今回は、海外FXで活きる「ドテン注文」と「ドテン注文」が有効化どうかを判断するルールについて解説します。
ドテン注文とは?
ドテン注文とは
を言います。
ドテン注文の例
買いポジション1万通貨 → 売りポジション2万通貨
買いポジションの1万通貨は相殺されて解消
売りポジションの1万通貨のみが残る
ドテン後:売りポジション1万通貨
売りポジション5万通貨 → 買いポジション15万通貨
売りポジションの5万通貨は相殺されて解消
買いポジションの10万通貨のみが残る
ドテン後:買いポジション10万通貨
これがドテン注文です。
ドテン注文の例
1.エントリー時
描いたシナリオ
・1時間足も、4時間足も、上昇トレンド
・5分足も上昇トレンド
・20MA、50MA、200MAも同じ傾き
・雲にぶつかって「押し目買い」だ。
これはいけるだろう。
と「買い」ポジションを1ロット(10万通貨)持ったとします。
2.数分後
あれっ!?
思惑と逆方向に進んでしまった。
なぜだ!
なんかあったかな?
理由がわからない!!
多くの方はここで「損切り」を選択するかと思います。
ただし、単純に「損切り」するのではなく、「ドテン」をすることによって、損失を減らす、もしくは利益を出すこともできるのです。
3.ドテンの実行
シナリオと逆に動き始めたため
3倍の「売り」ポジション:3ロット(30万通貨)でエントリーします。
- 「買い」ポジションを1ロット(10万通貨)と
- 「売り」ポジションを1ロット(10万通貨)が相殺されるので
残るのは
- 「売り」ポジションを2ロット(20万通貨)
です。
4.そのまま反対方向に進めばドテン成功
そのまま、当初シナリオとは反対の下降トレンドに進んだため、「ドテン成功」
となるのです。
なぜ、ドテン注文が有効なのか?
です。
当然、ドテン注文した途端に、はじめのシナリオ通りの方向に為替レートが動き出すというケースもあります。
この場合は「往復ビンタ」と言って、そのまま初期のポジションを持っていれば、損失が減る、もしくはプラスに転じる可能性があったのにもかかわらず、ドテン注文をしたがために「さらに損失が増大してしまう。」最悪の状態になってしまいます。
と思う方も多いと思いますが
なぜかというと
一定レベル以上の経験がある投資家であれば、似たようなシナリオを描いているはずです。
シナリオが崩れたという局面では
他の市場参加者も同じようにシナリオが崩れてしまっている
ということになります。
前述した例のように
多くの方が、上昇トレンドが伸びると思って「買い」エントリーに傾いていた場合
シナリオが崩れたとしたら
- 「損切り」が自動的に発動
- もしくは、自分の意思で「損切り」する
というのが教科書通りの対応方法ということになります。
ということになります。
なぜ、シナリオが崩れたのかは
- ファンドが仕掛けてきたのか?
- ファンドが手じまったのか?
- 大口の実需の売買が入ったのか?
理由を解き明かすことはできませんが・・・
その後の動きとして
というのは、ある程度高い確率で発生するのです。
だとすれば
同じシナリオを描いた市場参加者の損切りによって、数pips~数十pipsぐらいはそのままシナリオと逆方向に進む
同じシナリオを描いた市場参加者の損切り判断よりも「早く」ドテン注文をすれば、数pips~数十pipsは稼げる
という可能性が高いのです。
だからこそ、ドテン注文をする時は
なのです。
2倍のポジションを持つので、多少でも為替レートが当初の逆方向に進み続ければ
- トータルの損失が小さくなる
- トータルで利益が出る
ことになるのです。
なぜ、ドテン注文が海外FXで有効なの?
海外FXはハイレバレッジトレードだからです。
数pips、数十pipsの差が大きな損益の差になってしまいます。
プロのアナリストやファンドマネジャーも、巨額の資金を運用しているので、数pips、数十pipsの差が重要なのです。
ドテン注文を活用することで、平均5pips損失を減らせることができたとすれば、長期的なスパンでみれば、大きな損益に跳ね返ってくるのです。
ドテン注文が有効かどうかを判断する条件とは?
