海外FX業者を比較する場合に「どのポイントを重視して比較したら良いのかわからない。」という相談を受けることが少なくありません。今回は、「海外FX比較で絶対に失敗しない優良業者のチェックポイント」について解説します。
海外FX比較で絶対に失敗しない優良業者のチェックポイント
チェックポイントその1.金融ライセンスチェック
まず、一番重要視したいのは「金融ライセンス」です。
金融ライセンスとは
金融ライセンスは取得するためには
例:ニュージーランド金融市場庁(FMA)の登録基準
- 100万ドル以上もしくは平均収益の10%以上の正味固定資産
- コンプライアンス、規制、リスク管理を担当するマネージメントチーム
- 新規顧客に対する適切な基準
- リスクやディーリングポリシーに関する情報
- ヘッジ内部リスクの基準と顧客の証拠金レベルの取扱い
- 顧客資金の分別ルールと顧客口座情報の適切な記録保持
というような厳しい基準をクリアしなければ取得できず、かつ定期的に金融監督庁による「監査(チェック)」が入るため、その体制を維持しないと金融ライセンスが保持できないのです。
また、海外FX業者の場合、日本の金融庁には登録していません。
※登録することもできますが、登録すると外資系国内FX業者のように国内FX業者と同じレバレッジでのサービス提供しかできなくなってしまうためです。
しかし、日本の金融庁に登録していなくても、海外FX業者の本社がある国で金融ライセンスを保持していれば、安全性は高いのです。
グループ会社が金融ライセンスを持っていればある程度の信頼性は担保できる
近年、金融庁の圧力によって、日本人顧客向けのサービスを展開している海外FX業者の金融ライセンスの維持が難しくなっています。そこで海外FX業者は本体は金融ライセンスを持ちつつ、日本人顧客向けのサービスは別の国で設立した子会社名義でサービス提供するケースが増えています。
XM(エックスエム)の場合
- 日本人以外へのサービス提供:キプロスライセンス(TPS Management Limited)
- 日本人顧客へのサービス提供:セーシェルライセンス(Trading Point (Seychelles) Limited)
という使い分けです。
XM(エックスエム)の場合は
どちらも金融ライセンスを保有していますが
他の海外FX業者の場合は
- 日本人以外へのサービス提供:金融ライセンスあり
- 日本人顧客へのサービス提供:金融ライセンスなし
というケースも少なくありません。この場合は、厳密に言えば日本人顧客向けのサービスとしては金融ライセンスを保有していないので、信頼性は下がってしまうのですが、サービス自体は親会社のスキームで行っていて、金融監督庁の監査も親会社には入っているので、ある程度は信用できる(日本人顧客向けのサービスを迂回するためだけの子会社)と考えて良いのです。
まずは
- 金融ライセンスを保有しているかどうか?
- 親会社・グループ会社が金融ライセンスを保有しているかどうか?
をチェックする必要があります。
また、信頼性の高い海外FX業者ほど
- 金融ライセンスの番号を表記している
- 金融ライセンスの許可証の画像を公式サイト上にアップしている
- 金融ライセンスがあることを確認できるように金融監督庁のライセンス検索へのリンクを載せている
ことが多いです。
XM(エックスエム)
AXIORY
上記のような海外FX業者は信頼性が高いと考えられます。
チェックポイントその2.約定力・約定スピード
次にポイントになるのは「約定力・約定スピード」です。
投資家にとって一番困るのは・・・
- 注文した価格で約定しない。
- スリッページが発生する
です。
注文した価格で約定しないと、投資家のトレード戦略自体が破綻してしまいます。
また、スリッページによってズレたコストは投資家が負担することになります。
海外FX業者全体で言えば、国内FX業者よりも
- 約定拒否なし(リクオートなし)
- 高い約定力
という特徴がありますが、その中でも優劣があるのです。
実は、これが一番困ったところです。
AXIORY
AXIORYの場合は
- 約定率
- 一部約定率
- 約定拒否率
- スリッページの発生率(平均)
- 約定時間(平均/最小/最大)
