海外FXの特徴というのは「ハイレバレッジ」ばかりに注目が集まっていますが、実際問題は「ハイレバレッジ」以上に「追証がなくて、ハイレバレッジ」であることが重要なのです。今回は「海外FXの追証なしの理由」と「追証なしをどうFXトレードに活用すべきなのか?」を解説します。
そもそも、追証とは?
追証(おいしょう)とは
追証は「追加証拠金」の略称です。
を言います。
例:GMOクリック証券
追証の証拠金維持率:100%
口座の状況が
- 純資産:80万円
- 注文証拠金:0円
- ポジション証拠金:100万円
だとすれば、証拠金維持率は
です。
追証の証拠金維持率100%を下回っているので、20%分の20万円の証拠金を追加で入金してください。
この場合、選択肢としては
- 20万円を入金して、証拠金維持率を100%にする
- 20万円を決済、ポジション証拠金を80万円にして、証拠金維持率を100%にする
- 何もしないで強制ロスカットされる
の3パターンがあるのです。
実は、この段階での「追証」であれば、投資家にとってはそれほど大きな問題ではなく、入金するか?ポジションを決済して調整すれば良いのです。
本当に怖いのは、強制ロスカットができずにマイナス残高になる状況です。
「追証」が怖いのは、強制ロスカットができずにマイナス残高になる状況!
強制ロスカットとは?
を言います。
例:DMM FX
証拠金維持率がロスカットラインである50%以下となった場合、全ての未約定注文が取消され、全ての未決済ポジションを自動的に決済(ロスカット)します。
となっています。
つまり、証拠金維持率が50%を下回ったら、保有しているポジションは自動的に強制決済されてしまうのです。
とくに大きなトピックスのない通常の為替市場であれば「50%以下を下回ったらポジションを決済する」というロスカットレベルの設定であれば、口座残高がマイナスになるシチュエーションはほとんどありません。
しかし、
- リーマンショック
- 東日本大震災
- スイスフランショック
などの大きな為替変動が発生する状況下では
FX業者が強制ロスカットをしようとしても、それ以上に為替レートの変動が急で、決済できたときには証拠金維持率がマイナスになっている(証拠金がマイナス残高になっている)可能性があるのです。
を意味します。
このマイナス分「ロスカット未収金」は「追証」として、投資家が支払わなければならないのです。
もう一度言いますが、日本の国内FX業者を利用している場合は、
国内FXの追証発生額(ロスカット未収金)
毎年、これだけの投資家の借金が発生しているということを意味しています。
- 2011年の追証発生額:1,729,086,000円(約17億) ※東日本大震災発生
- 2015年の追証発生額:2,907,457,000円(約29億) ※スイスフランショック発生
- 2016年の追証発生額:459,180,000円(約4.5億) ※英国のEC離脱発生、トランプ大統領就任
例えば、スイスフランショックのときは
スイスフランショックとは
2015年1月15日 スイスフランショックでは
顧客区分 | 発生件数(件) | 発生金額(百万円) |
---|---|---|
個 人 | 1137件 | 19億4800万円 |
法 人 | 92件 | 14億4000万円 |
合 計 | 1229件 | 33億8800万円 |
という追証が発生しているのです。
ですから
ということになります。
「追証」のリスクというのは
なのです。
「追証」による借金リスクというのは
- レバレッジが高いほど → 借金リスクも大きくなる
- レバレッジが低いほど → 借金リスクは小さくなる
関係にあります。
そうではありません。
海外FX業者は、ほとんどの業者が「追証ゼロサービス(ゼロカットシステム)」を導入しているので、追証による借金リスクはないのです。
海外FX業者は、ほとんどの業者が「追証ゼロサービス(ゼロカットシステム)」を導入している
海外FX業者を利用する場合は
追証ゼロサービス(ゼロカットシステム)が採用されています。
追証ゼロサービス(ゼロカットシステム)とは?
