海外FXもレバレッジ規制!?「ESMA(欧州証券市場監督局)」のレバレッジ制限とバイナリーオプション禁止令と海外FX業者各社の対応

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「海外FXはレバレッジ制限対象外だから魅力があるのに、海外FX業者がレバレッジ制限って本当!?」

と思ってしまうかもしれません。しかし、実際にいくつかの海外FX業者はレバレッジ制限を実行しています。今回は海外FX業者のレバレッジ制限について解説します。

「ESMA(欧州証券市場監督局)」のレバレッジ制限とバイナリーオプション禁止令とは?

「ESMA(欧州証券市場監督局)」のレバレッジ制限とバイナリーオプション禁止令とは?

「ESMA(欧州証券市場監督局)」とは?

欧州証券市場監督局は、英語で「European Securities and Markets Authority」、略称「ESMA」と呼ばれる欧州連合「EU」の金融監督庁のような存在です。欧州証券規制当局委員会(CESR)を母体に2011年1月1日に設立され、欧州金融市場の機能を改善するために証券法規と規制の分野で活動しています。

ESMAのウェブサイトには

ESMAは、投資家の保護を強化し、安定した秩序のある金融市場を促進することによって、EUの金融システムの安定性を保護する独立EU加盟機関です。
と英語で記載されています。
  • 日本の金融システムの監視役 → 金融庁
  • EUの金融システムの監視役 → ESMA(欧州証券市場監督局)

という位置付けになります。

「ESMA(欧州証券市場監督局)」のレバレッジ制限とバイナリーオプション禁止令とは?

「ESMA(欧州証券市場監督局)」は、投資家保護の観点の元、「CFDのレバレッジ制限」と「バイナリーオプション禁止」の規制を2018年3月23日に決議しました。

CFDには「FX(為替)」も含まれています。

Steven Maijoor議長の発言

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「ESMAが今日実施した措置は、EUにおける投資家保護の強化に向けた重要な一歩です。CFDの新しい措置は、投資家が投入するよりも多くの資金を失うことができないようにし、レバレッジとインセンティブの使用を制限し、投資家にわかりやすいリスク警告を提供します。

ESMAのバイナリオプションのマーケティング、流通または販売を個人投資家に禁止することは、この製品の特性によって引き起こされる重大な投資家保護の懸念に対処します」

「CFDのレバレッジ制限」と「バイナリーオプション禁止」の規制概要

1.バイナリーオプションの禁止

2018年7月2日よりバイナリオプションのマーケティング、流通または販売を個人投資家への販売を禁止する

2.レバレッジ制限

2018年8月1日より、CFDの個人投資家へのマーケティング、流通または販売に関して制限する

1.レバレッジ
商品の種類ESMA規制後の最大レバレッジ(マージン率)
メジャー通貨ペア(主要FX通貨)30倍(30:1)
マイナー通貨ペア(マイナーFX通貨)20倍(20:1)
メジャー株価指数(主要インデックス)20倍(20:1)
マイナー株価指数(マイナーインデックス)10倍(10:1)
ゴールド(金)20倍(20:1)
その他コモディティ10倍(10:1)
個別株式5倍(5:1)
仮想通貨(暗号通貨)2倍(5:1)
2.口座ごとの証拠金の取消し規則

海外FX業者が1つ以上の投資家のオープンなCFDをクローズする必要がある場合のマージンのパーセンテージ(最小必要マージンの50%)を標準化します。

→ ロスカット・レベルが50%以上になるということ

3.口座単位でのマイナスバランス保護。これは、小売顧客の損失に対する全体的な保証限度を提供する。

→ 追証なし

NBP(Negative balance protection、ネガティブ・バランス・プロテクション)

4.CFDを取引するために提供されるインセンティブに関する制限。
5.CFDプロバイダーの個人投資家の口座に対する損失の割合を含む、標準化されたリスク警告。

考察

どこかで見たような投資家保護を前面に出した規制と言っていいでしょう。ただし、日本のレバレッジ規制との違いは「追証なし」も明記していることでしょうか。

当然、この規制は「EUの規制下で運営する海外FX業者に適用される。」ものですが・・・下記のような反発もあります。

  • レバレッジが低すぎる
  • 国際的な海外FX業者と比較して、中小企業規模の海外FX業者に厳しい規制
  • EU規制下の海外FX業者から、規制対象外の海外FX業者に顧客が流れてしまう
  • 投資家はより多くの証拠金を用意しなければならにため、資金を失うリスクが増える

