海外FXについては「ハイレバレッジ」「追証なし、ゼロカットシステムあり」というメリットがある反面、ネガティブな情報もあふれています。今回は、海外FXの初心者に向けて「海外FX業者の正しい選び方」を解説します。
まずは結論から
ただし、「海外FX業者の正しい選び方・使い方」を理解していれば、その危険性の多くは排除できる。
というのが結論です。
なぜなら
海外FX業者には怪しい業者もあれば、きちんと運営している優良業者もあるからです。
日本のFX業者であっても、金融庁に無登録で「外国為替証拠金取引(FX)」にかかわり、不正に出資金を募った疑いで2009年に摘発された札幌市の投資関連会社「オール・イン」という業者があります。
FX業界以外でも、例えばサプリメントの販売会社であっても、「サントリー」や「やずや」という大手企業がある一方で、名前も知らない薬事法違反で摘発されるサプリメント会社も数多くあります。
消費者金融でも、「アコム」や「プロミス」という大手企業がある一方で、無登録の闇金業者が日々摘発されています。
今回は「初心者が知っておくべき海外FX業者の正しい選び方」について解説します。
海外FX業者を選ぶ前に知っておくべきこと
海外FXと国内FXのメリットデメリットの違い
海外FX業者のメリット
- 最大3000倍のハイレバレッジが可能
- 追証なし、ゼロカットシステムあり(マイナス残高になっても、投資家の支払い責任はない)
- MT4/MT5が利用可能
- 約定力が高い
- トレードの透明性が高い(国内FX業者が採用している相対取引ではない)
海外FX業者のデメリット
- 変動スプレッドが多い
- スプレッドが国内FX業者よりも広めの設定
- 信託保全が義務化されていない(海外FX業者の任意の判断で導入)
ざっくり言えば、このぐらいの違いがあります。
海外FXと国内FXの違いについて、もっと詳しく知りたい方はこちらの記事を参考にしてください。
金融庁と海外FX業者との「イタチゴッコ」
基本的に
日本在住の日本人が「自らの意思」で海外のサービスを利用することに違法性はありません。
- 海外のサプリメントを自分のために買っても、罰則はありません。
- 海外旅行で海外のホテルに泊まっても、罰則はありません。
- 海外企業の有料アプリを購入しても、罰則はありません。
そこは「自己責任」なのです。
しかし、金融庁の立場としては
というのが本音です。
なぜなら、日本でFX業を営むためには金融庁(財務局)の登録が必要になります。
金融庁(財務局)は、登録した業者の
- 資金
- 運営体制
- コンプライアンス
- 顧客対応
・・・
などを監査して、ライセンスの更新を定期的に行い、FX業界を正常化させる役割があるのです。
その中で「レバレッジ規制(2017年時点では個人は最大25倍)」を導入しているのですが、海外FX業者は日本の金融庁(財務局)の登録をしていないのですから、「レバレッジ規制」のルールを守る必要がありません。
日本人の投資家が
「国内FX業者 → 海外FX業者」
へ口座の拠点を移す動きが増えてくれば
国内FX業者から
税金の徴収面からみても
金融庁(財務局)は、投資家保護のために海外FX業者を排除したいのではなく、自分達の都合で、投資家の動きをコントロールしたいがために、海外FX業者を排除したいのです。
ただし、海外FX業者を自己責任で利用する投資家には違法性がないので取り締まることができません。
そこで金融庁(財務局)が取る行動は
海外の金融監督庁(日本での金融庁)に圧力をかけて、日本在住の日本人へのサービス提供をさせないようにしてもらうという方法です。
日本在住の日本人に対して、金融庁(財務局)の登録をせずに営業活動をするのは違法です。
辞めさせてください。」
ということになります。
- 投資家個人 → 自己責任で海外FX業者を利用すること → 違法性なし
- 金融庁に登録していない海外FX業者 → 日本在住の日本人へ営業活動をすること → 違法性あり
なので、金融庁の言い分が通るのです。
「営業活動をする」というのが、どこまでかという問題がありますが、海外FX業者が日本語のウェブサイトを作っているだけでも、「営業活動」と判断する海外の金融監督庁もあるようです。
そのため、海外FX業者も
- 公開されているウェブサイト → 日本語対応せず
- 口座開設後の管理画面 → 日本語対応する
という使い分けをしている業者もあるぐらいです。
海外FX業者の最近の傾向としては
- 海外FX業者の本社が取得している国(英国、オーストラリア、キプロス)の金融ライセンスでは日本人に口座を作らせず
- 子会社を金融庁の圧力が及ばない国(ベリーズ、セーシェル、○○諸島)に設立し、日本人顧客の口座はその会社名義で作る
- サービス運営自体は本社の機能で行う
というところが増えてきています。
海外FX業者の最大手「XM(エックスエム)」も
- キプロスライセンス → TPS Management Limited → 日本人×(以前は日本人も○)
- セーシェルライセンス → Trading Point (Seychelles) Limited → 日本人○
と子会社を別の国で立ち上げることで、金融庁の圧力を回避しているのです。
利用する投資家サイドから見ると、運営自体は本社で行われるので
FXのサービスに違いはない
のですから、大きな問題はありませんが、ネックとしては
- 大手の海外FX業者が金融庁の圧力回避のために比較的規制の緩い国に作った会社
と
- はじめから規制の緩い国に会社を持つ信頼性の低い海外FX業者
の見分けが付きにくくなってしまったということです。
