海外FXトレードをするデメリット、海外FX業者を利用するデメリットには何があるのでしょうか?今回は、海外FXのデメリット、海外FXトレードのリスクについて解説します。
海外FXのデメリット
デメリット1.スプレッドが広い
国内FX業者のスプレッドは、スプレッド競争によって、年々狭くなっている印象です。
DMM FXのスプレッド
米ドル/円:0.2pips
ユーロ/円:0.5pips
ユーロ/米ドル:0.4pips
GMOクリック証券のスプレッド
米ドル/円:0.2pips
ユーロ/円:0.5pips
ユーロ/米ドル:0.4pips
しかも、原則固定数プレッドですので、スプレッドは大きく変動することは、相場の急変動時しかありません。
安定して、スプレッドが狭いメリットがあります。
海外FX業者のスプレッドは、当サイトで同環境で測定したデータによると
海外FX業者への平均スプレッド
米ドル/円:2.18pips
ユーロ/円:2.94pips
ユーロ/米ドル:1.91pips
TitanFXの平均スプレッド
米ドル/円:1.23pips
ユーロ/円:1.57pips
ユーロ/米ドル:1.09pips
ですから、スプレッドの狭いTitanVFXでも、国内FX業者のスプレッドの3倍程度のスプレッドの広さになってしまうのです。
なぜ、ここまでのスプレッドの差があるかというと、国内FX業者は「呑み取引」を採用しているため、インターバンク市場で通貨の売買を行う必要がなく、投資家の注文を呑むだけですので、スプレッドがゼロでもやってけるのです。海外FX業者は、投資家の注文をインターバンク市場でリクイディティプロバイダーと取引をするのが前提ですので、その分のコストが発生してしまいます。
ハイレバレッジトレードが可能とは言え、海外FXトレードでは、1回のトレードコストが割高になるデメリットがあります。
トレード回数が大きくなるスキャルピングやデイトレードのトレードスタイルの投資家にとっては、よりトレードコストが大きいというデメリットがのしかかるのです。
デメリット2.信託保全が手薄
国内FX業者の場合は、2009年の金商業等府令の改正によって
に一本化されました。
弁護士などの受益者代理人が顧客資産保全のための権限を行使する決まりです。
これが完全な信託保全のスキームなのですが、海外FX業者の場合は、このスキームに対応している業者はほとんどありません。
海外FX業者の資産管理方法
- 7割程度:分別管理のみ
- 2割程度:保険や投資家保護基金による一部信託保全
- 1割程度:信託保全
という状況です。
保険による信託保全は「どのくらいの補償が受けられるのか?」明記されていないケースが多く、投資家保護基金による一部信託保全は、海外FX業者の日本人向けのマイナー国に設立した子会社では利用できないものが多いのです。英国FCAやキプロス証券取引委員会(CySEC)など主要国の金融ライセンスを取得するときには、この投資家保護基金への加入が義務付けられているのですが、そもそも、英国FCAやキプロス証券取引委員会(CySEC)の金融ライセンスで日本人投資家向けのサービス提供ができなくなっているため、投資家保護基金を利用する海外FX業者も激減しているのです。
唯一、完全な信託保全に対応している海外FX業者は、AXIORYです。
デメリット3.税金が割高
国内FXで得た収益というのは「源泉分離課税(他の所得と分けて課税される)」方式で課税されます。
国内FXの税率
- 所得税:15.0%
- 復興特別所得税:0.315%
- 住民税:5.0%
海外FXで得た収益というのは「総合課税(他の所得と合算して課税される)」方式で課税されます。
海外FXの税率
所得税
課税される所得金額 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
1,000円から1,949,000円まで | 5% | 0円 |
1,950,000円から3,299,000円まで | 10% | 97,500円 |
3,300,000円から6,949,000円まで | 20% | 427,500円 |
6,950,000円から8,999,000円まで | 23% | 636,000円 |
9,000,000円から17,999,000円まで | 33% | 1,536,000円 |
18,000,000円から39,999,000円まで | 40% | 2,796,000円 |
40,000,000円以上 | 45% | 4,796,000円 |
復興特別所得税
所得税額の2.1%
住民税
- 市町村民税:6.0%+3,000円
- 道府県民税:4.0%+1,000円
合計:10.0% + 4,000円
つまり、復興所得税を除いた税金は
海外FXで得た収益にかかる税金 = 収益 ×(15.0%~55.0%)+ 4,000円
という違いがあるのです。
しかも、国内FXには
- 3年の損失繰越(損失は、翌年から3年間の繰越控除が可能)
- 損益通算(店頭FX、取引所FX、くりっく株365、CFD、株価指数先物、商品先物、バイナリーオプション、カバーワラントなどの投資と損益通算できる)
というメリットがあるため、稼いだ収益が同じであれば、国内FXトレードの方が手元に残るお金は大きくなる可能性が高いのです。これも海外FXトレードの大きなデメリットと言えます。