これも日本のレバレッジ規制導入時と同じ反応と言っていいでしょう。

ポイントは

このESMAの規制は、EU圏で金融ライセンスを持ち営業している海外FX業者にのみ適用される

ということです。

各海外FX業者の対応

各海外FX業者の対応

IronFX

ESMA規定による制限が実行されます
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お客さま各位、

ご連絡させていただいておりますとおり、欧州証券市場局(ESMA)は、先日より、EU加盟国およびEEA各国の金融機関によるリテールクライアントへのCFD提供に関し、新措置を採択しています。

認可・規制を受ける企業として、IronFXは常に規制当局が発行した規則に従ってまいります。
2018年7月30日に発効する重要な規約変更は以下のとおりです。

商品の種類ESMAによる新マージン
主要FX通貨30:1
マイナーFX通貨20:1
主要インデックス20:1
マイナーインデックス10:1
20:1
その他コモディティ商品10:1
個別株式5:1
仮想通貨2:1

ロスカット規約
口座毎のロスカット・レベルは50%に設定されます。口座が50%を超えるマージンを維持している場合、影響を受けません。アカウントの残高を確認し、未払いのポジションを維持するために必要な措置を講じることを推奨します。

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IronFXでは

  1. キプロス口座
  2. イギリス口座
  3. バミューダ口座

の3つの口座を開設することが可能です。

  1. イギリス口座
  2. キプロス口座

は、「ESMA(欧州証券市場監督局)」の規制の対象になるため、レバレッジが制限されますが・・・

バミューダ口座

であれば、規制の対象外になります。

レバレッジ規制対象外のIronFXバミューダ口座開設はこちら

XM

変更なし

XMは、以前から日本人顧客の口座を「キプロス口座」→「セーシェル口座」に変更していました。

Trading Point of Financial Instruments Ltd:キプロス(EU圏内)

Trading Point (Seychelles) Limited:セーシェル(EU圏外)

そのため、日本人顧客に関しては、既にEU圏外の口座になっているため、「ESMA(欧州証券市場監督局)」のレバレッジ制限は対象外となります。レバレッジも以前の通り最大888倍です。

FxPro

重要な規制の更新
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お客様へ

欧州証券市場局(ESMA)が発表した新しい措置は、2018年8月1日(水曜日)。 サーバーの時間に影響を与え、(8月1日以降に開かれる新しいポジションに影響を与える)あなたの取引口座のすべてのレベルを中止します。
2018年8月1日以前に開設されたポジションの証拠金要件は影響を受けません。
貴社のトレーディングへの影響を理解するため、ESMAの措置を詳細に説明し、実例を紹介する専用のページをご覧ください。

具体的には、すべてのFxProプラットフォームのストップアウトレベルは次のように変化します。

取引プラットフォーム8月1日前に中止する8月1日以降に中止する
FxPro MetaTrader 420%50%
FxPro MetaTrader 530%50%
FxPro cTrader30%50%
FxPro Markets30%50%

The margin requirements on all FxPro platforms (applicable for Retail clients only) will change as follows:

金融商品最大レバレッジ
Forex Majors1:30
Forex Minors1:20
Gold, Gold oz & Gold gr1:20
Spot Index Major1:20
Indices Futures1:20
Silver1:10
Commods Futures1:10
Energy Futures1:10
Energy Spot1:10
Spot Index Minor1:10
US, UK, French & German Shares1:5

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FXPRIMUS

Attention: Important Regulatory Updates
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Dear Client,

Further to the announcement of the European Securities and Markets Authority (‘’ESMA’’), dated March 27, 2018, new measures will come into effect on Wednesday, August 1, 2018, which will affect the margin close-out levels, as well as the level of leverage available per financial instrument, for retail clients.

