海外FXをするときにあまり気にすることのないA-book (Aブック)とB-book (Bブック)という言葉ですが、最近は「B-book (Bブック)が危険」という間違った認識が広まっているため、海外FX業者はA-book (Aブック)とB-book (Bブック)のどちらの業者を使うべきか?解説します。
海外FX業者のA-book (Aブック)とB-book (Bブック)とは?
A-book (Aブック)とは?
を言います。
- 投資家が注文を出したら、海外FX業者(A-book)は、インターバンク市場に注文を流すだけ
- 投資家に注文を提示するときマークアップ(上乗せ)した手数料が収入
というビジネスモデルです。
海外FX業者がA-book (Aブック)を採用するメリット
- 投資家が勝っても、負けても、海外FX業者の収入には影響がない(リスクがない)
- 投資家と利益相反がない
- 大口の投資家が集まりやすい
海外FX業者がA-book (Aブック)を採用するデメリット
- スプレッドや手数料などのトレードコストを高く設定せざるを得ない
- レバレッジを海外FX業者の中では低めに設定せざるを得ない(高くても最大200倍)
- 初心者、中級者レベルの投資家が集まりにくい
投資家がA-book (Aブック)の海外FX業者を利用するメリット
- 透明性が高い
- 悪質な操作をされる余地がない
投資家がA-book (Aブック)の海外FX業者を利用するデメリット
- スプレッドが広い
- 最大レバレッジが低い(高くても最大200倍)
- ボーナスがない
- スリッページが発生する可能性がある(呑んでいれば発生しない)
- 約定拒否がある
B-book (Bブック)とは?
を言います。
投資家の注文は海外FX業者が呑む
- 投資家が負ければ → 海外FX業者の利益
- 投資家が勝てば → 海外FX業者の損失
というビジネスモデルです。
顧客とFX業者の利益相反を生む取引方法なのです。
海外FX業者がB-book (Bブック)を採用するメリット
- 実際にインターバンクに流さずに呑むだけなので利益が大きくなる
- 実際にインターバンクに流さずに呑むだけなのでスプレッドを狭く設定できる
- 投資家の8割は負けるため、利益が大きくなる
- ボーナスなどを提供しやすい
- 高いレバレッジを提供しやすい
海外FX業者がB-book (Bブック)を採用するデメリット
- 優秀な投資家が多くなると、海外FX業者の損失が拡大する
投資家がB-book (Bブック)の海外FX業者を利用するメリット
- スプレッドが狭い
- スリッページが発生しない
- ボーナスがある
- 最大レバレッジが高い
投資家がB-book (Bブック)の海外FX業者を利用するデメリット
- 勝てば勝つほど、海外FX業者には歓迎されない
- 投資家と海外FX業者が利益相反の関係にある
- 経営破綻リスクも大きい
海外FX業者はA-book (Aブック)とB-book (Bブック)のどちらの業者を使うべきか?
A-book (Aブック)にも、B-book (Bブック)にも、メリットデメリットがある
前述した通りで
A-book (Aブック)は、海外FX業者が注文をそのまま流すからこそ・・・
- マーケットに注文を受けてくれる相手がいなければ「約定拒否」
- マーケットに注文を受けてくれる相手がいなければ「スリッページ」
が発生してしまいます。
その代わりに
- 注文をそのまま流すから、レート操作などの余地はなく、透明性の高いトレードが実現できる
のです。
また、海外FX業者の利益は、マークアップした手数料分のみですので・・・
- スプレッド・取引手数料などのトレードコストは広くせざるを得ない
- レバレッジも低く設定せざるを得ない
のです。
トレードコストが高くても、約定拒否やスリッページがあっても、利益を出せる自信がある海外FX上級者には、A-book (Aブック)を採用している海外FX業者がおすすめということになります。
トレードコストが高くても、利益を出せるのであれば、レート操作などが起こる余地がなく、倒産リスクも低い、A-book (Aブック)を採用している海外FX業者の方が安心してトレードできるからです。
一方で、
B-book (Bブック)は、海外FX業者が注文を呑むからこそ・・・
- 注文を呑むだけなので、スプレッドを低く設定できる
- 注文を呑むだけなので、ボーナスなどで還元できる
- 注文を呑むだけなので、レバレッジを高く設定できる
- 注文を呑むだけなので、約定力が高い
・・・・
と、使い勝手の良いFXトレードのサービスが提供されます。
海外FXの初心者、中級者レベル、小口投資家であれば、単純にトレードコストの安いB-book (Bブック)を採用している海外FX業者がおすすめということになります。
稼ぎやすいのはB-book (Bブック)を採用している海外FX業者なのです。
反面、「呑む」ということは、勝つ投資家は困った厄介者という扱いになります。また、リスクを取るので海外FX業者自身が倒産しやすいということもあり、安心感は低いのです。
海外FX業者のA-book (Aブック)とB-book (Bブック)はどうやって見分ければ良いのか?
