と勘違いしている投資家の方も多いようです。今回は、海外FX業者を比較するときに重視するべきロスカットレベルについて解説します。
海外FXのロスカットレベルとは?
海外FXのロスカットレベルとは?
海外FX業者も、国内FX業者も、同じですが
このルールのことを「ロスカットルール」と言い、「ロスカットルール」で設定されたロスカットを発動させる証拠金維持率のことを「ロスカットレベル」と呼ぶのです。
日本のFX業者では
- ロスカットさせる証拠金維持率
- ロスカット水準
- ロスカットライン
という呼び方をされますが
海外のFX業者の場合は英語ですので
- ロスカットレベル
と呼ぶのです。
という場合には
という意味になります。
証拠金維持率の計算方法とは?
で計算することができます。
例えば
- 預託証拠金:50,000円
- レバレッジ:25倍
- 米ドル/円
- 1ドル=100円で1万ドルの「買い」ポジション(取引証拠金40,000円)
という場合に
評価損益が-10,000円になった場合
評価損益が-30,000円になった場合
評価損益が-34,000円になった場合
という計算になります。
上記のFX業者のロスカットレベルが50%だとした場合
3万円の評価損までは耐えられる
ということでもあります。
レバレッジ25倍で、1万通貨取引で3万円の評価損ということは
1万通貨取引 → 1pips = 100円
pips計算早見表
取引通貨 | 1pips | 5pips | 10pips | 100pips |
---|---|---|---|---|
1000通貨 | 10円 | 50円 | 100円 | 1,000円 |
2000通貨 | 20円 | 100円 | 200円 | 2,000円 |
5000通貨 | 50円 | 250円 | 500円 | 5,000円 |
10,000通貨 | 100円 | 500円 | 1,000円 | 10,000円 |
100,000通貨 | 1,000円 | 5,000円 | 10,000円 | 100,000円 |
ですので、「3万円の評価損までは耐えられる」ということは
「300pips」負けても耐えられる
ということになります。
マージンコールとは
海外FXでは「ロスカットアラート」の意味で使われます。
ロスカットアラートは「維持率低下の注意喚起」機能です。
強制ロスカットになる前のアラートメールのことで
というアラートメールが届くことになります。
マージンコールは「注意喚起」ですので、当然ロスカットレベルよりも上に設定されます。
わかりやすいマージンコール・強制ロスカット発生の計算例
お分かりかと思いますが、上記のレバレッジ25倍の前述した例は、国内FX業者を想定したものです。
では、海外FX業者のロスカットレベルはどうなっているのでしょうか?
海外FX業者のロスカットレベル比較
海外FX業者 | 最大レバレッジ | ロスカットレベル証拠金維持率 | マージンコール証拠金維持率 |
---|---|---|---|
XM | 1,000倍 | 20%以下 | 50%以下 |
AXIORY | 400倍 | 20%以下 | 50%以下 |
LAND-FX | 500倍 | 30%以下 | 50%以下 |
TitanFX | 500倍 | 20%以下 | 90%以下 |
FBS | 3000倍 | 20%以下 | 40%以下 |
IronFX | 500倍 | 20%以下 | 40%以下 |
iFOREX | 400倍 | 0.25%以下 | 0%以下 |
FxPro | 500倍 | 20%以下 | 25%以下 |
他の海外FX業者のレバレッジ・ロスカットレベルの比較はこちら
海外FX業者の耐えられる負けpips数比較
試算条件
- 取引通貨ペア:米ドル/円
- 為替レート:1ドル=100円
- 取引量:1ロット(10万通貨)
- レバレッジ:各海外FX業者の最大レバレッジを採用
- ロスカットレベル:各海外FX業者のロスカットレベルを採用
- 預託証拠金:10万円
XMの耐えられる「負けpips数」
- レバレッジ:1,000倍
- ロスカットレベル:20%以下
耐えられる負けpips数
- 取引証拠金 = 10万ドル(1,000万円) / レバレッジ1,000倍 = 10,000円
- 評価損益 = 資産合計10万円 - 証拠金維持率:20% × 取引証拠金:10,000円 = 98,00-0円
98,000円負けて、有効証拠金額が2,000円になったときに強制ロスカットされます。
10万通貨の場合、1pip=1,000円ですので
約定力 | 99.35%を1秒以内に約定 執行率100% リクオート・注文拒否なし |
信託保全 分別管理 | 2万EURまで信託保全(キプロス口座) 保険にて上限あり一部信託保全(セーシェル口座) |
ロスカットレベル証拠金維持率 | 20%以下 |
取引システム | MT4 MT4ウェブトレーダー MT5 MT5ウェブトレーダー |
通貨ペア数 | 57通貨ペア |
口座通貨 | USD,EUR,JPY |
口座の種類 | マイクロ口座/STP | スタンダード口座/STP | ゼロ口座/ECN | KIWAMI極口座/STP |
取引手数料 (片道) | 無料 | 無料 | 5ドル | 無料 |
