海外FXに興味があるけど、はじめようか迷っている投資家の方も少なくありません。今回は「海外FX初心者が聞きたい10の質問」に海外FX歴10年超の編集者がお答えします。
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Q.海外FXって安全でしょうか?
A.
「安全性の高い海外FX業者」と「安全性の低い海外FX業者」があります。
これは国内FX業者にも言えることですが、日本の大手企業であっても、倒産することはあります。日本国内でも、詐欺業者も多くあるのです。
というと
だと思います。
「資産保全」の意味で言えば
- 日本国内のFX業者 → 信託保全が義務付けられている
- 海外FX業者 → 信託保全や分別管理は登録している金融監督庁(国)による
ことになり、安全性は劣ってしまいます。
一方で「追証(おいしょう)」の意味で言えば
- 日本国内のFX業者:追証あり → 相場の急変動で口座残高がマイナスになったら投資家の借金になる
- 海外FX業者:追証なし、ゼロカットシステムあり → 相場の急変動で口座残高がマイナスになっても、FX業者負担で0円にリセットされる
ことになるため、「追証(おいしょう)」のありなしで言えば、海外FX業者の方が有利になるのです。
その他、万が一のときの「クレーム・訴訟」の面で見れば
- 日本国内のFX業者 → 財務省や消費生活センターなどへのクレームや裁判での訴訟も可能
- 海外FX業者 → 海外企業に対してのクレームや訴訟はハードルが高い
と、海外FX業者はトラブルがあった時に、それを解決するためのハードルが高いことは事実であり、これは「安全性が低い」と言えます。
安全性を重視して海外FX業者を選ぶポイントとしては
- 日本人スタッフがいる
- 金融ライセンスを持っている(できれば監査の厳しい国)
- 日本人顧客向けのサービス運営歴が長い(できれば3年以上)
- 信託保全を採用している
- 世界展開している(世界10か国以上にオフィスがある)
という点を重視すると良いでしょう。
Q.海外FXって違法じゃないの?
A.
投資家が海外FXでFXトレードをすること自体に違法性はありません。
違法性がでてくるのは、「金融商品取引業者」の登録をしていない海外FX業者が、日本在住の日本人に向けて「営業活動」を行うことです。
海外FX業者の中にも、「金融商品取引業者」の登録をする業者もありますが、登録してしまえば、国内FX業者と同じ規制(レバレッジ規制等)が適用されてしまうため、海外FX業者の優位性はなくなってしまうのです。
「金融商品取引業者」の登録をしていない海外FX業者のCMを見たことがある方はいないはずです。日本在住の日本人に向けて「営業活動」ができないのです。
投資家側は、自己責任ですので
イギリスのFX業者でトレードをしても
オーストラリアのFX業者でトレードをしても
ニュージーランドのFX業者でトレードをしても
法的な問題はないのです。
海外旅行に行って、現地のレストランで食あたりを起こしても自己責任で、日本の法律上の違法性はないことと同じです。
ただし、金融当局(財務省)は、海外の金融監督庁に圧力をかけて、日本人顧客へのサービス提供を辞めるように働きかけているため、日本人顧客へのサービス提供をしない、していたけどやめる海外FX業者もあるので注意が必要です。
Q.海外FXってスプレッドが広いって聞いたけど、本当?
A.
本当です。
米ドル/円で見れば
日本の国内FX業者の場合
- 一番狭い国内FX業者:0.3pips(原則固定)
- 平均的な国内FX業者:0.5pips(原則固定)
ですが
海外FX業者の場合
- 一番狭い海外FX業者:最小スプレッド0.8pips~1.0pips(変動)
- 平均的な海外FX業者:最小スプレッド1.0pips~1.2pips(変動)
となっています。
これには、明確な理由があります。
- 国内FX業者 → 「呑み」取引を採用。 (店頭取引、相対取引)
- 海外FX業者 → 「呑み」取引ではない。(NDD取引、電子取引所取引)
国内FX業者は、顧客からの注文を「呑む」ため、ほとんど実際に通貨の売買を行いません。スプレッドの狭い国内FX業者は、カバー取引もほとんどしないのです。
国内FX業者は、実際に売買しない分、コストが発生しないのでスプレッドを狭く設定できます。
海外FX業者は、顧客からの注文をそのままインターバンク市場で取引します。一回一回取引するので取引コストが増え、スプレッドは広げざるを得ないのです。
Q.海外FXで出金拒否ってあるの?
A.