どの海外FX業者もA-book (Aブック)とB-book (Bブック)を併用している!
純粋に
- A-book (Aブック):100%
- B-book (Bブック):100%
という海外FX業者は、本当に限られた海外FX業者でしかなく、ある程度の規模がある海外FX業者は、ほぼもA-book (Aブック)とB-book (Bブック)を併用しているのが実態です。
A-book (Aブック)とB-book (Bブック)をどのぐらい導入しているかによって、上記のメリットデメリットの強弱が出てきます。
A-book (Aブック):20%
B-book (Bブック):80%
→ スプレッドが狭い
→ ボーナスあり
→ 約定力が高い
A-book (Aブック):80%
B-book (Bブック):20%
→ スプレッドが広い
→ ボーナスなし
→ 約定力が低い
→ 倒産リスクは低い
→ 透明性が高い
当然、無作為にA-book (Aブック)とB-book (Bブック)を切り分けるわけではなく・・・
初回取引の顧客
→ B-book (Bブック)
ボーナス対象口座
→ B-book (Bブック)
狭いスプレッド口座
→ B-book (Bブック)
直近の投資成績が○○%以上
→ A-book (Aブック)
プロ口座・VIP口座
→ A-book (Aブック)
特定のEAを使っている
→ A-book (Aブック)
と、「口座」「ボーナス」「投資成績」「証拠金額」「利用履歴」・・・など様々な情報を分析して、A-book (Aブック)とB-book (Bブック)を切り分けているのです。
は、海外FX業者の一部の人間しかわからないのが一般的です。
現場の担当者レベルには、知らされておらず、専門の部署で「どう切り分けるのか?」のルールを作って運用しているのです。
当然、「運用」ですから、切り分けのルールは常に見直されwます。
のが実情なのです。
そのため、利用しようとしている海外FX業者がA-book (Aブック)であるか?B-book (Bブック)であるか?を見分けること、に大きな意味はないのです。
どっちも併用しているのが一般的なのです。
実際に使いながら、「約定力」「透明性」「スプレッド」などで総合判断していくしかないのです。
海外FX業者のA-book (Aブック)とB-book (Bブック)に関するよくある質問
「B-book (Bブック)の海外FX業者 = 詐欺業者(SCAM)」ではないのですか?
詐欺業者の定義というのは難しいものがありますが・・・
- 正当な理由なく、出金を拒否する
- レート操作をする
- 顧客に対して誠実な対応をしない
というのが「詐欺業者(SCAM)」であれば
「B-book (Bブック)の海外FX業者 = 詐欺業者(SCAM)」とはなりません。
以前はそういう業者もあったのは事実ですが・・・
A-book (Aブック)とB-book (Bブック)を併用する海外FX業者がほとんどの状況ですので・・・
儲ける投資家は、B-book (Bブック)から、A-book (Aブック)にすれば
- 薄利にはなるが、リスクなく、トレード環境を提供し続けられる
ことになります。
儲ける投資家だから、出金拒否したり、レート操作をして、追い出すことは考えにくいのです。
正確に言うとすれば・・・
のです。
日本のFX業者と海外FX業者で、A-book (Aブック)とB-book (Bブック)の違いはあるのでしょうか?