を毎月公開しているため、十分に「約定力の高い海外FX業者」ということができます。
約定力に自信がなければ情報を公開しないからです。
しかし、AXIORYのように徹底して情報公開している海外FX業者は多くありません。
その場合は、当サイトで、同環境で主要海外FX業者のリアル口座で定点観測している「約定スピード」を比較してみてください。
同じ環境での比較データなので、公正に約定力を比較することができます。
海外FX業者が提供しているVPSサーバーを利用すれば約定スピードは速くなる
海外FXで約定スピードが遅いと感じる理由の大きな要因は
「地理的レイテンシー」
です。
いくら、インターネットは情報が高速で伝わるとはいえ、日本のPCで発注して、ロンドンの取引サーバーで約定するとしたら、世界半周分の速さの遅延が発生してしまうのです。
これを「地理的レイテンシー」と呼びます。
「地理的レイテンシー」を無くすためにはMT4を動かすサーバーを取引サーバーと同じ場所にあるVPSサーバーにしてしまえば良いのです。
つまり、海外FX業者が提供しているVPSサーバーを利用すれば、「地理的レイテンシー」はほぼゼロになるため、約定スピードが上がります。海外FX業者の中には、一定額以上の取引をする方には無料でVPSサーバーの提供をしている海外FX業者もあるので利用すると良いでしょう。
XM(エックスエム)の無料VPSサーバー
ECN口座であれば、スリッページという概念がない
ECN口座は、日本の株式投資と同じように「電子取引所取引」を採用しています。売り手がいて、買い手がいて、それをオンライン上で結びつけて、価格が折り合ったところで約定します。ECN口座の場合は、そもそもスリッページという概念がないのです。大量な注文をするトレードスタイルの方、大口取引をする方は、ECN口座も検討してみましょう。
チェックポイントその3.スプレッドの狭さ
これはどの投資家でも気になる点だとは思いますが
- スキャルピング
- デイトレード
- スイングトレード
など、ある程度の取引回数が発生するトレードスタイルの方の場合は、「スプレッドの狭さ」が0.1pips違うだけで、1か月、1年間になると収益に大きな違いが発生してしまいます。
ここで重要なのは
「スプレッドを比較するときに最小スプレッドやリアルタイムスプレッドを見ても意味がない。」
ということです。
海外FX業者のスプレッドは、ほとんどが「変動スプレッド」を採用しているため、日本国内のFX業者の採用している「原則固定スプレッド」とは違い、リアルタイムでスプレッドが変動するのです。
変動スプレッドの最小値で比較しても
チャックしているタイミングのリアルタイムのスプレッドで比較しても
本当に「スプレッドの狭い」海外FX業者は見つからないのです。
そこでチェックしなければならないのは
平均スプレッド/固定スプレッドで比較する
という点です。
平均値であれば、その海外FX業者の「スプレッドの狭さ」が把握しやすいのです。
稀に平均スプレッドを公開していない海外FX業者もありますが
平均スプレッドを公開していない(最小スプレッドやリアルタイムスプレッドのみ)という海外FX業者は
「そもそもスプレッドに自信がない海外FX業者」
として、候補から排除してしまって構いません。
ECN口座のスプレッドとSTP口座のスプレッドを比較する場合には
ECN口座の手数料をスプレッド換算して、比較する必要があります。
ECN口座の手数料が片道表記の場合は、2倍して往復にしてからスプレッド換算しなければなりません。
例:
ECN口座 平均スプレッド:0.2pips(手数料片道:3ドル)
→ 「往復1ドル = 0.1pips」ですから
(スプレッド換算)0.3pips × 2(往復) + 0.2pips(元々のスプレッド) = 0.8pips
0.8pipsが、ECN口座のスプレッド換算したトレードコストということになります。
さらに公平に比較するためには、当サイトのスプレッド比較をおすすめします。
というのも、いくら平均スプレッドを公開していても、それはその海外FX業者の自社公表データであって、最高の環境でトレードした結果のスプレッドを載せていることが多く、実際に日本の投資家がトレードしてみると「思った以上にスプレッドが広いな?」と思うことも少なくありません。