最小スプレッド 米ドル/円 | 1.50 | 1.50 | 0.00 | 0.60 |
平均スプレッド 米ドル/円 | 1.60 | 1.60 | 0.10 | 0.70 |
最大レバレッジ | 1000倍(~2万ドル) 200倍(2万ドル~) 100倍(10万ドル~) | 1000倍(~2万ドル) 200倍(2万ドル~) 100倍(10万ドル~) | 500倍(~2万ドル) 200倍(2万ドル~) 100倍(10万ドル~) | 1000倍(~2万ドル) 200倍(2万ドル~) 100倍(10万ドル~) |
最低取引通貨 | 10通貨 | 1,000通貨 | 1,000通貨 | 1,000通貨 |
最低入金額 | 500円相当 | 500円相当 | 500円相当 | 500円相当 |
AXIORYの耐えられる「負けpips数」
- レバレッジ:400倍
- ロスカットレベル:20%以下
耐えられる負けpips数
- 取引証拠金 = 10万ドル(1,000万円) / レバレッジ400倍 = 25,000円
- 評価損益 = 資産合計10万円 - 証拠金維持率:20% × 取引証拠金:25,000円 = 95,000円
95,000円負けて、有効証拠金額が5,000円になったときに強制ロスカットされます。
10万通貨の場合、1pip=1000円ですので
口座の種類 | ナノ口座/MT4/ECN |
取引手数料 (pips換算:片道) | 0.30 |
最小スプレッド 米ドル/円 | 0.10 |
平均スプレッド 米ドル/円 | 0.60 |
最大レバレッジ | 400倍(~10万ドル) 300倍(~20万ドル) 200倍(20万ドル~) |
約定力 | 約定率:99.97% スリッページ平均:0.039pips 約定スピード:202.42m/sec |
最低入金額 | 2万円相当 |
LAND-FXの耐えられる「負けpips数」
- レバレッジ:500倍
- ロスカットレベル:30%以下
耐えられる負けpips数
- 取引証拠金 = 10万ドル(1,000万円) / レバレッジ500倍 = 20,000円
- 評価損益 = 資産合計10万円 - 証拠金維持率:30% × 取引証拠金:20,000円 = 94,000円
94,000円負けて、有効証拠金額が6,000円になったときに強制ロスカットされます。
10万通貨の場合、1pip=1000円ですので
口座の種類 | スタンダード口座/MT4/STP |
取引手数料 (pips換算:片道) | 0.00 |
最小スプレッド 米ドル/円 | 1.10 |
平均スプレッド 米ドル/円 | 1.60 |
最大レバレッジ | 400倍(~10万ドル) 300倍(~20万ドル) 200倍(20万ドル~) |
約定力 | 約定率:99.97% スリッページ平均:0.039pips 約定スピード:202ms |
最低入金額 | 2万円相当 |
FBSの耐えられる「負けpips数」
- レバレッジ:3000倍
- ロスカットレベル:20%以下
耐えられる負けpips数
- 取引証拠金 = 10万ドル(1,000万円) / レバレッジ3000倍 = 3,333円
- 評価損益 = 資産合計10万円 - 証拠金維持率:20% × 取引証拠金:3,333円 = 99,333円
99,333円負けて、有効証拠金額が667円になったときに強制ロスカットされます。
10万通貨の場合、1pip=1000円ですので
口座の種類 | スタンダード口座/STP |
取引手数料 (pips換算:片道) | 0.00 |
最小スプレッド 米ドル/円 | 1.00 |
平均スプレッド 米ドル/円 | 2.00 |
最大レバレッジ | 3000倍 |
約定力 | 95%以上のオーダーが0.4秒以内に執行 |
最低入金額 | 1万円相当 |
iFOREXの耐えられる「負けpips数」
- レバレッジ:400倍
- ロスカットレベル:0%以下
耐えられる負けpips数
- 取引証拠金 = 10万ドル(1,000万円) / レバレッジ400倍 = 25,000円
- 評価損益 = 資産合計10万円 - 証拠金維持率:0% × 取引証拠金:25,000円 = 100,000円
100,000円負けて、有効証拠金額が0円になったときに強制ロスカットされます。
10万通貨の場合、1pip=1000円ですので
口座の種類 | スタンダード口座/STP |
取引手数料 (pips換算:片道) | 0.00 |
最小スプレッド 米ドル/円 | 0.70 |
平均スプレッド 米ドル/円 | |
最大レバレッジ | 400倍 |
約定力 | |
最低入金額 | 1万円相当 |
レバレッジの高い海外FX業者
海外FX業者の「耐えられる評価損」「耐えられる負けpips」を計算すると
海外FX業者 | 最大レバレッジ | ロスカットレベル証拠金維持率 | マージンコール証拠金維持率 | 耐えられる評価損 | 耐えられる負けpips |
---|---|---|---|---|---|
XM | 1,000倍 | 20%以下 | 50%以下 | ¥98,000 | 98.0pips |
AXIORY | 400倍 | 20%以下 | 50%以下 | ¥95,000 | 95.0pips |
LAND-FX | 500倍 | 30%以下 | 50%以下 | ¥94,000 | 94.0pips |