デメリット4.出金時に手数料が発生する
国内FX業者の場合は
出金手数料
無料
出金スピード
- 平日15時までの出金予約は翌金融機関営業日に出金
- 平日15時以降および土日祝日の出金予約は翌々金融機関営業日に出金
という出金スピードが一般的です。
海外FX業者の場合は、出金方法が複数用意されていますが
- 海外送金による出金
- 国際決済サービスによる出金
が主な出金方法であり
海外送金による出金
出金手数料
1回3,000円前後
出金スピード
最短5営業日
国際決済サービスによる出金(bitwalletの場合)
出金手数料
1回824円前後
出金スピード
数日
という設定になっており
AXIORYなどの一部の海外FX業者の場合、国内送金による出金に対応しており、手数料が無料で翌営業日に着金できます。国内送金による出金であれば、国内FX業者と大きな違いはありません。
デメリット5.完全に日本語対応していない
国内FX業者の場合は、ほぼ日本人がサポート対応してくれて、日本語でウェブサイトも構築され、日本語だけで完全にトレードが可能になります。
海外FX業者の場合も、日本向けにサービス提供している海外FX業者であれば
- 日本語サポート
- 日本語のウェブサイト
- 日本語が利用できるトレードプラットフォーム
に対応しているのが一般的ですが、完全というわけではなく
- サポートが日本語が話せる外国人
- 日本語サポートがあるが時間帯によっては日本人スタッフが不在で対応が外国人になる
- 日本人スタッフが退職して辞めてしまう
- ウェブサイトが英語
- ウェブサイトの日本語翻訳が微妙で、意味が分かりにくい
- 利用規約、ボーナス利用規約が英語のみ
- マーケットレポートが英語のみ
- ウェビナーが英語
- 入金出金画面が英語
- 取引ツールが英語
- ボーナスの説明が英語
- トレードコンテストの説明が英語
というケースが少なくありません。
日本語対応が完ぺきなのは、日本人投資家の多いXMTradingやGEMFOREXです。
デメリット6.口座凍結というリスク
国内FX業者の場合は、ほとんど「口座凍結」ということは起こりません。
海外FX業者の場合は
- 口座が一定期間利用されていなかった。
- 海外FX業者が禁止しているトレード(アービトラージ、一部のシステムトレード)をしてしまった。
というケースで「口座が凍結されてしまう」ことが少なくありません。
デメリット7.約定スピードが遅い
国内FX業者の場合は
基本的に「呑み取引」を採用しているため、取引相手がいない分、約定スピードが速い、約定力が高いのは当然なのです。
のやり取りだけで済みます。
マネーパートナーズ
- 発生件数200件の調査で、スリッページ発生0件:約定率100%
LION FX
- 約定率:99.9%
- 約定スピード:0.001秒
という形になっています。
海外FX業者の場合は
投資家の注文は、リクイディティプロバイダーへの注文が発生するため、
と、
- 注文の情報が伝達する回数が多い
- 日本とロンドン/ニューヨークという地理的な距離がある(地理的な遅延は、200~300ミリ秒)
ことから、どうしても約定スピードが遅くなってしまうのです。
約定スピードが遅くなればなるほど、約定率も下がってしまい、スリッページが発生してしまいます。
これを解消する手段としては
があります。地理的遅延(レイテンシー)をなくせば、国内FX業者と同レベルの約定スピードになります。
デメリット8.海外FXは、トレードプラットフォームが高度
海外FX業者は、ほとんどの業者が
MT4・MT5(メタトレーダー)
を採用しています。
MT4・MT5(メタトレーダー)は、高度な分析ができる、自由にトレード方法・分析方法をカスタマイズできる世界で最も普及しているトレードプラットフォームですが、FX初心者が利用するのには、慣れるまでややハードルがあります。
国内FX業者は「呑み取引」を採用しているため、負けやすいFX初心者をターゲットにしているため、初心者にやさしいプラットフォームや自動売買システムを用意しています。
日本人投資家に人気の「未来予想チャート」「トラリピのようなリピート系の自動売買ツール」は、用意されていません。
まとめ
海外FXトレード、海外FX業者のデメリットには
- デメリット1.スプレッドが広い
- デメリット2.信託保全が手薄
- デメリット3.税金が割高
- デメリット4.出金時に手数料が発生する
- デメリット5.完全に日本語対応していない
- デメリット6.口座凍結というリスク
- デメリット7.約定スピードが遅い
- デメリット8.海外FXは、トレードプラットフォームが高度
というものがあります。
海外FXトレードの最大のデメリットは、やはり「スプレッドの広さ」です。ハイレバレッジトレードができる分、一回のトレードで得られる稼ぎは増やすことが可能ですが、スプレッドが広がるため、1回のトレードで十分なpips数を稼ぐ必要が出てくるのです。
また、税金も高くなるため、稼いだお金は大きくなっても、取られる税金も増えてしまうデメリットがあります。
「スプレッドの広さ」「税金の高さ」以外のデメリットには、回避策もあるため、それほど重要性は高くありません。
「海外FX業者を使うデメリットには何がありますか?」
「海外FXのリスクを教えてください。」