当サイトでは、同環境で、主要海外FX業者のリアル口座で定点観測している「スプレッド」になります。
同じ環境での比較データなので、公正にスプレッドを比較することができます。
チェックポイントその4.日本人スタッフの有無
海外FX業者を比較する際に外せないのは
「日本人スタッフの有無」
「平日24時間チャットサポート」
です。
英語がペラペラの方であれば、気にする必要はありませんが、サポートに日本人がいないと
万が一、出金トラブルがあっても、相談できない。
ことになってしまいます。
日本語ができる外国人とやり取りをすることもできますが、日本人のホスピタリティがないので、ストレスを抱えてしまいます。
- 日本人のスタッフがいること
- 24時間相談できること
の2点が、安心してトレードできる海外FX業者の重要なポイントになるのです。
チェックポイントその5.信託保全の有無
日本の国内FX業者の場合
金融庁によって「信託保全は義務化」されています。
海外FX業者の場合
金融庁に登録していないので「信託保全は義務化」されていません。
海外FX業者の保有する金融ライセンスによっては、その国の金融監督庁が「信託保全を義務化」しているところもあります。海外の場合は、倒産した場合に返金される「顧客保護基金への加入」を義務付ける金融監督庁が多いようです。
- FCA → 最大5万ユーロまで補償
- CySEC → 最大2万ユーロまで補償
ただし、上記以外の金融ライセンスの場合
海外FX業者は
「信託保全を採用するか?」
「分別管理だけにするか?」
サービスの一環として、導入するかどうかを決めているのです。
大切な資金を預けるのですから、取引額が高額になればなるほど
「信託保全の重要性」が増してきます。
海外FX業者の信託保全比較はこちら
実はそれほど重要でない海外FX業者の比較ポイント
レバレッジで比較する?
海外FX業者といえば「ハイレバレッジトレードができること」が売りですが、海外FX業者であれば200倍~500倍程度の最大レバレッジ設定になっている業者がほとんどですので、十分と言えます。普通のトレードスタイルであれば、200倍以上のレバレッジの必要性はあまりないのです。
レバレッジで海外FX業者を比較する必要はないということです。
ボーナスで比較する?
ボーナスが大好きな投資家もいますが、「ボーナスの原資も顧客が支払ったスプレッドや手数料」です。ボーナスが手厚い海外FX業者ほど、スプレッドが広くなる傾向にあります。長い目で見ると「ボーナスがあること」はメリットにならないのです。
ボーナスで海外FX業者を比較する必要はないということです。
出金方法で比較する?
確かに出金方法の種類が豊富だと、国際決済サービスなどの使い方を工夫すれば、出金手数料を抑えることが可能になります。しかし、日本の銀行への出金手数料は、1回3,000円~5,000円程度ですので、まとまった金額を出金するのであれば、それほど大きなコスト負担ではありません。ほとんどの海外FX業者は、海外送金による出金が可能になっています。
出金方法で海外FX業者を比較する必要はないということです。
トレードプラットフォームで比較する?
ECN口座やFX自動売買を検討している方は別ですが、それ以外の方の場合は「MT4/MT5(メタトレーダー)」を利用する形で問題ありません。「MT4/MT5(メタトレーダー)」は、世界一普及しているトレードプラットフォームですから、使い勝手も良く、日本語対応も完ぺきで、日本語の情報サイトも多いのです。海外FX業者のほとんどの業者は「MT4/MT5(メタトレーダー)」を採用しています。
トレードプラットフォームで海外FX業者を比較する必要はないということです。
まとめ
海外FX比較で絶対に失敗しない業者選び。たった5つのチェック項目
- チェックポイントその1.金融ライセンスチェック
- チェックポイントその2.約定力・約定スピード
- チェックポイントその3.スプレッドの狭さ
- チェックポイントその4.日本人スタッフの有無
- チェックポイントその5.信託保全の有無
です。
実はそれほど重要でない海外FX業者の比較ポイント
- レバレッジ
- ボーナス
- 出金方法
- トレードプラットフォーム
です。
「海外FX業者を比較するときは、何を基準に選べば良いの?」
・・・