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海外FX業者の「ESMA(欧州証券市場監督局)」のレバレッジ制限の影響は軽微

海外FX業者の「ESMA(欧州証券市場監督局)」のレバレッジ制限の影響は軽微

前述した通りで、多くの海外FX業者は

このESMAの動きを知ってか知らずか・・・以前から

EU圏内の金融ライセンスの運営会社 → EU圏外の金融ライセンスの運営会社

へ、日本人顧客の口座を移していました。

  • XM
  • IronFX
  • Traderstrust
  • Hotforex

などの大多数の海外FX業者は

日本人顧客が海外FX業者を利用する大きな要因として「レバレッジ制限がない」ということが大きい

ということを理解しているため、この利点がなくならないようにEU圏外の金融ライセンスの運営会社に口座を動かしていたのです。

当然、これは日本人顧客だけでなく、今後EU圏内の投資家も、「レバレッジ制限のない」海外FX業者を求めるはずです。

そのため、今回のESMAのレバレッジ制限で影響があったのは

  • FxPro

ぐらいで、

ほかの海外FX業者の場合は、「レバレッジ制限なし」で今まで通りのハイレバレッジトレードが可能となっています。

日本人投資家にとっては大きな問題はないでしょう。

今後の海外FXとレバレッジ規制の行方

今後の海外FXとレバレッジ規制の行方

「ESMA(欧州証券市場監督局)」のレバレッジ制限は、多くの投資家の流れを変えてしまうものかもしれません。

  • 日本の投資家 → レバレッジ規制を契機に → 海外FX業者へ流れる
  • 欧州の投資家 → レバレッジ規制を契機に → EU圏外の海外FX業者へ流れる

可能性が高いのです。

当然、多くの海外FX業者はすでにEU圏外の運営会社を作っているため

  • レバレッジ規制がないEU圏外の運営会社の口座

を用意しています。

となると投資家の選択肢としては

  1. 信頼性の高い金融ライセンスを保有しているがレバレッジが制限される海外口座を開設する
  2. 信頼性の低いEU圏外の金融ライセンスしかないがレバレッジは制限されていない海外口座を開設する

の2択になるのです。

日本人投資家にとっても

信頼性の高い金融ライセンスを保有していて、レバレッジ規制がない(ハイレバレッジトレードが可能)な海外FX業者はほとんどなくなってしまいます。

結果として

  1. 信頼性の高い金融ライセンスを保有しているがレバレッジが制限される海外FX業者を使うか?
  2. 信頼性の低いEU圏外の金融ライセンスしかないがレバレッジは制限されていない海外FX業者を使うか?

の2択になるはずです。

前者であれば、日本の国内FX業者でことが足りるので、今までの

  1. 信頼性を重視する → 国内FX業者
  2. レバレッジを重視する → 海外FX業者

という選択肢には変わりがないのです。

影響があるとすれば、今までは顧客でなかったEU圏の投資家も、「EU圏外の金融ライセンスしかないがレバレッジは制限されていない海外口座」に口座を開設する流れになるため、海外FX業者の儲けは大きくなります。

EU圏外の海外FX業者の儲けが大きくなれば

  • 手厚いボーナスやキャッシュバック
  • 豪華なトレードコンテスト
  • スプレッドが狭くなる

可能性が高いのです。

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「ESMA(欧州証券市場監督局)」のレバレッジ制限は、日本人投資家にとっては、決してネガティブなものではなく、ポジティブな側面も強いのです。

ただし、注意しなければならないのは

どこの金融ライセンスも、信頼性の低いものになってしまうため

「信頼性の高い海外FX業者か?信頼性の低い海外FX業者か?の見極めが重要になる」

と言っていいでしょう。

  1. XM、FxProのように世界展開している海外FX業者が規制回避のためにEU圏外の信頼性の低い金融ライセンスで関連会社を別に作るのと
  2. EU圏外の信頼性の低い金融ライセンスだけで、独自で海外FX業者を立ち上げるのと

では、意味合いが大きく異なるのです。

teacher

海外FX業者を比較検討する上では

  1. 今まで重要だったもの「金融ライセンス」
  2. これから重要になるもの「親会社の金融ライセンス、親会社の企業規模」

と変化していきます。

海外FX業者を比較検討するときは、金融ライセンスの信頼性だけでなく、「親会社の金融ライセンス、親会社の企業規模」をチェックするように心がけましょう。