金融ライセンスを保有してサービス提供している海外FX業者の場合は、出金拒否されることはほぼないと考えて良いでしょう。
金融ライセンスを持っているということは、その国の金融監督庁(日本で言えば財務省、金融庁)の監査を受けて、営業許可をもらっていることになるので、「顧客への出金拒否」があれば営業停止処分になってしまうからです。
どの国の金融ライセンスも持っていない海外FX業者の場合は、監査・監督してくれる機関がありませんから、その業者が資金不足の状況に陥れば「出金拒否される」という可能性も出てきてしまいます。
ちなみに筆者は10社ほどの海外FX業者の口座を開設してしますが、出金拒否の経験はありません。日本人顧客向けのサービスを停止した「PepperStone」などの海外FX業者も、サービス停止時に問題なく返金してくれています。
Q.海外FXで口座凍結ってあるの?
A.
あります。
これは日本と欧米の文化の違いです。
日本の場合、銀行口座を開設して、10年ほったらかしにしておいても、口座凍結ということは起こりません。
しかし、実際には、口座があるということは
- 顧客管理のコスト
- 郵送物のコスト
- システム維持コスト
・・・
などを銀行は負担していることになります。
欧米の場合、銀行口座であっても、アクティブでない口座は休眠口座として一時凍結するのが当たり前になっているのです。
「使っていないんであれば、コストがかかるからサービス停止するよ。」
というのが、合理的な欧米の考え方なのです。これは海外FX業者だけではなく、海外の銀行も同じような仕組みになっています。
「何を持ってアクティブな口座とするのか?」は、海外の業者によって違いますが
例えば、XM(エックスエム)の場合
残高がゼロのリアル口座は凍結されますか?
残高がゼロの口座は90日間お取引行為が一切ございませんと凍結されます。
となっています。
しかし、心配する必要がないのは
凍結されても、すぐに再開できる
のです。
海外FX業者の日本人サポート担当者に
「口座番号○○の口座が使っていなかったので凍結されているかと思いますが、利用を再開したいので凍結を解除していただきたいのですが?」
と問い合わせれば
「わかりました。」
と、問題なく利用を再開することができます。
Q.海外FXを利用するときに英語が全くできなくても、問題ありませんでしょうか?
A.
日本人スタッフがいて、日本語対応している海外FX業者であれば
まったく英語ができなくても問題ありません。
日本人顧客向けにサービス展開している海外FX業者であれば、ウェブサイトも日本語化されていて、質問も、日本人スタッフにチャット問い合わせやメール問い合わせ、電話問い合わせができるので、日本のFX業者と大差なく利用することができます。
トレードプラットフォームも「MT4」「MT5」がメインであり、どちらも日本語対応しているので不便さは感じません。
- ウェブサイトの規約
- 入金フォーム
など、一部英語が残っているケースもありますが、単語レベルのものであれば、google翻訳を使えば十分に対応可能です。
ちなみに私も英語で話すのは苦手です。たまに海外FX業者の日本人スタッフに電話をしたつもりが、不在の時間帯に外国人の方が出て、焦ってしまうこともありますが、困るのは、その時ぐらいです。
Q.海外FXの口座開設にパスポートは必要なの?
A.
必要ありません。
日本人向けのサービス展開をしている海外FX業者の場合
- パスポート
- 運転免許証
- マイナンバーカード
- 健康保険証
・・・
などに対応しています。
ただし、本人確認書類と同時に住所証明書も必要になります。
パスポートを持っていた方が選択肢は広がる
一部パスポートしか本人確認書類として利用できない海外FX業者もあります。
また、海外FXの資金管理に国際決済サービスなどを利用する場合は、パスポートが必須になることもあります。
海外FXの経験値が増えたら、パスポートを取得して、選択肢を増やすことも検討しましょう。
Q.海外FXなら、税金は払わないでいいの?
A.
日本在住の方の場合、日本に納税をする義務があります。
勘違いしている方も多いようですが、海外FX業者で儲けが出た場合も、日本に住んでいる以上は、日本に納税しなければなりません。
納税義務のある居住者とは、日本国内に住所があるか又は現在まで引き続いて1年以上居所がある個人です。
海外に移住した方で海外に住んでいる方の場合、海外FXで利益を出したら、その国に納税すれば良いのです。
また、覚えておいてほしいのは、海外FXと国内FXの課税方法の違いです。
- 国内FX → 申告分離課税(税率:20%)・3年間の繰越控除・他の金融商品との損益通算
- 海外FX → 総合課税(税率:10%~55%)・雑所得同士の損益通算
となっていて、一定額以上の利益を出せる投資家の場合、税金面では国内FXの方が有利と言わざるをえません。
Q.海外FXが倒産したらどうなるの?
A.