を言います。
海外FX業者「XM」の場合
ウェブサイト
XMTradingでは、お客様のご資金を最優先します。
一方、全てのお客様を対象にマイナス残高リセットが適用されますので、口座残高以上の損失は発生致しません。
スイスフランショック発生時のメール
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重要なお知らせ: CHFに関する最新情報 大切なお客様、 スイス国立銀行がEUR/CHFの上限撤廃の決定したことよって引き起こされた最近の市場での非常に大きな値動きによって、XMはスイス国立銀行による大混乱の影響は受けての暴落の影響は受けていないことをお客様に保証致します。
XMは常にマイナス残高の自動的な保護を提供していることをお客様に再度ご案内申し上げます。 当社は、この度のEURCHF通貨ペアの異例な値動き等の混乱時には、特にお客様に対する当社の忠誠心の現れとして、こちらのマイナス残高の自動的な保護を継続していく所存です。 先週中にマイナス口座残高が発生した全てのお客様は、当社の評判と強みへのお約束を果たす為に、マイナス残高が起こりうる他のケース同様に、それらのマイナス残高は既にリセットされています。
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記載されているように
追証による借金リスク
- 国内FX業者:ある
- 海外FX業者:ない
のです。
- 国内FX業者が採用している取引システム:DD(OCN・店頭・相対)取引
- 海外FX業者が採用している取引システム:NDD(STP・ECN)取引
という違いがあります。
国内FX業者は、投資家の注文を「呑む」形の相対取引を採用しているため
という問題があります。
しかし、
海外FX業者は、投資家の注文を100%自動的にインターバンク市場に流すNDD取引を採用しているため
のです。その分、マイナス残高が発生しても、大きなFX業者の損失にはならないのでサービスとして提供できるということになります。
海外FX業者が
- ハイレバレッジトレードができる
というメリットだけだったら
- レバレッジが大きい分それだけ追証による借金リスクが増大してしまう
ことになってしまうのですが
- ハイレバレッジトレードができる
- 追証による口座のマイナス残高はFX業者の負担で投資家の借金にはならない
からこそ、国内FX業者よりも、安心して、ハイレバレッジトレードが楽しめるのです。
FXトレードに限らず、投資で勝つためには「損失を限定すること」が重要です。損切ラインを設定してFXトレードをする投資家が多いのも「損失を限定したい」からです。
にもかかわらず、国内FX業者を利用している場合には「預託した証拠金以上に損をする(借金が発生する)」リスクを抱えてしまうことになります。
「追証なし」のトレード活用法
大きな為替変動が見込める時を狙う
- 指標発表時
- 世界的な経済ニュースが予定されているとき
- 月曜日朝の取引開始時
・・・
FXトレードでは
でも、どちらに動くかはわからない。
という状況は少なくありません。
このときに
- 証拠金を負けて良い額まで下げておく
- どちらに動いても、ポジションを持てるように指値注文を入れておく
という対応をすれば
きれいな為替変動で一方向に動いた場合
ハイレバレッジをかけている分、大きな儲けが期待できる
指値注文が発動したのちに逆方向に動いてしまった場合
証拠金で強制ロスカットされるが、それ以上の損失は発生しない
ことになります。
失敗した場合:損失が証拠金の範囲内に限定される
ですから、ローリスク・ハイリターンのトレードができるのです。
「両建て」で稼ぐ
「追証なし」を利用すると2社の海外FX業者を利用した両建て戦略も有効になります。
海外FX業者A社
- 追証なし
- ハイレバレッジ
海外FX業者B社
- 追証なし
- ハイレバレッジ
の場合
投資資金:20万円
- 海外FX業者A社:「米ドル/円」のロングポジション:10万円分(10万通貨:レバレッジ100倍)
- 海外FX業者B社:「米ドル/円」のショートポジション:10万円分(10万通貨:レバレッジ100倍)
を持って、月曜日の「窓開け」を待ちます。
1ドル100.00円 → 101.50円(+150pips)
- 海外FX業者A社:残高10万円 → +15万円分の利益 → 残高25万円
- 海外FX業者B社:残高10万円 → -15万円分の損失 → 残高-5万円
海外FX業者B社のマイナス残高5万円分は、海外FX業者が負担してくれるので
増えたということになります。
リスクの高い通貨ペアを狙う
- トルコ/リラ
- 南ア/ランド
など、スワップポイントが高いエマージェンシー通貨でのトレードをする場合にも、「追証なし」の仕組みが重要になります。
エマージェンシー通貨は、スワップポイントが高い(金利が高い)ということは、それだけ経済的に不安定な状況にあるということを意味しています。
政治的な問題が起これば一夜にして為替レートが急変動するリスクを内在しているのです。
まとめ
追証とは
- FX業者が設定した「必要証拠金(証拠金維持率)」を下回った場合に「追加で証拠金を入金しないとポジションを維持できません。」と追加の証拠金の入金を投資家に依頼する仕組みのこと
です。
しかし、怖いのは「追証」全体のことではなく
- FX業者が強制ロスカットをしようとしても、それ以上に為替レートの変動が急で、決済できたときには証拠金維持率がマイナスになっている(証拠金がマイナス残高になっている)状態
です。
- 口座がマイナス残高になる = 投資家が借金を負う
ということを意味しているからです。
追証によるマイナス残高の借金リスクは、レバレッジが高ければ高いほど大きくなってしまいますが
海外FX業者は「追証なし」「追証ゼロシステム」「追証ゼロカットシステム」を採用しています。
海外FX業者を利用すれば、万が一、強制ロスカットができずに口座残高がマイナス残高になっても、マイナス分は海外FX業者が負担してくれるのです。
- 「損失が証拠金の範囲内に限定できる」
- 「ハイレバレッジでトレードできる」
という2つのメリットが両立されているからこそ、海外FXの方が稼げる可能性が高くなるのです。ハイレバレッジトレードは「ハイリスクハイリターン」のイメージがありますが、海外FX業者であれば損失が証拠金の範囲内に限定されるので「ローリスクハイリターン」の投資になるのです。
「追証がない」ことを活用したトレード手法も、いろいろな手法があるので、興味がある方はチャレンジしてみましょう。
「海外FXの追証がないのは、なぜですか?」
「追証がなくて、ハイレバレッジだとどのようなメリットがあるのですか?」
・・・