TitanFX | 500倍 | 20%以下 | 90%以下 | ¥96,000 | 96.0pips |
FBS | 3000倍 | 20%以下 | 40%以下 | ¥99,333 | 99.3pips |
IronFX | 500倍 | 20%以下 | 40%以下 | ¥96,000 | 96.0pips |
iFOREX | 400倍 | 0%以下 | 0.25%以下 | ¥100,000 | 100.0pips |
FxPro | 500倍 | 20%以下 | 25%以下 | ¥96,000 | 96.0pips |
となるのです。
単純にレバレッジの高い海外FX業者を選んだ場合
1位:FBS 3000倍
2位:XM 1,000倍
3位:LAND-FX 500倍
となりますが、
一番ロスカットされずに負けを耐えられる海外FX業者を選ぶ場合には
1位:iFOREX 100.0pips負けまで耐えられる
2位:FBS 99.3pips負けまで耐えられる
と順位が入れ替わってしまうのです。
iFOREXは、ロスカットレベルが0%なので
資金の100%(100pips)負けるまでは強制ロスカットされない
ということを意味しており、一番負けに耐えられる海外FX業者となるのです。
一方で
LAND-FXは最大レバレッジは500倍と上記の中では3位のレバレッジ設定ですが、ロスカットレベルが30%と高めに設定されているため
94.0pipsの負けで強制ロスカットされてしまいます。
海外FX業者を比較するときには
- レバレッジだけで比較するのではなく
- レバレッジとロスカットレベルを見て
- 「どのくらい負けに耐えられるのか?」を試算して
比較する方が勝てる可能性が高くなるのです。
レバレッジが同じであれば
となるのです。
資金額と取引量を変えた場合の耐えられる負けpipsシミュレーション
- レバレッジ:500倍
- ロスカットレベル:20%
資金額 | 取引量 | 最大レバレッジ | ロスカットレベル証拠金維持率 | 耐えられる評価損 | 耐えられる負けpips |
---|---|---|---|---|---|
¥100,000 | 1,000通貨 | 500倍 | 20%以下 | ¥96,000 | 9600.0pips |
¥100,000 | 5,000通貨 | 500倍 | 20%以下 | ¥96,000 | 1920.0pips |
¥100,000 | 10,000通貨 | 500倍 | 20%以下 | ¥96,000 | 960.0pips |
¥100,000 | 50,000通貨 | 500倍 | 20%以下 | ¥96,000 | 192.0pips |
¥100,000 | 100,000通貨 | 500倍 | 20%以下 | ¥96,000 | 96.0pips |
¥10,000 | 100,000通貨 | 500倍 | 20%以下 | ¥6,000 | 6.0pips |
¥50,000 | 100,000通貨 | 500倍 | 20%以下 | ¥46,000 | 46.0pips |
¥100,000 | 100,000通貨 | 500倍 | 20%以下 | ¥96,000 | 96.0pips |
¥200,000 | 100,000通貨 | 500倍 | 20%以下 | ¥196,000 | 196.0pips |
¥500,000 | 100,000通貨 | 500倍 | 20%以下 | ¥496,000 | 496.0pips |
¥10,000 | 10,000通貨 | 500倍 | 20%以下 | ¥6,000 | 60.0pips |
¥50,000 | 10,000通貨 | 500倍 | 20%以下 | ¥46,000 | 460.0pips |
¥100,000 | 10,000通貨 | 500倍 | 20%以下 | ¥96,000 | 960.0pips |
¥200,000 | 10,000通貨 | 500倍 | 20%以下 | ¥196,000 | 1960.0pips |
¥500,000 | 10,000通貨 | 500倍 | 20%以下 | ¥496,000 | 4960.0pips |
当たり前ですが
- 取引量が少なければ少ないほど、耐えられる負けpipsは増える
- 資金額が多ければ多いほど、耐えられる負けpipsは増える
のです。
まとめ
海外FXのロスカットレベルとは
FXでは、証拠金維持率が一定の割合を割った時に強制ロスカットされます。
このときの割合(%)のことをロスカットレベルと言います。
- レバレッジが高くても、ロスカットレベルが高い海外FX業者は、許容できる負けpipsが少なくなります。
つまり、
海外FX業者を比較するときは
また、ロスカットレベルのパターンを検証すると
- 取引量が少なければ少ないほど、耐えられる負けpipsは増える
- 資金額が多ければ多いほど、耐えられる負けpipsは増える
という関係になるため、自分の資産額やトレードスタイルの中で、最適な設定を探る必要があります。
海外FX業者を比較するときには「ロスカットレベル」もチェックしましょう。
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