日本の国内FX業者も、海外FX業者も、A-book (Aブック)とB-book (Bブック)を併用している形になります。
そういう意味での、差はなくなってきていると言えるでしょう。
日本の国内FX業者の場合は
基本的に「B-book (Bブック)」です。
優秀な投資家の取引には、カバー取引をしてリスクをヘッジします。
海外FX業者の場合は
基本的に「A-book (Aブック)」と「B-book (Bブック)」を併用しています。
「A-book (Aブック)」と「B-book (Bブック)」の切り分けルールは、海外FX業者ごとに違いがあり、どちらかの色合いが強い、弱いという傾向が出てきます。
ご存知の通りで
- 日本の国内FX業者のスプレッドは、米ドル/円で0.3pips~0.5pips(原則固定スプレッド)
- 海外FX業者のスプレッドは、米ドル/円で0.8pips~1.2pips(平均スプレッド)
ですから、
ということがわかります。
入金ボーナスがある海外FX業者は「B-book (Bブック)」なのでしょうか?
「B-book (Bブック)」を採用している可能性が高いと言っていいでしょう。
100%入金ボーナス
があった場合に
- 証拠金10万円の入金
- 証拠金全額がなくなったら利用できるボーナス証拠金:10万円
- ボーナス証拠金は出金できない
- ボーナス証拠金で稼いだ利益は出金できる
という形になります。
「B-book (Bブック)」であれば
ことになります。
この段階から、10万円分のボーナス証拠金を出しても、海外FX業者としては持ち出しもありませんし、そのボーナス証拠金は出金もできないのですから、ほぼ痛手はないのです。
「ボーナス証拠金」を使える状態になったら、「A-book (Aブック)」としてカバー取引してしまえば「ボーナス証拠金」でどんなに儲けても、海外FX業者の懐は痛みません。
100%入金ボーナスは、海外FX業者にとっては、リスクなく、投資家を集められる有効なプロモーションであると言えます。
傾向としては
- ボーナスが多い海外FX業者 → 「B-book (Bブック)」の色合いが強い
- ボーナスがない海外FX業者 → 「A-book (Aブック)」の色合いが強い
と考えて良いでしょう。
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まとめ
A-book (Aブック)とは?
- 顧客の注文がすべてインターバンク市場(LPなど)に流される取引方法のこと
を言います。
B-book (Bブック)とは?
- 顧客の注文をFX業者が呑む形の取引方法のこと
を言います。
投資家がA-book (Aブック)の海外FX業者を利用するメリット
- 透明性が高い
- 悪質な操作をされる余地がない
投資家がA-book (Aブック)の海外FX業者を利用するデメリット
- スプレッドが広い
- 最大レバレッジが低い(高くても最大200倍)
- ボーナスがない
- スリッページが発生する可能性がある(呑んでいれば発生しない)
- 約定拒否がある
投資家がB-book (Bブック)の海外FX業者を利用するメリット
- スプレッドが狭い
- スリッページが発生しない
- ボーナスがある
- 最大レバレッジが高い
投資家がB-book (Bブック)の海外FX業者を利用するデメリット
- 勝てば勝つほど、海外FX業者には歓迎されない
- 投資家と海外FX業者が利益相反の関係にある
- 経営破綻リスクも大きい
というものがあり、
海外FX業者は「A-book (Aブック)」と「B-book (Bブック)」を一定の運用ルールに基づいて切り分けながら、併用しているのが一般的です。
海外FX業者がどうやって「A-book (Aブック)」と「B-book (Bブック)」を切り分けているのかは外部の投資家からは知ることができません。
そのため、海外FX業者を比較検討するときに「A-book (Aブック)」と「B-book (Bブック)」のどちらを採用しているのか?を調べるのではなく、実際に海外FX業者でトレードしながら、「A-book (Aブック)」の傾向が強いのか?「B-book (Bブック)」の傾向が強いのか?自分で見定めることが重要になります。
初心者、中級者、小口の投資家は、トレードコストが安く、約定力が高い「B-book (Bブック)」の傾向が強い海外FX業者がおすすめで、大口の投資家のみ、安心感や透明性が高い「A-book (Aブック)」の傾向が強い海外FX業者をおすすめします。
「海外FX業者がA-book (Aブック)か?B-book (Bブック)か?はどうやって見分ければ良いのでしょうか?」