
10,000通貨 | 10.0pips |
損切りラインを50pipsに置けば、2000通貨という取引サイズが適切という計算になります。
物足りなく感じる方もいるかと思いますが、2000通貨の設定で取引すれば、最低でも50回の取引機会が確保出るので、その間にトレード手法を確立していけば良いのです。トレード手法が確立されて勝率が上がって来れば、徐々にリスク割合を引き上げていけば良いのです。
中級者Bさん/資金10万円
リスク割合:3.0%に設定
回数 | 未使用証拠金 | 割合 | 損切り | 残った証拠金 |
---|---|---|---|---|
1回 | ¥100,000 | 3.00% | ¥3,000 | ¥97,000 |
2回 | ¥97,000 | 3.00% | ¥2,910 | ¥94,090 |
3回 | ¥94,090 | 3.00% | ¥2,823 | ¥91,267 |
4回 | ¥91,267 | 3.00% | ¥2,738 | ¥88,529 |
5回 | ¥88,529 | 3.00% | ¥2,656 | ¥85,873 |
6回 | ¥85,873 | 3.00% | ¥2,576 | ¥83,297 |
7回 | ¥83,297 | 3.00% | ¥2,499 | ¥80,798 |
8回 | ¥80,798 | 3.00% | ¥2,424 | ¥78,374 |
9回 | ¥78,374 | 3.00% | ¥2,351 | ¥76,023 |
10回 | ¥76,023 | 3.00% | ¥2,281 | ¥73,742 |
損切り金額:3,000円
通貨ポジション | 損切りライン |
---|---|
1,000通貨 | 300.0pips |
2,000通貨 | 150.0pips |
5,000通貨 | 60.0pips |
10,000通貨 | 30.0pips |
損切りラインを30pipsに置けば、10000通貨
損切りラインを50pipsに置けば、6000通貨
という取引サイズが適切という計算になります。
このリスク割合が一番バランスの良い設定と言えます。10万円の資金で5000通貨~10000通貨のトレードを繰り返しながら、負けたときには取引サイズを小さくし、勝ったときには取引サイズを増やしていく設計となっています。
上級者Cさん/資金50万円
リスク割合:5.0%に設定
回数 | 未使用証拠金 | 割合 | 損切り | 残った証拠金 |
---|---|---|---|---|
1回 | ¥500,000 | 5.00% | ¥25,000 | ¥475,000 |
2回 | ¥475,000 | 5.00% | ¥23,750 | ¥451,250 |
3回 | ¥451,250 | 5.00% | ¥22,563 | ¥428,688 |
4回 | ¥428,688 | 5.00% | ¥21,434 | ¥407,253 |
5回 | ¥407,253 | 5.00% | ¥20,363 | ¥386,890 |
6回 | ¥386,890 | 5.00% | ¥19,345 | ¥367,546 |
7回 | ¥367,546 | 5.00% | ¥18,377 | ¥349,169 |
8回 | ¥349,169 | 5.00% | ¥17,458 | ¥331,710 |
9回 | ¥331,710 | 5.00% | ¥16,586 | ¥315,125 |
10回 | ¥315,125 | 5.00% | ¥15,756 | ¥299,368 |
損切り金額:25,000円
通貨ポジション | 損切りライン |
---|---|
1,000通貨 | 2,500.0pips |
2,000通貨 | 1,250.0pips |
5,000通貨 | 500.0pips |
10,000通貨 | 250.0pips |
20,000通貨 | 125.0pips |
30,000通貨 | 83.3pips |
50,000通貨 | 50.0pips |
70,000通貨 | 35.7pips |
100,000通貨 | 25.0pips |
損切りラインを50pipsに置けば、50,000通貨という取引サイズが適切という計算になります。
強気の設定とはいえ、最低でも20回以上の取引機会はあるのですが、十分に上級者であれば対応できる取引サイズと言えます。
「ヘッジファンドの資金管理術」を利用する際の注意点
都度、計算をして取引サイズを決める
何度も言いますが、この「ヘッジファンドの資金管理術」のメリットは証拠金残高に応じて、取引サイズを変動させることにあります。
1回目の計算で、取引サイズが1万通貨となっていても、証拠金残高が変動しているのにずっと1万通貨で取引していたら意味がないのです。
暗算で対応できない方はエクセルに計算式でも用意しておいて
残高に応じて細かく取引サイズを変更させることを心がける必要があります。
損切り金額:1万円
1回のストップ注文の許容pips数:40pips
取引サイズ = 1万円 / 40pips × 100 = 2.5万通貨
となります。
まとめ
FXトレードでは
- 「pipsを稼ぐためのトレードテクニック」
- 「勝率が高ければ、確実に資金を増やせる資金管理術」
の両輪で、はじめて稼ぐことができるのです。
どちらが欠けても、資金は増えていきません。
「海外FXはハイレバレッジだからこそ、最適なポジション数がわからない。」
「海外FXのプロはどういう資金管理(マネーマネジメント)をしているの?」
・・・