ドテン注文が有効になる可能性が高いシチュレーション
- 相場のボラティリティが高い
- トレードの出来高が多い
- 1日の値幅が大きい
- 中期トレンドの順張り方向と一致している
- ドテンするポイントがテクニック分析でのエントリーポイントとなっている
- タイトな損切りポイントがある
ドテン注文が有効になる可能性が低いシチュレーション
- 相場のボラティリティが低い
- トレードの出来高が少ない
- 1日の値幅が小さい
- 中期トレンドの順張り方向と一致していない
- ドテンするポイントがテクニック分析でのエントリーポイントとなっていない
- 取引市場が変わるタイミング
- タイトな損切りポイントがない
相場のボラティリティが高い、トレードの出来高が多い、1日の値幅が大きいとドテン注文が有効になる理由
トレードが活発に起きている状況は
前述したように
多くの市場参加者のシナリオが崩れてしまっている状態である可能性が高い
トレードが活発でない状態の場合には
多くの市場参加者のシナリオが崩れてしまっている状態とは言い切れない可能性もあります。
また、1日の値幅が大きい場合
ドテンするポイントがテクニック分析でのエントリーポイントとなっているとドテン注文が有効になる理由
さらに、ドテンをするエントリータイミングが主要なテクニカル分析のエントリータイミングと重なっていれば、「ドテン」が有効に働く可能性は高くなります。
中期トレンドの順張り方向と一致しているとドテン注文が有効になる理由
「順張り」と「逆張り」を比較すれば、「順張り」の方が成功率が高いことは言うまでもありません。
ドテン注文の「往復ビンタ」を食わらない方法
ドテン注文は心理的な障害が大きいトレード手法
ドテン注文は、理論上はわかっていても、なかなか実行しにくいトレード手法です。
なぜなら、
ドテンをする前のシナリオは
- 練りに練った自信満々のシナリオ
- 日常的にそのやり方で成果を出しているシナリオ
のはずですから、
「僕のシナリオが外れるわけがない。少し待てば戻るはずだ。」
と思ってしまうのは人の常なのです。
逆方向にポジションを持つ
勇気がドテン注文には必要なのです。
しかし、簡単なようで、瞬間的に過去の自分を否定することは、簡単でないことはわかっていただけるかと思います。
これが一番起こりうる「ドテン注文の落とし穴」なのです。
同じシナリオを描いていた市場参加者がいたとして
シナリオとのかい離が大きくなればなるほど「損切り」が増える
のですから、
- 同じシナリオを描いていた市場参加者が損切りをする前に「ドテン」 → ドテン成功の確率が高い
- 同じシナリオを描いていた市場参加者が半数が損切りをすると同時に「ドテン」 → ドテン成功の確率がやや高い
- 同じシナリオを描いていた市場参加者が損切りをした後に「ドテン」 → ドテン成功の確率がほとんどない
ということになります。
市場参加者が損切りをした後に「ドテン」して乗り遅れる最悪のケースを回避するためには
- シナリオは100%当たるものではないことを自覚しておく
- シナリオと逆方向に動いたら、すぐにドテンも検討する
- ドテンするときのルールを明確に決めて、機械的に損切りではなくドテンをする
ことが重要になります。
ドテンの損切りはタイトに入れる
ドテン注文の場合に気をつけなければならいのは「往復ビンタ」を食らわないことです。
ドテン注文は
ですから
避ける方法の一つは、前述した通りで
ですが、それと同時に重要なのは
ということです。
ドテンによって損失が減ればラッキーぐらいの感覚で、ドテン注文の損切注文はタイトな位置に設定することをおすすめします。
「利確」からのドテン注文は、ただの逆張りで根拠なし
前述してきたのは
- シナリオが崩れたときの「損切り」→「ドテン」注文
です。
しかし、ドテン注文とは、逆のポジションを持つことですから
- シナリオが成功しているときの「利確」→反転狙いの逆張り「ドテン」注文
という形もあるのです。
同じドテン注文ですが
- 前者には成功する要因が説明できる
- 後者は成功する要因が説明できない
もので、似て非なるものです。
後者の
- シナリオが成功しているときの「利確」→反転狙いの逆張り「ドテン」注文
は、ピンポイントでトレンドの山を当てなければなりません。
シナリオの読みも当たっているのですから、他の投資家はさらに順張り方向にポジションを重ねるかも知れないのです。
上手くいく可能性は少ないのです。
まとめ
ドテン注文とは
- 今持っているポジションとは逆方向のポジションを持つこと
を言います。
ドテン注文には
- シナリオが崩れたときの「損切り」→「ドテン」注文
- シナリオが成功しているときの「利確」→反転狙いの逆張り「ドテン」注文
の2つがありますが、前者がおすすめするドテン注文です。
なぜなら、ある程度の経験値がある投資家が描くシナリオは、他の市場参加者も同じシナリオを持っている可能性が高く、シナリオが崩れると「損切り」をする方が増えてくるからです。
市場参加者の「損切り」が進めば進むほど、当初のシナリオとは逆方向に為替レートが動くことになります。ドテン注文によって、この波に乗ることができれば、損失を減らず、トータルで利益を出すことができるようになるのです。
ドテン注文が有効化どうかを判断する条件には
ドテン注文が有効になる可能性が高いシチュレーション
- 相場のボラティリティが高い
- トレードの出来高が多い
- 1日の値幅が大きい
- 中期トレンドの順張り方向と一致している
- ドテンするポイントがテクニック分析でのエントリーポイントとなっている
- タイトな損切りポイントがある
ドテン注文が有効になる可能性が低いシチュレーション
- 相場のボラティリティが低い
- トレードの出来高が少ない
- 1日の値幅が小さい
- 中期トレンドの順張り方向と一致していない
- ドテンするポイントがテクニック分析でのエントリーポイントとなっていない
- 取引市場が変わるタイミング
- タイトな損切りポイントがない
というものがあります。
市場参加者の「損切り」発生によって、ドテン注文の成功率が担保されているのですから、トレードが活発な状況でないと、ドテン注文が上手くいかない可能性が高くなってしまうのです。
ドテン注文は、習慣的に自分が作ったシナリオを否定して、逆方向のポジションを持つものですから、心理的な障壁が高くなります。ドテン注文を有効に活用するためには、機械的に実行できるルールが必要になるのです。
「ドテン注文ってすべきなの?」
「ドテン注文で往復ビンタをくらうのが怖い!」