- 海外FX業者が信託保全のスキームを用意していれば、弁護士・信託管理会社が投資家の資金の返金までを責任もって対応してくれます。
- 海外FX業者が投資家資金の保険や投資家資金保護の基金に加盟していた場合は、預託していた資金と保全額に基づいて、一部の資金が返還されます。
- 海外FX業者が分別管理のみで信託保全を採用していない場合には、返金されない可能性があります。
海外FXでリスクを感じるところは
- この海外FX業者は大企業なのか?
- この海外FX業者は中小零細企業か?
日本人にはよくわからないということにあります。
日本の企業であれば
「楽天FXなら、楽天グループなら上場企業だし、安心だね。」
と、日ごろからニュースやCMで情報を見る機会が多いので、大手企業だと名前だけでわかるのですが、海外FX業者の場合は、名前を聞いても判断できません。
英語ができる方なら、調べることができますが、英語ができない方は海外FX業者が自ら発信しているウェブサイトの情報を信じるしかないのです。
だからこそ、海外FX業者を選ぶときには
- 金融ライセンスを持っている(できれば監査の厳しい国)
- 日本人顧客向けのサービス運営歴が長い(できれば3年以上)
- 信託保全を採用している
- 世界展開している(世界10か国以上にオフィスがある)
というポイントが重要になるのです。
Q.おすすめの海外FX業者はどこでしょうか?
A.
投資家のスキルレベルや海外FXの経験値によっておすすめする海外FX業者は変わってきます。
初心者の方は
- 抜群に日本語対応ができていて
- 日本人向けのサービス運営歴が長い
XM(エックスエム)
約定力 | 99.35%を1秒以内に約定 執行率100% リクオート・注文拒否なし |
信託保全 分別管理 | 2万EURまで信託保全(キプロス口座) 保険にて上限あり一部信託保全(セーシェル口座) |
ロスカットレベル証拠金維持率 | 20%以下 |
取引システム | MT4 MT4ウェブトレーダー MT5 MT5ウェブトレーダー |
通貨ペア数 | 57通貨ペア |
口座通貨 | USD,EUR,JPY |
口座の種類 | マイクロ口座/STP | スタンダード口座/STP | ゼロ口座/ECN | KIWAMI極口座/STP |
取引手数料 (片道) | 無料 | 無料 | 5ドル | 無料 |
最小スプレッド 米ドル/円 | 1.50 | 1.50 | 0.00 | 0.60 |
平均スプレッド 米ドル/円 | 1.60 | 1.60 | 0.10 | 0.70 |
最大レバレッジ | 1000倍(~2万ドル) 200倍(2万ドル~) 100倍(10万ドル~) | 1000倍(~2万ドル) 200倍(2万ドル~) 100倍(10万ドル~) | 500倍(~2万ドル) 200倍(2万ドル~) 100倍(10万ドル~) | 1000倍(~2万ドル) 200倍(2万ドル~) 100倍(10万ドル~) |
最低取引通貨 | 10通貨 | 1,000通貨 | 1,000通貨 | 1,000通貨 |
最低入金額 | 500円相当 | 500円相当 | 500円相当 | 500円相当 |
ではじめるのがベターでしょう。
XM(エックスエム)自体は、サービスレベルは高いものの、スプレッドはやや広めに設定されていたり、ECN口座がないなどのデメリットがあります。
XM(エックスエム)で海外FXに慣れてきたら
徐々にトレードスタイルに合わせて
- よりスプレッドが狭い海外FX業者を検討する
- ECN口座や使いたいトレードプラットフォームがある海外FX業者を検討する
形で選択肢を広げていけば良いのです。
まとめ
海外FX初心者が聞きたい10の質問
- 海外FXって安全でしょうか?
- 海外FXって違法じゃないの?
- 海外FXってスプレッドが広いって聞いたけど、本当?
- 海外FXで出金拒否ってあるの?
- 海外FXで口座凍結ってあるの?
- 海外FXを利用するときに英語が全くできなくても、問題ありませんでしょうか?
- 海外FXの口座開設にパスポートは必要なの?
- 海外FXなら、税金は払わないでいいの?
- 海外FXが倒産したらどうなるの?
- おすすめの海外FX業者はどこでしょうか?
に個別に回答してみましたが
海外FX業者は、国内FX業者よりリスクがあるのは間違えありませんが、その分、ハイレバレッジトレードができる、追証がないなどのメリットもあるのです。
きちんとした選択基準で海外FX業者を選べば、それほど危険性の高いものではありませんので、メリットデメリットを考慮しながら、まずは少額の資金で海外FXを試してみることをおすすめします。
「海外FXに興味があるんだけど、ちょっと怖い。」