海外FXの初心者が知るべき海外FX業者の正しい選び方
その1.親会社(グループ会社)も含めた金融ライセンスの有無をチェックする
親会社が本社のある国の金融監督庁にライセンスを持っていれば
親会社の
- 運営資金
- 運営体制
- 顧客保護
- コンプライアンス
- 顧客サービス
- クレーム対応
・・・
などは、その国の金融監督庁が監査をしてくれます。
「XM(エックスエム)」であれば
日本人顧客の口座はセーシェルライセンスの口座で作られますが、親会社はキプロスの証券取引委員会(CySEC)の元、管理されているので同等の信頼性はあると考えて問題ないのです。
金融ライセンスについては、ウェブサイトのフッター(下部)に小さな文字で記載されていることが多いので、見落とさないようにチェックしましょう。
また、優良な海外FX業者であれば「金融ライセンス」のページも設けてあります。
- 金融ライセンスの情報が載っていない。
- 金融ライセンスに言及されているがライセンス番号が書かれていない。
- フッターにリスクに関する文言が何も書かれていない。
海外FX業者には注意が必要です。
その2.日本人がサポート担当になっている海外FX業者を選ぶ
日本人向けのサービスを展開している海外FX業者の多くは、現地の日本人をサポート担当として雇用しています。
日本人ですから、日本語でサービスが受けられます。
日本人のサポート担当が重要な理由は
日本語でサポートが受けられるからではなく、日本人は責任感が強いから
です。
仮に、その海外FX業者が倒産しそうだったりすると、その雰囲気を感じ取って、日本人の担当者は辞めていく傾向が強いように感じます。
筆者の過去の経験則でいうと、日本人サポートが辞めて、次の引継ぎ担当者が日本人でない場合は、高い確率で倒産してしまうケースが多いのです。
ある種のアラートとして、利用できます。
また、仮に出金トラブル、返金トラブルになってしまった場合にも、日本語の細かいニュアンスが伝わらないと、なかなか要求を正確に伝えることができません。
日本人がサポート担当になっているかどうかを調べる方法
口座開設前に問い合わせをしてみる
です。
最近は、海外FX業者も「オンラインチャット問い合わせ」を導入している業者が多いです。オンラインチャット問い合わせがない場合には、メール、電話での問い合わせでも構いません。
口座開設前に、ちょっとした疑問でも、聞いてみればすぐに日本人が回答してくれているかどうかがわかります。ストレートに「サポート担当者は日本人でしょうか?」と聞いても問題ありません。
- 日本語がつたない
- 回答者の名前が日本人ではない
という場合には、信頼性はやや低いと考えるべきです。そのこと自体が海外FX業者の直接のマイナス点ではないものの、いざという時の意思疎通がしにくいリスクがあると考えましょう。
その3.日本人へのサービス提供歴が長い海外FX業者を選ぶ
結局、信頼性というのは「歴史」が証明してくれます。
怪しい業者というのは、継続利用する顧客がいなくなってしまい、悪評が立つので、1年と持たないのです。
本人へのサービス提供歴が長い海外FX業者を調べる方法
当サイトの海外FX比較表で設立年をチェックしましょう。「金融ライセンス・日本語サポート比較」のタブをクリックすれば表示されます。
その4.海外FX業者を利用している投資家数をチェックする
利用している投資家が多ければ多いほど、海外FX業者の信頼性は高いと考えて良いでしょう。
証左でもあるのです。
例えば
FBSの場合
- 展開している国:120カ国
- 投資家数:500万トレーダー
- パートナー数:13万パートナー
- クライアント年間利益:5億ドル(500億円)
という情報を公開しています。
該当の海外FX業者を利用している投資家数の調べ方
ウェブサイトをチェックするという方法が一番ですが、当サイトでは定期的に海外FXを利用している投資家にアンケート調査をしています。このアンケート調査で利用している方が多い海外FX業者も、投資家数が多い海外FX業者と推察することができます。
その5.信託保全を採用している海外FX業者は信頼性が高い
信託保全を採用するということは、それなりに海外FX業者がコストを支払うことになります。
信託保全を実現する方法には
- 信託銀行(信託会社)と契約する
- 保険会社と契約する
- 投資家保護基金に加盟する
という、大きく分ければ3つの方法がありますが、どれを採用するにしても、それなりの信頼性のある会社でしか、信託保全はできないのです。
初心者にもおすすめの海外FX業者はこちら
まとめ
海外FXに危険性はあるのか?
ただし、「海外FX業者の正しい選び方・使い方」をしていれば、その危険性の多くは排除できる。
というのが結論になります。
日本の業者でも、摘発される業者があるぐらいですから、海外FX業者にも、優良業者と悪徳業者がいて、優良業者を選ぶのであれば、海外FXといっても、十分に安全に利用することができるのです。
海外FXの初心者が知るべき海外FX業者の正しい選び方
- その1.親会社(グループ会社)も含めた金融ライセンスの有無をチェックする
- その2.日本人がサポート担当になっている海外FX業者を選ぶ
- その3.日本人へのサービス提供歴が長い海外FX業者を選ぶ
- その4.海外FX業者を利用している投資家数をチェックする
- その5.信託保全を採用している海外FX業者は信頼性が高い
「海外FX業者の出金拒否にあったという情報が2ちゃんねるにありましたが本当ですか?」
「海外FXの初心者が海外FX業者を比較するときは何に注意すれば良いでしょうか?」